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EUは社会貢献債12兆円超発行へ、コロナ禍の回復を支援

  • 10月後半に第一陣を発行、域内の社会貢献債市場は3倍近くに拡大へ
  • 社会貢献債は今年、サステナブル・ファイナンスの中で最も成長

欧州連合(EU)は、ソーシャルボンド(社会貢献債)の発行に踏み出す。新型コロナウイルス感染拡大で傷付いた社会を回復させるためのプロジェクト資金を確保する狙い。こうした債券の市場規模は今年、4倍に拡大している。

  EUは初の社会貢献債を10月後半に発行する見通し。合計で最大1000億ユーロ(約12兆5000億円)の発行を短期の社会事業を支える目的で計画しており、その第一陣となる。新型コロナ対応のための資金需要から、社会貢献債は今年、サステナブル・ファイナンスの中で最も急速に成長している。

  欧州委員会予算総局長のヘルト・ヤン・コープマン氏は、「もちろんわれわれは社会事業の費用を賄おうとしている。従って、社会貢献債と認められる債券を発行する立場にある」とした上で、「発行額を考えるとこれは意味が大きい。EU域内の社会貢献債市場を恐らく3倍近くに拡大させることになるだろう」と述べた。

Social Bond Surge

EU could issue as much as $100 billion in bonds for positive social outcomes

Source: BloombergNEF

  今年これまでの社会貢献債発行高は過去最高の720億ドル(約7兆6000億円)で、2019年全体の4倍に相当する。累積の発行高は1170億ドル。

   EUは「緊急時失業リスク緩和支援(SURE)」と名付けたプログラムの下での発行に関し、バークレイズとドイツ銀行、DZ銀行、HSBCホールディングスを起用。銀行団は7日に投資家と発行計画について電話会議を行う。EUは総額7500億ユーロ規模の復興基金を計画しており、この財源では初めて発行するグリーンポンド(環境問題解決の資金を集めるための債券)も大きな部分を占める。

EU、グリーンボンドとソーシャルボンド発行へ-復興基金財源の一部

原題:
Europe Plans Social Bond Bonanza to Fund Recovery From Pandemic(抜粋)

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