立憲民主党の枝野幸男代表は23日、日本外国特派員協会で記者会見し、次期衆院選での政権交代を見据え、定数(465)の過半数となる233人超の候補者を擁立する方針を示した。ただ、旧国民民主党などと合流して15日に結党した新立民の政党支持率は伸び悩んで目立った新党効果はなく、枝野氏は地方行脚を再開するなど発信に必死になっている。
「『民主党と新しい立憲民主党は何が違うんだ』という指摘を受けるが、明確に違う」
枝野氏は23日の会見でこう訴えた。その上で「今回は明確に新自由主義的な自由民主党に対し、私たちは『支え合う社会』という立ち位置を明確にした」と述べ、菅義偉政権との違いを強調した。
先週末には新型コロナウイルスで自粛していた地方行脚も再開した。千葉、大阪、佐賀などで街頭演説を行い、次期衆院選に向けて新立民が掲げる理念の浸透を図った。
発信力の強化に躍起になるのも無理はない。報道各社の世論調査で、菅内閣が軒並み60%以上の高い支持率を記録する一方、新党の支持率は大きな上昇が見られない。共同通信社が16、17両日に行った全国緊急電話世論調査で新立民の支持率は7・0%。単純比較はできないが、9月上旬の調査で旧立民は10・7%で、合流後にむしろ下落した。
新立民は旧立民同様、枝野氏が代表、福山哲郎氏が幹事長を務め、中堅議員からは「新党なのに新鮮味が全くない」と悲鳴にも似た声が上がる。枝野氏は会見で「最大野党の党首は次の選挙の後に首相を目指す。その覚悟がなければやってはいけない仕事だ」とも述べ、政権交代に向けた決意を見せたが、反転攻勢のきっかけはつかめていない。(千田恒弥)