エンタテインメントと社会還元の関係性
COVID-19の影響を受け、現在多くの業界が厳しい状況にあるが、今回テーマにしたいのは、私も関わっているエンタテインメントと社会還元についてだ。
そもそも、エンタテインメントと社会還元、なかでも寄付は日本でも昔から関係の深いものだ。チャリティコンサートもそうだが、日本では毎年夏に24時間テレビが放送されている。番組では様々な社会問題や環境問題を扱っているので、24時間テレビをエンタテインメント番組と表現するのは語弊があるかもしれない。
しかし実際、番組のパーソナリティには人気のある芸能人やアイドルが起用され、出演している芸能人がきっかけで募金をしたことがある人もいるだろう。エンタテインメントを入り口に社会問題に興味を抱かせ、寄付を促す方法が日本で以前から行われてきたことは事実だ。
そういった事実があるにもかかわらず、芸能人の寄付が公表されると、偽善や売名行為と非難する声がいまだに日本で多く聞かれるのはなぜだろう。
私が仕事を多くしている韓国でも、以前は同様に批判的な意見もあったという。しかし、今ではほとんどそういった声は聞かれない。
芸能人なのに寄付額が少ないと非難する声が出ることはあるが(それもどうかと思う)、寄付を自ら公表するか受けた側が公表するかは関係なく、寄付をした芸能人を指し“寄付天使”と表現されるほどプラスのイメージがある。
実際、COVID-19の感染拡大時、韓国では多くの芸能人の寄付が公表されており、ざっと調べただけでも60人強と日本の10人弱と比べるとその差は明らかだ。
では、韓国で芸能人の寄付がプラスのイメージになったのはなぜか。SDGsを意識した行動の選択や、考え方が世界的に広まっていることに加え、芸能人という職業の地位が向上したことが理由の1つとして挙げられるのではないだろうか。