2020.07.23
# エンタメ

「お笑い第七世代」は、保守的なお笑い界を変える革命児かもしれない

霜降り明星は新世代のリーダーになるか

「お笑い第七世代」とは何者か?

ここ最近、さまざまなメディアでお笑いのことが取り上げられるときに「(お笑い)第七世代」という言葉をよく目にするようになった。才能豊かな若手芸人が次々に台頭してきてお笑い界は活気づいている。そんな彼らが1つの勢力として意識されるようになったのは、「第七世代」という言葉が作られ、それが広まったからだ。

そもそも第七世代とは何か。はっきりした定義はないが、現時点で20代前後の平成生まれの芸人を指すことが多い。この世代が注目されるようになったのは2018年である。

この年に行われた3つの大きなお笑いコンテストで、立て続けに20代中心の芸人が優勝を果たしたのだ。ピン芸人の大会『R-1ぐらんぷり』では濱田祐太郎、コントの大会『キングオブコント』ではハナコ、漫才の大会『M-1グランプリ』では霜降り明星がそれぞれ栄冠を勝ち取った。

彼らの活躍によって、新しい世代の若手芸人が続々と台頭してきているというイメージが作られた。そして、同じ時期にバラエティ番組で宮下草薙や四千頭身などの若手芸人も活躍し始めていた。

EXITの兼近大樹[Photo by gettyimages]
 

そんな中で、2018年の年末に、霜降り明星のせいやがラジオ番組の中で「同世代の20代の芸人が団結して1つの世代を勝手に名乗ればいいのではないか」という話をした。そこで彼は何気なく「第七世代」という言葉を口にした。

「第〇世代」の数え方

そのルーツは80年代後半に生まれた「お笑い第三世代」という言葉にさかのぼる。ウッチャンナンチャンやダウンタウンが世に出てきた頃、彼らのような当時の若手芸人をすでに活躍している上の世代の芸人と区別するためにそのような言葉が作られたのだ。

ザ・ドリフターズやコント55号を「第一世代」、ビートたけしや明石家さんまを「第二世代」と位置づけて、それよりも若い層のことを総称して「お笑い第三世代」と呼び始めた。その後、「お笑い第四世代」「お笑い第五世代」などという言葉を使う人も一部にはいたが、「お笑い第三世代」以外はそれほど一般的ではない。

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