ゲーム内で割引券発行 IT技術で集客狙う試み続々

ゲーム内で割引券発行 IT技術で集客狙う試み続々
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 コンビニエンスストアなどが時間帯や人の位置情報を分析するIT技術を駆使した集客に乗り出した。キャッシュレス決済の導入などデジタル化に積極的なローソンは、広告効果を高めるため顧客情報に合わせた割引を実施。連携するゲーム大手や携帯電話大手も、自社のデジタル技術を実社会で生かし、新しいビジネスを創り出したい考えだ。

 スクウェア・エニックスは10月27日から、スマートフォン向け位置情報ゲーム「ドラゴンクエストウォーク」で、ローソンとの協業企画を始めた。ドラクエウォークは実際に町を歩いて遊ぶゲームで、ゲーム内で表示されるローソンの店舗を訪れると、コーヒーが無料になるクーポン券などが当たる抽選に参加できる。

 ローソンは実店舗でも使える割引券をゲーム内で発行することで、ゲーム利用者の来店を促し商品を購入してもらいたい考え。これまで来店者にゲームで使えるアイテムを配るといった販促企画はあったが、店に来ても実際に商品を購入してくれるか不透明だった。

 こうした取り組みが進むのは、キャッシュレス決済を始めとしたコンビニのデジタル化が背景にある。これまでの紙のクーポン券は店員が回収しなければ店舗の売り上げを管理できず、手間がかかった。デジタルならデータとして記録が残るため、店舗側の負担が小さいといった利点がある。

 ローソンはKDDI(au)と、位置情報から店舗の近くにいる顧客に割引情報を発信する実証実験も実施。「来店が促進されることは確認できた」(ローソン)として、来年度中に全店で導入する予定だ。ソフトバンクも本社を移す東京都港区の「東京ポートシティ竹芝」で、入居する飲食店の空席情報などを社員にリアルタイムで配信するといったデジタルを活用した集客技術に注力している。

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