だからマスコミは嫌われる…大統領選でわかった日本の新聞の絶望的な末路

自ら首を絞め、やがて読まれなくなる…

勝利宣言を報道しなかった新聞の罪

米国のジョー・バイデン次期大統領が本格的に政権移行の準備を始めた。ドナルド・トランプ大統領は敗北を認めていないが、外堀は埋められつつある。バイデン政権が誕生すれば、どんな政策を展開するのか。焦点は中国だ。

本題に入る前に、日本の新聞について一言、書いておきたい。ご承知のように、バイデン氏が11月7日夜(日本時間11月8日未明)に勝利宣言した翌日、9日は新聞休刊日のために朝刊が発行されなかった。がっかりというか、拍子抜けした読者も多かっただろう。

重要ニュースが起きたタイミングで、日本の新聞が休刊日で発行されなかった例は過去にもある。近年では、東京五輪・パラリンピックが決まった2013年9月8日の翌日だ。このときも休刊日に当たってしまい、日本中でほとんどの新聞が発行されなかった。

Photo by gettyimages
 

当時の例外は、読売新聞だった。

読売はこのとき「特別号外」と称して、全国でなんと842万部の新聞を配った。普通の号外はたいていペラ1枚で、配る場所も繁華街や駅頭と相場が決まっている。ところが、この特別号外は全部で16ページもあり、五輪関連ニュースで埋め尽くされていた。

他社も駅頭などで号外を配ったが、読売は全国の販売店を動員して、特別号外を各家庭に宅配したのだ。私は自宅で読売もとっている。他紙は休刊だったが、読売だけは朝刊がポストに入っていて、驚いた記憶がある。

新聞休刊日は各社が独自に決める建前になっている。だが、実際には、大手紙が同じ日を休刊にしている場合が多い。販売店によっては、複数の新聞を扱っているので、休刊日をそろえないと「配達員が休めない」という事情もある。

だが、重要ニュースがあるのに、新聞を発行しないのは、どうなのか。新聞の使命は「ニュースを伝える」ことだ。多くの読者が関心を抱いている「東京五輪」や「米大統領選の行方」を伝えないのは、厳しい言葉を使えば「読者に対する裏切り」と言ってもいい。

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