これまで営業マンは「直接お会いしてお話をさせてください」が殺し文句だった。こう言いづらい状況で、どうやって売ればいいのか。コンサルタントの長尾一洋氏は「会うことは営業の本質ではない。オンラインに舵を切れば、時間という大きなメリットを享受することができる」と説く——。
ビデオ会議の概念
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「会えない」ことは、本当にマイナスなのか?

コロナ禍で「営業のアポイントが取りにくくなった」という悩みを抱えている営業担当者が増えています。「会ってもらえません。どうしたらいいんでしょう?」と相談された上司も、明確な指示が出せずにいます。なにしろ、「人との接触を避ける」ことが推奨されるという状況は、これまで誰も経験してこなかったのだから仕方ありません。しかし、この状況は今後も続くと予想されます。

「会いたくない」と顧客にアポイントを断られた時は、まずは一度じっくり考えてみてください。「その用事は、ほんとうに会わなくてはならないものなのか?」「会わずに行うのは、絶対に不可能なことなのか?」と。

恋愛関係ではないのですから、営業担当者にとって、本来、果たしたい目的は「会う」ことの先にあるはずです。「会う」ことは単なる手段です。

「会う」目的が「自分たちの商品を知ってもらいたい」「購入を検討してもらいたい」ということであれば、「会う」ことは必ずしも不可欠ではありません。視点を変えれば「会えない」からこそできることがあります。新たな営業活動であるオンライン営業の可能性に気づくことができます。