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核兵器禁止条約

核兵器開発などを初めて全面的に禁じる核兵器禁止条約が21年1月22日に発効しました。核軍縮の前進につながるか注目されています。

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核兵器禁止条約「カギ握る日本」 批准50国・地域「年内達成」 ICAN事務局長

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国会議員らが参加した討論集会「核兵器禁止条約と日本の役割」の冒頭で報告する国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長(中央)=衆院第1議員会館で2018年1月16日午後2時5分、川田雅浩撮影
国会議員らが参加した討論集会「核兵器禁止条約と日本の役割」の冒頭で報告する国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長(中央)=衆院第1議員会館で2018年1月16日午後2時5分、川田雅浩撮影

 史上初めて核兵器を全面的に禁止する核兵器禁止条約の批准が、発効に必要な50カ国・地域に迫っている。25日現在で45カ国・地域。あと5カ国・地域だ。各国に署名や批准を働きかける国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長は、毎日新聞のインタビューに「年末までに50に達すると確信している」と明言した。とはいえ、課題は山積している。何より、どうやって核保有国を条約に巻き込んでいくのか。フィン氏によると、そのカギを握るのは、米国の「核の傘」に依存し、核保有国の立場を擁護している日本などの国々だという。【ニューヨーク隅俊之】

「核保有国を支えている」

 核兵器禁止条約は2017年7月、国連加盟の6割を超える122カ国・地域の賛成多数で採択された。各国による署名を経て、批准した国・地域が50に達した90日後に発効する。この条約の特徴は、核兵器を非人道的な兵器と定め、開発から使用まで全てを、法的拘束力をもって禁止することにある。だが、米露など核保有国は真っ向からこの条約を批判しており、彼らに参加の意思はない。いったいどこに穴を開ければ、光が見えてくるのか。

 ICANの本部があるスイス・ジュネーブからオンラインでインタビューに応じたフィン氏の答えは明快だった。「最初のステップは、日本のような核保有国を支持している国が条約に加わることだ。日本は(事実上)核兵器を容認し、支持している。重要なのは、日本のような米国の同盟国が、これら…

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