IMF専務理事、世界経済「危機の新たな局面に入った」
国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は16日、世界経済について新型コロナウイルスの感染拡大によって「危機の新たな局面に入った」との認識を文書で示した。感染拡大が続く中でも多くの国が徐々に経済社会活動を再開しており「世界的感染の第2波により経済活動が混乱に陥る可能性がある」と警鐘を鳴らした。
専務理事は「立ち直りの早い回復には一層の行動が必要だ」と指摘した。国際社会の対応として、医薬品・ワクチンの生産・供給や貿易面での協力、金融の世界的なセーフティーネット構築の強化などを呼びかけた。
各国の大規模な財政支出や中央銀行によるかつてない規模での流動性供給による世界経済の下支えは評価しつつも「我々はまだ困難を脱していない」と指摘。リスクとして経済活動の混乱のほか、資産価値の高騰や商品価格の変動性の高まり、保護主義の台頭、政治の不安定性を挙げた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕