パリ郊外、教員首切られ死亡、テロの疑い…ムハンマド風刺画引き金か

16日、フランス・コンフランサントノリーヌの事件現場付近で話すマクロン大統領(AP)
16日、フランス・コンフランサントノリーヌの事件現場付近で話すマクロン大統領(AP)

 【パリ=三井美奈】パリ近郊のイブリヌ県で16日、中学校の男性教員が男に刃物で襲われ、死亡した。仏メディアによると、首を切られていた。男は駆け付けた警察官に射殺された。教員がイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を授業で使ったことが犯行の引き金になったとみられ、現場に急行したマクロン仏大統領は「イスラム主義者によるテロ」だと批判した。

 被害者は歴史・地理を担当する47歳の教員。風刺画は「表現の自由」についての教材として使われ、イスラム教徒の父母から苦情が出ていたという。マクロン氏は「被害者は生徒に『表現の自由』を教えたために殺された」と述べた。

 パリジャン紙によると、容疑者は18歳で、ロシア生まれ。イスラム教徒の多いチェチェン共和国から来たいう。中学校の周辺で、教員の遺体のそばにいたところを発見された。教員の頭部は、胴体から数メートル離れたところに置かれていた。容疑者は警察官に向かって、アラビア語で「神は偉大なり」と叫んだという。

 同紙は、インターネット上では容疑者のものとみられるツイッターが見つかり、「不信心者のマクロンへ。ムハンマドをおとしめようとした犬を一匹処刑した」というメッセージとともに教員のものとみられる頭部の写真が掲載されていたと報じた。

 フランスでは2015年、ムハンマドの風刺画を掲載した週刊紙シャルリー・エブドが銃撃テロの標的となった。先月、同紙は再びムハンマドの風刺画を掲載。その後、同紙のパリの旧本社前で、パキスタン系の男がナイフで2人を負傷させる事件が起きたばかりだった。

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