「ファン付き作業服」の臭い解消 東レが皮脂酸化分解抑える新素材

新素材「ムッシュオン4X」を使った作業服(東レ提供)
新素材「ムッシュオン4X」を使った作業服(東レ提供)

 東レは27日、臭いのもととなる皮脂の酸化、分解を抑えるなどした生地「ムッシュオン4X」を開発し、11月に発売すると発表した。消臭、防汚、制菌、抗酸化と4つの効果が同時に得られる特長があり、作業服や寝具など向けに展開を目指す。

 開発のきっかけは、近年、熱中症を防ぐため工事現場などで普及する「ファン付き作業服」。ファンにより衣服内に風を送ることで涼しく過ごせる優れものだが、「臭いが気になる」との声が増えていた。

 そこで、4つの機能剤を組み合わせ、ポリエステルに吸収させることで汗による不快な臭いを抑える新素材を開発した。ナイロンや綿の混合素材でも同じ機能を再現することができ、東レは「ユニホームだけでなく一般衣料などにもニーズが広がる」(担当者)と期待する。

 悪臭を防ぐ生地はこれまでアンモニア臭を消すものが主流だったが、新素材は業界初となる皮脂の酸化・分解を抑えることでノネナールなどアルデヒド系の臭いを抑える機能を持つ。また、生地に皮脂が蓄積されるのを防ぎ、生乾き臭の原因となる菌の増殖も抑えるという。

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