「大阪都構想」1日に住民投票 大阪市の廃止問う
大阪市を廃止して特別区を設置する「大阪都構想」の是非を問う住民投票が1日、始まった。賛成が上回れば、大阪市は東京23区のような4つの特別区に再編される。住民投票の実施は僅差で構想が否決された2015年以来2度目で、可決されれば初の政令指定都市の廃止になる。反対多数か賛否同数の場合、大阪市は存続する。
大都市地域特別区設置法に基づいて実施され、結果には法的拘束力がある。有権者は18歳以上の大阪市民約223万人。投票率に関係なく、賛成多数なら大阪市は25年1月1日に廃止される。大阪府の名称を「大阪都」に変更するか否かは問わない。
都構想は大阪府・市の双方が担ってきた成長戦略やインフラ整備など広域行政を府に一元化するのが柱だ。教育や福祉など住民に身近な行政サービスは、人口60万~75万人に再編された4特別区が担う。
告示以降、賛成派の大阪維新の会や公明党が、府・市の「二重行政」を解消し、経済成長につなげると主張。反対する自民、共産、立憲民主各党などは住民サービス低下の恐れなどを訴えた。
大阪市選挙管理委員会によると、30日までに期日前投票・不在者投票を済ませた有権者は36万9027人で、全体の1割超に上る。新型コロナウイルス下で、投票所の「3密」を避けるために積極的に利用したとみられる。前回の住民投票の投票率は66.83%で、最終的な投票率がどの程度になるかも注目される。