東証、過去最悪システム障害も2日は「通常通り」へ。新聞は株価掲載できず「ー」が並ぶ異例の紙面(UPDATE)

「ー」が並ぶ日本経済新聞の夕刊(2020年10月1日、電子版より)

「ー」が並ぶ日本経済新聞の夕刊(2020年10月1日、電子版より)

撮影:吉川慧

【UPDATE(2020/10/01 19:30)】

東京証券取引所は10月1日夜、2日の売買について、「現状、市場再開に向けて問題なく対応を進めており、明日の東京証券取引所における立会内取引及びToSTNeT取引については通常通り売買を行う予定」発表した

売買の各種取扱いは、下記の通りの措置をとる方針。以下、東証の発表を引用する。

1.基準値段
明日10月2日の基準値段は、本日(10月1日)と同じ基準値段又は板中心値段を採用します。ただし、重複上場外国銘柄(本国相場採用銘柄 )については、当取引所が別途定める値段 とします。
なお、翌日基準値段情報について、本日、相場報道システムからの配信は行われませんので、Targetに掲載(17時頃を目途)する全銘柄の基準値段情報をご参照ください。

2.空売り価格規制9月30日の売買において空売り価格規制に抵触し、本日の売買において空売り価格規制が継続適用となっていた銘柄 については、明日10月2日においても引き続き空売り価格規制の対象銘柄となります。

3.制限値幅の拡大の取扱い
9月30日の売買において制限値幅の拡大要件 に抵触した銘柄 について、10月2日の売買においても当該要件に抵触した場合には、翌営業日(10月5日)の売買において、制限値幅の拡大を行います。

4.ToSTNeT取引における取引価格
(単一銘柄取引)
明日の立会開始前の単一銘柄取引における、価格制限の基準となる値段は本日(10月1日)の基準値段とすることとし、明日の午前8時20分から取引可能です。なお、明日の午前8時20分から午前9時までの「前日VWAP」を取引価格とするVWAPギャランティー取引及び委託者間VWAP取引については取引不可となります。

(終値取引)
明日の午前8時20分から午前9時までの終値取引については、9月30日の普通取引における最終値段(最終特別気配値及び最終連続約定気配値を含み、いずれもない場合は当日基準値段)を取引価格として通常どおり取引可能です。

東京証券取引所はシステム障害のため10月1日、全銘柄の株式売買を停止した。株価指数や個別銘柄の株価が算出できない事態となり、1日の日本経済新聞の夕刊では証券欄に「-」の記号が並ぶ異例の紙面となった。

ジャスダック、マザーズも「ー」が並ぶ。(2020年10月1日日本経済新聞・夕刊、電子版より)

ジャスダック、マザーズも「ー」が並ぶ。(2020年10月1日日本経済新聞・夕刊、電子版より)

撮影:吉川慧

東証において株式の全銘柄で売買不可となったのは、更新したソフトの欠陥が原因となった2005年11月、「ライブドアショック」でIT関連の銘柄に大量の売り注文がかかった2006年1月以来。

大規模なシステム障害は、2018年10月に一部の大手証券会社などの売買注文が一時的に処理できなかった時以来となる。終日の現物取引停止は初の事態だという。

東証は1日午後に記者会見を開いた。宮原社長は会見冒頭で「多くの市場参加者の皆さま、投資家の皆さま方に多大なご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」と述べ、深く一礼。過去最悪レベルのシステム障害で、取引を終日停止したことを謝罪した。

日本取引所グループの横山隆介CIOによると、富士通が開発した売買システム「アローヘッド(arrowhead)」を構成する350台ほどのサーバーに異常が発生。その中の1つのハードウエアに故障があったことが今回の障害の原因だったと説明した。現在、富士通側に解析を依頼している。

今日の取引については、市場自体は開かれ取引注文は入っていたが、取引が停止されたことで「値つかず」の扱いになるという。

宮原社長は会見で「明日は、通常の売買ができるように準備を進めている」とした。東証は1日、明日の売買の実施について「準備が出来次第(本日19時30分を目途)ご連絡いたします」とし、通常の売買が実施された場合も制限値幅の拡大の取扱いなどの措置をとると表明した

(文・吉川慧)

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