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米、温室ガス30年に半減 気候変動サミット開幕
共同通信
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
大統領選挙の期間中、2050年目標は明言したものの、2030年目標については避けてきたバイデン氏。米国を気候変動交渉の国際舞台に復帰させるという晴れ舞台をセットし、そこで公表しました。これを実現するための新規立法などはもちろん間に合っていませんので、そこはこれから。国際的なアピールもさることながら、国内へのアピールの意図も強いと思っています。サンダース議員など、党内の環境派との融和や民主党支持層へのアピールが重要です。 それにしても、中国から全く譲歩を引き出せなかったのは痛かったですね。中国は2030年を待たずして経済成長がピークに達するので、「2030年にCO2排出量をピークアウトさせます」は「このまま道なりで行きます」というのに等しい。ゆるゆるの目標を微動だにさせず、いまバンバン新規建設している石炭火力を2026年からちょっとずつ減らすという。これでピークアウトが1年でも2年でも早くなったら「中国頑張った!」ということになる。いつもながらうまい。まぁ中国のこと批判する環境NGOはほとんどいませんし。 米国の目標は高いとはいえ、広大な土地があり、太陽光や風力をとても安価でできる自然条件があります。原発も約100基あり、次世代炉の開発なども進めています。シェールがスも産出しますので、石炭から天然ガスに切り替えるだけでも削減可能です。豊富な選択肢がある 日本は既に面積当たり太陽光発電導入量は既に世界一です。陸上の風力発電は山を切り開くことにもなりますし、風況が良いところはもうほとんどありません。洋上風力発電に期待がかかるわけですが、日本の周囲の海域は急速に海底が深くなるので浮体式という3000トン以上の鉄の塊を海に浮かべる技術に期待するしかない。まだ商用機は無いですし、2030年に大量導入なんて到底間に合わない。地熱、水素、CCUSといろいろやるにしても、あと9年。原子力の話も避けて通れない。 原子力は拙速に議論すべきではないけれど、メディアも政治もほとんど触れないのはやはり異様。耳に心地よいことしか出てこない状態は良くないと思ってます。 日本の産業や国民生活がより良くなり、日本が技術で世界の削減に貢献できるようにするためには、2030年のつじつま合わせではなく(それを軽視して良いと言っているわけではありません)、長期的にイノベーションに取り組みたい。
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中国の石炭火力発電、習主席「30年までに徐々に減らす」
毎日新聞
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
タイトル見てびっくりしました。 毎日新聞は中国のこの対応を前向きにとらえるんですね。 重要なのは、今でもゆるっゆるの2030年目標すら引き上げなかったこと。 >30年までに国内の二酸化炭素(CO2)排出量を減少させる「ピークアウト」を実現した上で60年までに排出を「実質ゼロ」にする目標は据え置いた。 中国は2030年を待たずして経済成長がピークに達っするので、「2030年にCO2排出量をピークアウトさせます」は「このまま道なりで行きます」というのと等しいわけです。 それを微動だにさせなかったというのは、すごいメッセージ。 コロナからの景気回復策として、石炭火力発電所の建設認可を相当数出していますので、2026年以降減らしますと言われましてもなー、と思います。 「先進国は途上国とは違う責任があるの高い目標を掲げろ」 (そこに中国の再エネ技術や蓄電池など、売りに行くんだろうな) 「先進国は途上国に資金支援しろ」 (あなたも途上国に支援してくださいよ) 「自国の目標は自国で決める」 (パリ協定は各国の「自主的目標」を求める仕組みなので正しいけれど・・) 温暖化問題の解決には米中二大排出国のコミットが大変重要なので、中国のコミットメントを高めてもらうことに、政治が頑張ってほしい。 でもケリーさんが行ってもダメだったということですものね。
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基礎からわかる「トリチウム排出問題」
Yahoo!ニュース 個人
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
とても分かりやすく、正確な情報に基づいて書かれた記事ですね。こういう記事が専門家によって発信されることがとても大事。福島原子力事故の、国会事故調査委員会の委員をされた野村さんも仰る通り、「無責任な発言こそ風評被害」です。 東電の数々のやらかしを考えれば信用できないというのは重々理解できますし、政府も同じだという声もあるでしょう。そうならないように、いま梶山大臣が進めておられるように、IAEA(国際原子力機関)など第三者機関にモニタリグの協力を仰ぐことはとても大事だと思います。 ただ、福島を心配する風や寄り添う態で、この問題を政権批判や経産省批判に使うのはやめるべき。TBSの報道番組や自民党議員の方のブログに対してそれぞれ批判の声が上がっていますが、 「原発推進派」を自称する、自民党議員の不可解な主張。福島処理水の安全性を再び検証する&英語で発信! (blogos.com) https://blogos.com/article/530340/ 細野豪志議員がサンモニに抗議「全く前提知識のない人を知識人としてコメントさせる弊害」 https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_3043574/ 経産省のウェブを見ても、これだけ情報発信しつづけているので、まずは原典を当たってから考えてみるということでしょうか。 https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/takakushu_iken/index.html
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[FT]金融業は「品格」取り戻せ(写真=ロイター)
日本経済新聞
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
これは本当にそう思う。 「取り戻せ」という表現が正しいかどうかは、どのような金融業界の方とお付き合いしてきたかでそれぞれ違う思いを持たれるでしょうが、事業には品格が必要で、それを持てていますか?という問いかけは(金融業に限らず)とても大事だと思いました。 ESG投資が急拡大していますが、その大きな契機になったのはリーマンショックだったのは皆さんご承知の通り。 「短期的な視野で投資に走って、大損した!」という痛い経験を、良い方向に転換したことを歓迎していたのに、アルケゴスでの巨額損失の報道を見てもやもやしていたところでした。 >すべての企業、すべての経営者は昔から必ず、取引する相手の人格・品格を気にかける必要があった。現在は社会、投資家の双方がソーシャルメディア、そして物を言うアクティビズムを通じて訴えかける傾向が強くなっている。そのため、レピュテーション(評判)リスクが増しており、そのリスクが制御できなくなるまでに至る時間も短くなった。 レピュテーションリスクが過剰になっているような気もします。ESG投資を拡大するのも(そこまで皆さん正直におっしゃらないことが多いですが)、「我々のレピュテーションリスクなんです」と言われると、プリンシプルを問いたくなることも多く。 いろいろ考えさせられる記事でした。
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米中、温暖化対策で協力と発表 首脳会合に期待、習氏参加が焦点
共同通信
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
「気候変動問題では米中が協力できる」と見る向きもあるのですが、決定的に対立する他のイシューよりは良い、ということだと思います。 各国ともに気候変動対策によって自国の経済成長を図ろうとしているので、目指すゴールは共有するものの、具体的にどういう技術で削減するかとなれば自国の産業に利するように議論を持っていきます。 協力関係がどこまで具体的に維持できるのかという点において、私はあまり楽観視していないといいますか、期待値高くありません。 気候変動対策を経済成長にという向きは各国とも明確で、バイデン政権は、オバマ時代のグリーンニューディールの失敗に学び、インフラ・クリーンエネルギー計画でも米国の雇用増大に資することを大前提にしています。そして、既に世界の太陽光パネル製造のシェアの太宗を占める中国は、先進国が積極的な温暖化対策を掲げれば自国の産業育成に利することを理解しています。 さて日本はどうするか。 先ほどもテレビ朝日さんで池上彰さんが「日本企業は再エネ関係の特許を一番多く持っている」というのが紹介されていたのですが、特許でビジネスできるわけじゃないんですよねー。そのあと「でも太陽光パネルのシェアのほとんどは中国」という話もされていた通り、安く大量に製造するということができないと結局「技術で勝つ」といっても絵空事になっちゃいます。 どうやって「食える日本」を2050年に遺すかの視点で戦略的に考えたい。
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原発処理水の海洋放出を正式決定 2年後、大幅希釈し着手
共同通信
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
この問題のカギは、①漁業者・国民への責任ある説明、②風評被害対策への対応、③ALPS処理水の安全性の厳格な担保であると考えます。政府や東電側の真摯で丁寧な説明や対応が求められるのは当然ですが、クライテリアも置かずに「十分説明されていない」、「風評被害が心配」と言い続けることは、問題の解決に資するものではありません。③についてIAEA(国際原子力機関)の協力も得ることが示されています。国内外の原子力施設で普通に放出しているものをさらに2年溜め続けるのかとは思いますが、方針が明確化されたことは評価したいと思います。 いずれにしても、日本ではようやく汚染水と処理水の違いが理解されつつあるのに、そうした情報が届いていない海外に向けて、このような「間違い」の罪は大きい。 NHK海外放送、処理水報道で釈明 「処理されず放出される誤解と指摘」 https://www.msn.com/ja-jp/news/national/ef-bd-8e-ef-bd-88-ef-bd-8b-e6-b5-b7-e5-a4-96-e6-94-be-e9-80-81-e3-80-81-e5-87-a6-e7-90-86-e6-b0-b4-e5-a0-b1-e9-81-93-e3-81-a7-e9-87-88-e6-98-8e-e3-80-8c-e5-87-a6-e7-90-86-e3-81-95-e3-82-8c-e3-81-9a-e6-94-be-e5-87-ba-e3-81-95-e3-82-8c-e3-82-8b-e8-aa-a4-e8-a7/ar-BB1fy3II?ocid=uxbndlbing 追記 ね、こうやって逆輸入してくる・・ 米通信社「放射能水を投棄」英紙「漁業者に打撃」海外で否定的報道 https://mainichi.jp/articles/20210413/k00/00m/030/058000c
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データセンターを国内誘致へ 政府、重要情報の流出防ぐ
日本経済新聞
政府 福島第一原発のトリチウムなど含む水 海洋放出方針固める
NHKニュース
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
国内外の原子力施設では普通に放出しているものを、風評被害を恐れてため続けてしまったことで、かえって問題が大きくなってしまったと思います。 例えば、フランスの再処理施設からの年間放出量は福島のトリチウム総量の10倍以上と言われています。これ、毎年の数字です。 もちろんモニタリングと情報開示が非常に重要で、しかもこれまで不祥事続きの東電にちゃんと実務ができるのかという不安・不信はあるでしょう。 その点はIAEAなどの国際機関含めた第三者の目をいれてきちんと担保していく必要がありますが、3月末に梶山経済産業大臣とIAEAの事務局長と面談もして、議論をしています。この問題は政治的には何の得もないので放置され続けてきましたが、菅政権が逃げずに決断したことは評価されるべきだろうと思います。 いずれにしても大量の処理水を貯めることで、現場はスペース的にも業務的にもひっ迫してしまいます。ものすごいチャレンジである事故炉の廃炉に影響が出ないようにすべきだと思います。 そして、本件についてメディアは、「風評被害を懸念する声」を伝えますが、本来であれば「それは風評であり、事実は〇〇」と伝えるべき。風評被害のコストは、福島、そして、日本全体で負担していくことになるので、メディアとしてもあるべき報道の姿を考えていただければと思います。
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太陽光発電、30年度6割増の試算 現行支援策で経産省
日本経済新聞
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
2050年に向けては大規模な洋上風力導入に恃むところが大ですが、遠浅の渚がほとんどなく海底が急に深くなる日本近海では「浮体式」という何千トンもの鉄の塊を海に浮かべるタイプが主力になります。この浮体式風力は、まだ技術開発中です。 当面は太陽光が主力になりますし、太陽光発電という「究極の分散型電源」をうまく使いこなしてこそ次世代の電力システムだと考えていますが、太陽光発電導入量をさらに急拡大していくというのは簡単ではありません。 国土の3割しか平地が無い日本では、安価に太陽光を設置できる適地はかなり開発済みです。私は会社を起業して、その会社で再エネの事業支援もしていますが、関係者から伺うと、土地の造成(森をきりひらいたり山の斜面をならしたり)せずに太陽光を設置できる土地は出てこなくなっているとのこと。 ちなみに日本は 太陽光発電量で世界3位(2018年) 太陽光発電設備容量で世界3位(2018年) 国内電源構成で世界3位(2018年) 国⼟⾯積当たり太陽光設備容量で世界1位(直近) 平地⾯積当たり太陽光設備容量で世界1位(直近) 今後太陽光発電を拡大するには、住宅上や農地上の開発、設置済み案件のリパワリングを丁寧にやる必要があります。 ただ、課題としては、これまでの雑な支援策のせいでちゃんと産業が育っていないのも大きいんです。太陽光発電事業=不動産業みたいな感じにしかならなかった。送電線制約などもありますが、ちゃんと、「エネルギー産業」として責任感を持って取り組む事業者が少なすぎます。 少ない「ちゃんとした人」がちゃんと成長できる市場になってほしいんですが、また乱暴な支援策によって玉も石も・・という市場になっちゃうのかなぁ・・。ため息です。
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首相、日米で気候変動議論を主導 まん延防止、要請受け適用検討
共同通信
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
細川プロのコメントの通り。これまで何度アメリカにはやられてきたことか。 そもそも米国は京都議定書にも参加しなかったわけですが、それを「米国に裏切られた」という日本がナイーブに過ぎるのです。 以下、2015年に書いた「誤解だらけの気候変動問題-米国の削減目標に左右されるな-」からの引用ですが https://ieei.or.jp/2015/04/takeuchi150415/2/ COP3に先立つこと5ヶ月ほど前に、米国議会上院は、米国経済に深刻な影響を与える条約、発展途上国による温暖化防止への本格的な参加と合意がない条約は批准しないことを満場一致で決議(バード=ヘーゲル決議)していました。気候変動枠組み条約が1990年代初頭の状況に基いて世界を先進国と途上国とに二分し、それぞれの義務に差異を設けていること、京都議定書はその条約のもとに先進国に排出削減の義務を負わせる仕組みであることを考えれば、米国議会上院が議定書の批准を承認するはずがなかったのです。 パリ協定は、オバマ政権のレガシーになったわけですが、議会の同意を得たうえでの批准・受諾が無理なのはケリー氏も当時からわかっていたはずで、かつ、大統領(当時のオバマ大統領)がその一存で批准・受諾したものは、次の大統領(トランプ前大統領)の一存で反故にできてしまうことも理解していたでしょう。 「あぁ、また調子のよいこと言ってるな」と思いながら交渉に当たってほしい。 そして、これだけ各国の温暖化目標がハイパーインフレを起こしている中、いくら目標を引き上げても気候変動の議論を主導することはできません。高い目標値を言えば議論を主導できるという幻想を捨てるところから始めましょう。
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