特許庁が配色だけで商標を認定 一番手はトンボの消しゴムとセブンイレブンの看板
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新しいタイプの商標としては、色彩のみからなる商標、動き商標、ホログラム商標、音商標、位置商標がありますが、色彩のみからなる商標だけは、今まで登録例はありませんでした。ここまで審査が長引いたのは、色彩という広い範囲に、独占排他的権利である商標権を付与するため、慎重に審査がなされたものと思われます。
したがって、色彩を独占的に使用できる範囲も必然的に限定的となり、例えばトンボ鉛筆の青白黒の色彩は、指定商品となっている「消しゴム」及びそれに類似する商品のみに商標権の効力が及びます。
なお、記事中には「10年間の独占権が認められる。」とありますが、商標権は使用に伴い保護価値が高まりますので、特許権や意匠権などと異なり、存続期間を更新することができ、半永久的な権利といえます。
追記:2年前に書いたブログで、今回登録になったものも含まれますが、最後にクイズがあるので、よかったらどうぞ。
https://apollo-tm.com/blog/blog-detail/?id=3682016年12月には、コメダ珈琲に外観の類似した店舗について、使用が差し止めされた事例もありました。この時は、コメダ自体の周知性と、類似性からくる顧客の混同が争点となりました。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFD28H06_Y6A221C1000000/
私がつい反応してしまうのは、青緑色と灰色の組み合わせです。荘司先生、特許庁のお役所体質が原因とは限りません。
例えば、IT機器の画面に表示されるアイコンのデザインは、日本以外の多くの国で意匠権が認められていますが、日本で認められないのは特許庁のせいではないようです。とある大手IT企業が頑なに反対を貫くので、世界的な流れに取り残されたくない特許庁は以前から検討しているのに、なかなか導入できないのだとか。
この件はどういう検討過程をたどったか知りませんが(商標は専門ではないので)、特定の業界に閉じない、あらゆる企業の業績に影響しかねない案件なのは確かですから、調整に時間がかかったのは容易に想像できます。
《追記》
こんなことを書くのも、実は特許庁というのはかなりフットワークの軽い役所だからです。特にここ数年は毎年制度改正して産業界の要望に応えようとしています。法改正があまりにも頻繁なので、法制局から顰蹙を買っているという噂もあるくらいで(笑)