コロナ分科会 感染状況6指標で判断 病床逼迫度や陽性率

 開かれた政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会=7日午前、東京・霞が関
 開かれた政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会=7日午前、東京・霞が関

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)は7日、今後想定される感染状況を4つのステージに分類したうえで、「病床の逼迫(ひっぱく)具合」「新規感染者数」などの指標6項目を示した。指標を目安として次のステージに移行する予兆を見極める。最も深刻なステージ4では病床の占有率が2分の1以上になることなどを挙げた。

 4つのステージは前回分科会で、(1)感染散発(2)感染漸増(3)感染急増(4)感染爆発-の4段階を示していたが、新規感染者数だけでなく病床の逼迫具合などを総合的に判断することを示すためステージ1~4に名称を改めた。

 指標は、(1)病床の逼迫具合(2)人口10万人あたりの療養者数(3)感染の有無を調べるPCR検査の陽性率(4)人口10万人あたりの新規感染者数(直近1週間)(5)直近1週間とその前1週間の感染者数の比(6)感染経路が不明な感染者の割合-の6項目。

 例えば、沖縄県はステージ3、4に該当する指標がそれぞれ2項目あった。東京、愛知、大阪、福岡の4都府県はステージ3に該当する指標が5項目に上った。いずれも該当しなかったのは山形など6県のみで、全国的に感染が拡大している状況がうかがえる。尾身氏は記者会見で「中京地区と沖縄は感染拡大のスピードが速い」と述べた。東京都に関しては「高止まりという感じだ」と評価した。

 ただ、西村康稔経済再生担当相は記者会見で「機械的に判断するのではなく、指標を総合的に判断して先手、先手で対策をしていく」と説明した。人口が多い都市部では新規感染者数も多くなるため、医療提供体制に関する指標を重視する。地方では医療提供体制が脆弱(ぜいじゃく)な場合が多いため、新規感染者数などを重視するとともに「指標に満たない段階で積極的に対策を講じる必要がある」とした。

 ステージ移行の判断は都道府県知事が指標を目安に行う。ただ、ステージ4の判断は緊急事態宣言が必要となるため、尾身氏は記者会見で「間違いなく国の役割だ」と述べた。

 分科会では厚生労働省の専門家組織(アドバイザリーボード)がまとめた直近の感染状況の評価も示された。「感染拡大のスピードは3、4月のときに近くなっており、憂慮すべき状況だ」と分析。「一部地域では医療提供体制逼迫の懸念が見られる」とも記した。

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