雨の日も安心
ハンチング帽の1種、キャスケットはアメリカでは新聞売りの少年がかぶっていたことからいまもニュースボーイ・キャップといわれる。ドイツではそのシルエットから風船帽と呼ばれている。
歴史を振り返れば、愛用者として歌手のブライアン・ジョンソン、俳優のグレゴリー・ポーター、芸術家のフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー、そして政治家のウラジーミル・レーニンの名が思い浮かぶ。大人がかぶってさまになるひとつなのだが、前述のイメージが邪魔をしたのか、日本ではなかなか浸透しなかった印象がある。
かぶりたくてもかぶれなかった男性におすすめしたいのが、インターナショナルギャラリー ビームスがイタリアでつくったオリジナルだ。毛先の長いファーをまとったそのキャスケットは、装飾を削ぎ落としたデザインと相まって大人の色香が漂う。100%ポリエステル(とは思えない高級感があるが)のファーなので、突然の雨にもたじろぐ心配は無用だ。
連載「今週のいいもの」について
「今週のいいもの」では、毎週ひとつのテーマを設け、GQの視点で選んだ5点のアイテムを紹介する。ファッションからスキンケア、家電、雑貨まで、あなたのライフスタイルを豊かにする“いいもの”を見つけてほしい。
文・竹川圭 写真・高橋絵里奈 スタイリング・稲垣友斗、飯垣祥大