「朝10分のノート習慣」が脳に最高なワケ。日記は “朝に3行だけ” つけなさい。

二度寝の誘惑に後ろ髪を引かれながらも、なんとかベッドから這い出て、「今日も仕事か……」と陰鬱な気持ちを抱えたまま出社の準備を始める——こんな朝の過ごし方をしていては、その後の1日が捗るはずもありません。

ぜひ朝のうちに、感情の “整理整頓” と “お掃除” をやってしまいましょう。10分前後からできる、仕事も人生も好転させる「朝のノート術」を3つご紹介します。

1. 思いつくままの感情を「モーニングページ」に書き出す

最初に取り上げるのは、小説家や脚本家として活躍するジュリアン・キャメロン氏が、自身の著書『ずっとやりたかったことを、やりなさい』の中で紹介している「モーニングページ」。読んで字のごとく、“朝一番、自分が思いついたことをひたすらノートに書いていく” という非常にシンプルなメソッドです。

他人に見せるわけではないので、体裁を気にする必要は全くありません。文章として成立していなくても、ただの単語の羅列になっても、字が汚くても問題なし。頭に浮かんだことをそのまま言葉に書き表していきます何も思い浮かばないのであれば「何も思い浮かばない」でも可。キャメロン氏は、3ページ書くのが理想であるとしています。多く感じるかもしれませんが、慣れれば10分から15分程度で書けるようになるそうです。

このモーニングページを実践してみた京都大学のライターは、感想を以下のように記しています。

モーニングページをやってみて、まず朝に余裕が持てるようになりました。最初は辛いと感じていた早起きも、習慣づけることで、自然と目が覚めるようになります。 また、朝一番の自分の考えをノートに書くことで、「今日一日にやるべきこと・やりたいこと」がはっきりしてくるように感じました。 朝一番、あまり思考が回らないときに書くことにより、より素直な言葉が出てきます。それにより、自分の思考が整理され、固定観念やネガティブな感情に気づくことで、新たな考えが生まれてくるように思いました。

(引用元:StudyHacker|朝一番、15分だけで人生が変わる。「モーニングページ」をやってみた話

このような、脳内の声を思いつく限り紙に書き出す行為は「ジャーナリング」と呼ばれており、心を整えるマインドフルネスの一種として、その効果が認められています。海外の学会誌『Psychotherapy Research』に掲載された論文では、感情を紙に書き出すことで不安感や抑うつ状態が大きく改善されると報告しています。別の学会誌に発表された論文でも、このジャーナリングにより、ストレス時に分泌されるコルチゾールの値が減少することが示されています。

朝イチで頭の中を整理整頓することで、すっきりした気持ちで1日を始められそうですね。

2. 「朝の3行日記」に、今日実現させたいポジティブなことを書き出す

『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』『朝の余白で人生を変える』など朝に関する著書多数、“朝活の第一人者” である池田千恵氏が監修する『朝活手帳』には、「朝の3行日記」の欄があります。

「え、朝に日記を書くの?」と疑問を持つ方もいるでしょう。この「朝の3行日記」、昨日起きたことを朝に書くのではありません。なんと、日実現させたいことを、朝のうちに “あたかも本当に実現できたかのように” 書いてしまうのです。

例えば私は今ダイエットしているのですが、食欲をコントロールできて、昨日よりも体重が0.5kg減ったよ!という喜びを、まだ体重が減っていない今、予測して記録するのです。 するとあら不思議。-0.5kg減った気分で、背筋をシャンと伸ばし、お腹も引っ込めて一日を過ごすことができるせいか、本当に体重が減っちゃうんですよね〜。

(引用元:朝時間.jp|日記は夜でなく「朝、3行だけ」つける。その驚くべき効果

ここで大きな力を発揮しているのが、さまざまな実験でも明らかになっている「プライミング効果」(=先に知覚した事柄が後の知覚に影響を及ぼす効果のこと)。望ましい結果をあえて言語化することで、それが記憶に深く植えつけられ、実際の意識や行動がそちらへ向いていくのです。ハーバード大学の実験でも、目標を紙にペンで書くことで実行率が高くなることが報告されています。

「定時で仕事が終わったので美味しいディナーを食べに行けた!」「新規の訪問先を5件も開拓できた!」「勉強が捗って5ページも参考書が進んだ!」など、その日1日をポジティブにイメージし、ノートに書き記してみてください。1日の終わりに振り返ってみると、達成できていた自分に驚くかもしれません。

3. ストレス耐性の高いうちに「ToDo」をひたすら書き出す

最後にご紹介するのは、もう少し仕事寄りのノート術です。

大脳生理学の権威である久保田競氏の著書『あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法―脳科学の最高権威がはじめて明かす』によれば、1日の中でストレス耐性が最も高い時間帯は “朝起きてから20分後” なのだそう。ストレス対策は、ぜひ朝のうちにやってしまいましょう。もしあなたが、出社前に仕事のことで憂鬱になりがちなのであれば、朝起きてすぐに「仕事でやるべきこと」を明らかにして紙に書き出すことをおすすめします。

経営コンサルタントとして活躍する横山信弘氏は、朝の習慣 “マインドフルネス瞑想” 中は傍らにメモ帳を置き、浮かんできた「やるべきこと」を書き出すようにしているのだそう。

マインドフルネス瞑想の最中は、雑念を振り払う必要があります。にもかかわらず「これから出勤して仕事だ」と思えば思うほど、昨日「先送りしたこと」、今日「やるべきこと」が次々に浮かんでくるのです。 そういったノイズを減らすためにも、目の前のメモにどんどん「やるべきこと」を書き出していきます。メモを書いては目を閉じ、メモを書いては目を閉じ……を繰り返します。すると、少しずつ心が落ち着いてきます。

(引用元:yahoo!ニュース|先送りの習慣をなおすには「朝」を利用する ――朝PDCAのやり方

横山氏は、「やるべきこと負債」が頭の中に蓄積されることの危険性を指摘しており、それを頭の外に押し出してやることで、何をどんな順番や方法で対処すべきかを考えられるようになると述べています。ビジネスパーソンの基本とも言える「ToDoリスト作り」ですが、朝イチで終わらせることで、出社後に戸惑うことなく仕事に着手できそうですね。

***
皆さんは、どのノート術を試してみますか? 一度やってみると、その効果にきっと驚くことでしょう。

(参考)
Inc.|Why It’s Worth Making Time for This Lengthy Morning Ritual
StudyHacker|朝一番、15分だけで人生が変わる。「モーニングページ」をやってみた話
ダイヤモンド・オンライン|毎日たった1分の瞑想が心身にもたらす効果とは
EVERYDAY HEALTH|Journal Your Way to Stress Relief
MUO|Start this Simple Habit to Rocket Your Productivity: Journaling
朝時間.jp|日記は夜でなく「朝、3行だけ」つける。その驚くべき効果
StudyHacker|「Have to」ではなく「Want」を探せ! 池田千恵さん『朝の手帳術』セミナーを潜入リポート!
StudyHacker|「目標を紙に書くと年収が10倍になる!?」ハーバード大学の調査で明らかに。
東洋経済オンライン|「口ぐせが現実を変える」が科学的に正しい訳
久保田競 (2010),『あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法―脳科学の最高権威がはじめて明かす』, ダイヤモンド社.
yahoo!ニュース|先送りの習慣をなおすには「朝」を利用する ――朝PDCAのやり方

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