「どんな理由で命を奪ったの?」八王子スーパー射殺事件 同級生が問い続けた25年

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高校時代の写真を前に思いを語る、犠牲となった矢吹恵さんの同級生だった鷹野めぐみさん=東京都千代田区で2020年6月13日、小川昌宏撮影
高校時代の写真を前に思いを語る、犠牲となった矢吹恵さんの同級生だった鷹野めぐみさん=東京都千代田区で2020年6月13日、小川昌宏撮影

 東京都八王子市の「スーパーナンペイ大和田店」で1995年7月、女子高校生のアルバイト店員ら3人が射殺された事件は、未解決のまま30日で発生から25年を迎える。犠牲になった高校2年の矢吹恵さん(当時17歳)の同級生で親友の鷹野めぐみさん(42)は毎年この時期、母校での追悼礼拝に参加してきた。「なぜ命を奪われなくてはいけなかったのか」と問い続けた四半世紀だった。

保育所や幼稚園で働くことを夢見ていた被害者

 中学からの同級生で同じ名前の2人は、私立桜美林高校(東京都町田市)に一緒に進学した。毎朝、地元のJR八王子駅で待ち合わせて通学した。いつも一番後ろの車両で、おしゃべりを楽しんだ。当時、プロ野球オリックスで活躍していたイチローさんのことも話題になり、「試合を見に行きたいね」と話していた。

 保育所や幼稚園で働くことを夢見ていた矢吹さん。街中でベビーカーに乗った子どもを見かけると、手を振ったりあやしたりしていた。鷹野さんから「お遊戯の時間があるから音楽ができた方がいい」と聞くと、ピアノを習い始めたという。

「普通の女子高生だよ。どうして……」

 鷹野さんは、矢吹さんからスーパーでアルバイトをすると聞いた時、帰宅が夜遅くなることを心配した。「おっちょこちょいなところがあったから」と振り返る。それでも仲の良い友人も一緒に働くと知って安心していた。

 しかし、矢吹さんは友人と一緒に犠牲になった。約300人が参列した告別式で同級生を代表し、あいさつしたのは鷹野さんだった。ひつぎに眠る矢吹さんは、人形のよう。表情は穏やかだが、触れると冷たかった。「どこにでも…

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