2020.06.24
# 日本株

銀行業界に衝撃! 三菱UFJが「2番手に転落」の全舞台裏を明かす

三井住友の「完勝」だった

三菱UFJフィナンシャル・グループがついに「2番手」に堕ちた――。今春にメガバンクの2020年3月期決算が出揃うと、長年トップバンクの座に君臨してきた三菱UFJが純利益で三井住友フィナンシャルグループに敗北したことが発覚し、銀行業界に衝撃が走ったのは記憶に新しい。

銀行業界の「王」はなぜここへきて陥落したのか――。今回、新作小説『よこどり 小説メガバンク人事抗争』で銀行の在り方について独自の切り口で迫った作家の小野一起氏が、メガバンクの現役幹部、元日銀幹部など最前線を知る行員たちと緊急対談。三菱UFJが「二番手に転落」するまでの全舞台裏を語り尽くした!

MUFGは純利益で三井住友FGに抜かれた photo/gettyimages
 

MUFG「トップから転落」の舞台裏

小野 今回、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)がメガバンクの中で三井住友フィナンシャル・グループの追い抜かれて「2番手」に堕ちたことについて、その舞台裏を語り合いたいと思います。その話をする際、外せないのが大手銀行初の理系トップとして注目されているMUFG社長の亀澤宏規さんのトップ人事でしょう。みなさん、今回の人事から亀沢さんの手腕などについてはどう見ていますか。

メガバンク経営企画担当A 亀沢さんのことを分析するには、まず「亀沢社長」を生み出した会長の平野信行さんについて考えたほうがいいですね。平野さんは、これまでの「東大卒、経営企画」という「三菱エリート」の王道を次々に変えました。亀沢さんについて言えば、三菱UFJ銀行頭取を務めた上で、持ち株会社のMUFGの社長なるという路線さえ踏襲していません。

そもそも、平野さんも京大の出身で、学歴的には傍流です。しかも非常的に個性的なキャラクターです。海外支店の支店長だった時に部下に対して「僕はこれからエコノミーで出張するけど、君たちは、いままで通りビジネスを使っていいから」と言うようなタイプだそうで、まったく飾り気がない。普通にスーパーの買い物袋を提げて、帰宅するとか、ランチも社員食堂堂で1人でカレーをさっと食べて仕事に戻るような真面目人間だそうです。

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