「爬虫類脳」に支配されている子供は、大人になって成功しない?

2020年7月21日 11:59

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 常に感情的で、何をするにも消極的な子供がいる。決して頭が悪いわけではないのに、こういった子供が大人になっても成功することは、残念ながら少ないようだ。それは、「爬虫類脳」に支配されているからかもしれない。原始的な脳に支配される前に、成功しやすい「人間脳」になるコツをお伝えする。

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■本能のまま行きたい「爬虫類脳」

 まず、爬虫類脳とは何か。人間の脳の初期に形成される、生物の本能に関わる「脳幹」や「小脳」などの中枢部分にあたる。眠たい、食べたい、寒い、暑い、という感覚に素直であり、それがすぐに手に入らないと怒りや不安に支配されてしまう。

 例えば、赤ちゃんは爬虫類脳である。まわりの状況など気にしないし、お腹がすけば泣き、眠くても泣き、不安を感じては泣く。しかし7歳位までには、脳が次の段階「哺乳類脳」へ、そして「人間脳」へと成長していく。

 問題は、いつまでたっても爬虫類脳に支配され、次の段階へ進めない子供だ。気に入らないことがあれば泣きわめく、すぐに腹が立ち感情を抑えられない、極端に新しいことを不安がる子供だ。そのまま成長してしまうと、自分の権利ばかりを主張するような怒りやすい、短絡的な大人になってしまう。当然、社会で成功することは難しい。

■成功する人は「人間脳」が発達している

 「爬虫類脳」の名前は、アメリカ国立精神衛生研究所の脳学者ポール・D・マクリーン博士が提唱した「3つの脳の進化」説に由来する。人の脳は、3段階に進化しながら人間らしさを形成するというのだ。それぞれ便宜的に「爬虫類脳」「哺乳類脳」「人間脳」と名前がついている。

 爬虫類脳から成長した「哺乳類脳」は、大脳辺緑系などに相当し、感情をつかさどる。喜び、愛情や仲間意識、共同で何かをする時に機能し、哺乳類が訓練次第で人の指示に従うのは、この「哺乳類脳」が発達したからといわれる。

 最も進化した脳が「人間脳」である。大脳新皮質が相当し、自分の欲をコントロールし、理性的な行動を指示する。この脳が発達すると、未来を考えて行動出来るので、目標を達成したい、成長したいなど、目的意識が高い人になる。チャレンジ精神旺盛だったり、学ぶことが好きな子供は、早くもこの脳が発達していると言えよう。

■爬虫類脳を鍛えるためには

 爬虫類脳から脱せない子供の脳を発達させるには、子供に、脳には3種類あることを優しく説明することだ。その上で、子供が短絡的な感情に支配されている時に「今、爬虫類の脳になっているよ」と教える。すると子供は客観的に自分の行動を見ることができ、「反省」や「羞恥」を覚える。それが成長に欠かせない。

 また、「親の言うことが聞けないのか」的な頭ごなしの教育をしていると、親に従っている方が楽になり、脳の成長が止まってしまう。親の愛情も脳の成長には欠かせないのだ。親も自分を顧みながら、子供の未来のために「人間脳」を意識してみてはいかが。

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