中日本高速、所要時間情報の精度高く 次世代ETC活用
中日本高速道路(NEXCO中日本)は高速道路上の表示板などで示している所要時間の精度を向上させる。次世代型の自動料金収受システム「ETC2.0」を搭載した車両の位置や速度などを活用し、誤差の範囲を狭くする。既に東名高速道路など首都圏の一部区間では今回の取り組みを始めており、2021年度にも対象区間を中部地方に拡大する。
NEXCO中日本は道路上の情報板やインターネットの専用サイトなどを通じ、主要IC(インターチェンジ)までの所要時間を随時提供している。これまでは2キロメートル間隔で路面に埋め込んでいる車両感知器を使って時間を算出していた。今後は200メートル単位で区切ったETC2.0搭載車の走行データをアンテナで受信して導き出す方法に変えていく。
ETC2.0による時間算出の精度は渋滞時ほど高まりやすい。同社は20年8月のお盆期間に東名高速道路の東京IC~厚木IC間(下り線、通常20分強で走行)で検証した。すると最大で90分ほどかかった実際の時間と車両感知器を使って表示した所要時間では、30分弱の誤差が発生した時もあった。さらに「車両感知器の方が所要時間を短く表示する傾向が大きかった」(宮池克人社長)という。
一方、ETC2.0のデータを活用した場合、実際の通過時間と算出した所要時間の差は最大でも10分程度で済んだ。渋滞していない時間帯はどちらの方法でも精度に大きな差はなかった。
NEXCO中日本は「アイ・ムーブメント」と称し、先端技術を導入したサービス向上や道路保全に努めている。今回の取り組みも同枠組みの一環で、このほか人工知能(AI)を使って年末年始などの混雑期の渋滞予測精度を高める試みも進めている。
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