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日本企業がEUから「狙い撃ち」にされる…?政府が出した「ヤバい計画」の中身(町田 徹) @moneygendai
マネー現代
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
日本のように10年後のエネルギー計画をちゃんと出すなんて言う国はほとんどありませんので、その点でも目立つのは確かです。 2050年カーボンニュートラルに向けた長期戦略は、各国ともイノベーション必要ということも言ってますし、綿密な意味での計画が描けてないというのは別に日本だけではないのですが。 (パリ協定のもとでは、各国、特に先進国は長期的な戦略を提出することが求められ、日本も提出済みです) とはいえ、計画がヤバいのではなく、9年後に46%のCO2削減という解が決まったうえでそれが成り立つように連立方程式を書けと言われてもそれは無理で、しかも原子力も政治的に書けないなら、辻褄をあわせることもできない。 菅政権下でのエネルギー基本計画が、鳩山政権の時のそれよりヤバいとメディアでの批判が高まっていますが、多分この両者を比較できる人は限られると思うので以下に。 鳩山さんは首相就任直後の国連総会で、いきなり無理筋な温暖化目標を発表してきました。(2020年には1990年比▲25%) 霞が関の皆さんは辻褄をあわせるために鉛筆をなめまくったわけですが、当時は原子力に寄せるということが許されたので、何とか計画としては書くことができました。「10年で9基の原子力発電所を新増設」なんていうのは、電力会社からしても原子力をなめてもらっちゃ困るとしか言いようのないような無茶苦茶な話でしたが、それを盛り込むことで何とか数字上は成り立たせることができた訳です。 今回はそれすらさせてもらえないのだから、再エネで今の日本の電力需要の2倍の電気を作れると主張した環境省が、特に削減がぜんぜんできていない民生部門の削減をどうするのかが注目されるところでしょう。家庭部門の66%減に対する施策としてどのようなものが出てくるかに注目しています。
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2030年時点の発電コスト 太陽光が最安に 原子力を初めて下回る
NHKニュース
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
今更かもしれませんが、この試算を何のためにやっているのかなども含めて基本的な整理を。 これから政府はエネルギー基本計画の改定をします。3年に一度程度改定するのがエネルギー政策基本法に定められた義務なので。エネルギー基本計画は、定性的な文章で、初めて読むと「あれもこれもちゃんとやります」と書いてあるようにしか見えないかもしれません。ただ、この基本計画に沿う形で経済産業省が10年後のエネルギー構成を定量的に示します(長期エネルギー需給見通し)。定量的に考えるためには、それぞれの電源が10年後に新設した場合いくらくらいなのか(その時点でどれくらいの競争優位を持つのか)と言ったあたりがわからないといけないので、コスト見通しというのはとても大事な要素です。もちろんコストだけで語れるわけではなく、自給率やCO2排出量や、どこまで安定的に発電してくれる技術なのかなども勘案して決めるわけです。 一定の前提を置いての試算なので、どの電源もこの予想を上回ることもあれば下回ることも当然あります。それは原子力だろうが太陽光だろうが風力だろうが同じこと。 特に1kWh当たりのコストなので、原子力を今のように異常に長期間停止させたりすれば結果的にはとても高いということになります。またコストとして出すのは難しいのですが、太陽光や風力はバックアップや調整役を必要とするので、そのコストも含めて考える必要があるというのは記事の通り。 太陽光の価格下落が進んでいることは皆さんご存知だったと思います。世界的には既に3円とか4円/kWhでできるところもあるのに、なぜ日本は10年後(技術進歩や価格低下も見込んでいるはずなのに)で8-11円なんだ?!というのは思われた方もいるかもしれません。 そこは本当に何とかしたい。 ただ、日本はこの狭い国土です。コスト下げやすいのは大規模にやるメガソーラーなのですが、そのために山を削れば相当の造成コストがかかります。これまではFIT賦課金が山を切り開いて太陽光をやってもペイするくらい手厚い補助金だったわけですが、さすがに賦課金も徐々に落ちてきたうえ、適した土地もあまり残っていません。そしてなにより、国土を削ることへの国民理解は得られないでしょう。 今後は屋根上や駐車場を丁寧に開発する必要がありますが、それだったら海外と同程度のコストでできるはず。やらねばです。
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40年超原発、初の再稼働 福井、関電美浜3号機
共同通信
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
実は、40年に運転制限をすることを定めた原子炉等規制法の改正は(福島原子力事故後に、議員立法で行われました)、炉の寿命を科学的に評価して設定したものではなく、「高経年化の評価を行うタイミング」として定めたものでした。 当時の衆議院原子力問題特別委員会などで、原子力規制委員会の更田委員長(当時)は「40年は高経年化の評価を行うタイミング(つまり寿命ではない)、40年を変えるのは国会で議論いただくもの」と発言されています。 いわば人間ドックのように、徹底的なインスペクションをするタイミングというイメージでしょうか。本当は規制委員会の活動が軌道に乗ったのちに、科学的知見に基づいてこの議論も見直しを行うとされていたのですが、なぜかそのままになりました。 世界でも原子炉の運転期間を決めるという規制を持つ国は基本的になくて、米国は40年運転のあと20年単位で延長申請ができてその回数に制限はないのでいま80年運転の認可がすでに6基ほどに与えられています。その他の国では10年ごとの特別点検、などです。 そんなに古いものを使い続けて大丈夫なのか、といった不安を皆さんが持つのは当然ですし、私も実は、技術継承の観点や安全性の更なる向上から考えれば、古いものを使い続けるより新設・リプレースがあった方が良い(伊勢神宮の式年遷宮と同じく建て替えによる技術継承は重要)とは思うのですが、一方で、コストのほとんどが固定費の原子力発電は一旦建てたら使い続けるほど国民に安い電気を供給できるということになります。 これが世界的に原子力発電所の長寿命化が考えられている理由です。 また、多くの部品が入れ替えられていて、40年前のもの部材・設備がそのままというのはそれほど多くないということもよく言われる議論であること、設備トラブルの発生状況などを世界的に分析したデータを見ても、40年超えてトラブルが出るといったような傾向はみられないことなど踏まえて、このニュースを捉えていただければと思います。
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脱石炭火力へ日本の対応後手 輸出・国内とも代替見えず
日本経済新聞
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
この記事は、タイトルが「対応の遅れ」になっているのはさておき、内容は間違ってはいません。間違っていないんですが、これまでの日経さんの論調などもあわせて考えると、モヤっと感が止まらない。 まず国内について。 「日本は電力供給に占める石炭火力の比率が19年度時点で32%とG7で最も高い。(中略)足元では原発の再稼働が進まず、電力自由化による競争環境も背景に、高コストの石油火力発電などの休廃止が相次ぎ、夏や冬の電力需給に余裕がなくなった。石炭火力は廃止どころか今後の新設も予定し貴重な供給力として当て込む状況だ。」 →その通り。 では「当面は原発を再稼働させるしかないだろう」というのか、「原発はイヤだから当面大幅なCO2削減は諦めましょう」というのか、「CO2削減は必達。安定供給は『できるだけ』で構わない」というのか?? 新聞記事ですから記事が事実に反していなければよいのだろうけれど、これまでの日経の論調では、原発には否定的、CO2削減目標はとにかく高くと言い続けてこられましたよね?今ここにきて事実関係羅列して、再エネの導入拡大にかかる時間やコストなどに触れずに「対応の遅れ」でまとめても、意味のある記事になるわけがない。 技術輸出について。 「石炭の代わりの「商材」が求められるが、目ぼしいものは見当たらない。」 →その通り。 でも、これまでの日経さんの論調は「先進国で石炭火力を輸出しているのは日本だけ!(=まずは手放せ)」でしたよね?日本が高効率石炭火力手放したら中国製が普及する懸念があることは多少言及されてたけれど。 原発輸出も「無理だ、リスクがある、世界は脱原発だ」と批判的でしたよね? 太陽光や蓄電池など大量に安価にものを作るという点では中国にかなうものではなく、先進国が高い温暖化目標を掲げることを中国が歓迎するのは彼らのビジネスを利するから。そういう指摘を日経の記事でほとんど見たことがないと思うのは、私が読み落としているんですかね? 産業界が奮起して次の飯のタネを考えなければなりませんが、日本が得意としてきた「高効率技術」は「脱炭素」でなく「低炭素」だったりするので、しんどい勝負であることは間違いありません。でも2050年に飯のタネを持つ日本を遺すために今が踏ん張りどころなことは完全同意。だからイノベーションを頑張ろうと思っているわけですが。
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