就活、23年春卒も6月面接解禁 見直し25年卒以降に
政府は29日、2023年春に入社する現在の大学2年生の就職活動について、面接を6月に解禁する現行ルールの維持を決めた。24年春に卒業する大学1年生についてもルールを継続する方向だ。新型コロナウイルス感染症の影響で雇用環境が悪化するなか、学生の混乱を避ける狙いがある。就活ルールの抜本的な見直しは25年春卒以降に先送りされた。
現行の就活ルールは説明会など広報活動を大学3年の3月以降、面接など選考活動は4年の6月以降、正式な内定を10月以降と定めている。政府は29日開いた関係省庁の連絡会議で23年春卒もこのルールを維持し、24年春卒も「変更する必要が生ずる可能性は高くない」と確認した。
焦点は来春大学に入学する25年春卒以降の扱いだ。政府は今回「今後の経済情勢と企業の採用活動の関係を見極め、あり方を含め検討する」との記述にとどめた。企業業績の悪化が続いて新卒市場が冷え込めば、抜本的な制度改革には踏み出しにくくなる。
かつて就活ルールを決めていた経団連は新卒一括採用を見直し、通年採用の拡大を目指す立場だ。経団連に代わって21年春卒分からルール作りを主導している政府も、日本の成長力の底上げには硬直的な人事制度の見直しは不可欠とみる。
一方で、大学や学生の間には目安となる一定のルールを求める声も根強い。政府が今年実施した学生向け調査では、約67%が「ルールは必要」と回答した。大学向けの調査でも約57%が「現在の開始時期でよい」との回答だった。
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