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内閣府の再エネタスクフォース資料に中国企業の透かし 河野太郎氏「チェック体制の不備」
産経ニュース
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
再エネタスクフォースの委員である、自然エネルギー財団事務局長(孫正義氏が設立した再エネ推し財団)が提出した資料に、中国の国営電力会社である国家電網の透かしが入っていた件。(数年前からこの方の資料には国家電網の透かしが入っており、金融庁や経産省でも確認済み) 内閣府の規制改革推進会議本体は、設置法があり、首相名で任命書を頂きますが、この再エネタスクフォースは、河野太郎大臣が規制改革担当大臣になったときに立ち上げたもの。担当参事官は、経産省出身ながら反原発で有名な山田正人氏。委員は4人で、自然エネルギー財団の関係者が2名。 この委員会はこれまで数々、専門家から見ると「おかしな提言」をしていますが、最も話題になったのは容量市場の即時廃止を求めたことでしょう。太陽光発電がたくさん入ると火力発電所は晴れている日中などはほとんど発電できなくなります。稼働率が低下し休廃止される火力発電所が増加すると、夏の夕方や冬の曇天などに需給ひっ迫が生じやすくなります。そのため、火力発電所の設備維持を確保する仕組みが容量市場。安定供給のためのコストです。それを、この再エネタスクフォースが即時廃止を求めるという荒業に出ました。 当然、専門家から強く批判され経産省もこの時はきちんと踏みとどまりましたが、日本のエネルギーに極めて大きな影響を及ぼすところでした。 今回透かし入り資料が提出されたのは、太陽光の更なる拡大に向けて、その補助(FIP)について議論する会議。日本は震災後のFITで、菅直人総理と孫正義氏の結託で不当に高い買取価格を設定し、極めて重い国民負担にしてしまいましたが、同じような失敗を繰り返さないように気をつけねばなりません。 エネルギーは安全保障・経済に深く関わります。他国が政策に影響を与えたり、そうであると疑われるような事態は許されません。 太陽光も風力も、関連設備・物資の生産シェア等は中国が高く(太陽光パネルは中国産が約8割)、再エネ拡大=中国依存の上昇であることは仕方ない。それを全てダメと言っているわけではないことは申し添えます。 内閣府はサイト上から資料を一旦削除しましたが、公的文書の扱いとして首を傾げる対応。 いま審議されているセキュリティ・クリアランスの法案の遵守を徹底するとともに、政治家や官僚、有識者など、立場問わず対象とする必要があるように思います。
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5月電気代、大手全社値上がり 政府の再エネ賦課金引き上げで
共同通信
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
再生可能エネルギー賦課金の上昇に伴う電気料金の上昇。燃料費の上昇による「値上がり」も、頑なに「値上げ」と書いて、批判の矛先を大手電力に向けていた共同通信ですら、このニュースのように「値上がり」と書いているものを、Yahoo!ニュースは「値上げ」という見出しで報じています。 Yahoo!ニュースは、エネルギーに関しては少なくとも極めて恣意的なあおり見出しをつけることなど、前々から問題だと感じていましたが、これは、あれですか? 再エネ賦課金がこれだけ高騰することになったのは当時の菅直人総理と孫正義さんがFITの買取価格を不当に高く設定させたからだと国民みんなに批判されないようにということですか?電力会社による「値上げ」にしておきたいということですかね? 孫さんご自身は優れた投資家として尊敬している部分もありますが、エネルギー事業が一般的な投資事業とは異なることを理解できなかったんでしょうね。エネルギー事業は「儲からなかったらやめる」は許されない。強い言葉を使えば「死んでもやめられない事業」。周りにもわかっている方がいなかったのでしょう。 FIT制度についてはこれまで何度もその問題点を批判してきましたが、高いIRRを設定すればバブルを創り出すことは出来るものの、バブルはいつか弾けるもの。結局日本の中にはパネルやパワコンの産業も、専門の施工業者などもほとんど育たず。 こんな制度にしたことを、関係した人には猛省してほしい。 で、Yahoo!ニュースの見出しはどういうことなのか、誰かに調査でもしてほしい。 なお、再エネ賦課金は、再エネ以外の発電の原価と再エネの買取価格との差分なので、燃料価格の高騰によって再エネ以外の発電の原価が急騰した去年一時的に下がったというものであり、今回激しく上がっているのはむしろ通常運転に戻ったというところです。 また、やはり九州と関西が安いのは原子力の稼働が大きく効いています。
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オイシックス、藤田会長の「放射能汚染水」発言で謝罪
Reuters
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
こうした非科学的で不適切極まりない発言に対して、株価下落や不買運動が起きるようになったのは、健全な動きですね。 ただ、本件は「高齢の会長がよくわからないつぶやきをしてしまった」といった甘い認識で済ませてはいけないのだと思います。 藤田会長は、農業関係者を含め多くの方がご指摘の通り、これまでも種子法、種苗法、農薬関連などでさまざまなデマをまき散らしてきたそうです。そしてそうしたデマをまき散らすことで、「そうではない安全なもの」を売るというビジネススタイル。こういうモデルは、関係者に対する風評加害にとどまらず、消費者に対して不当に高いものを買わせる不誠実な商売です。 通販生活やクレヨンハウス、生協なども、こうしたビジネスモデルをとってきましたが、いい加減もう許すべきではないでしょう。 いまベルリンに来ており、昨日大使館の方と会話する機会がありましたが、中国が処理水放出を理由にホタテを禁輸したことについて、データをもって非科学的であることを説明したらドイツの方たちはわかってくれた、と仰っていました。それでも相当苦労されたそうです。そうした努力を、福島みずほ氏のような政治家やこうした企業の顔のお立場にある方が踏みにじるのは見たくない。有権者、消費者が意見を発信していくことが大切ですね。
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脱炭素と安定供給の板挟み 次期エネルギー計画に複数案
日本経済新聞
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
エネルギー基本計画は三年に一度程度見直すことが政府の義務になっています。基本計画は、文章で綴られる定性的なものなのですが、それに付随して公表される長期エネルギー需給見通しは将来のエネルギー構成を描くものです。 これまで、先進国でもこんな計画を作っているのは日本くらいなもので(欧州などで、再エネの比率などの目標はありましたが)、国際会議で話すと驚かれることもしばしばありました。 前回の計画から「これは必ず達成する計画ではなく、ビジョンのようなもの」という趣旨の注意書きが付されていましたが、2050年が近づいた今回はさらに辻褄のあう計画にするのが難しくなっている、というか、経産省は悶絶することになります。 本来、発電事業を自由化したのですから政府が計画を書くのも変な話といえば変な話なのですが、エネルギー政策の日本における重要性を考えると仕方ないとも言えます。 COP28では、各国から1.5℃目標を北極星に例える発言が聞かれましたが、そういう捉え方で考えるのか、温暖化の目標に対してそういう捉え方をすれば環境面からは非難され、必達目標として計画を書けば、エネルギー安全保障に悪影響を及ぼしかねない、複数シナリオを示して逃げれば、企業が混乱する。 いや、ほんとに悶絶です。
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東北電の原発費用、電気料金を底上げ 女川2号機再稼働しても…引き下げ効果の約4倍に
河北新報オンライン
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
電力・原子力関係の報道がヒドイというPickを昨日もしたところですが、ホント、多いんです。 この記事も、この世界に長い立場からすると、引用している学者さんのお名前見たところで、だいたいの想像がつくのですが、多分そうじゃない方も多いので今日もコメントします。(以前NewsPicksでも、この先生のインタビューのみで特集記事を構成しておられたので、批判申し上げたことがあります) 記事の概要は、 ・東北電力の原発関連による電気調達費用は維持管理コストを含め年間1,617億円に上ることが、龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)の分析で分かった。 ・今年5月以降に予定する女川原発2号機の再稼働で、同社が主張する料金原価の引き下げ効果(年間372億円)の約4倍に相当する。 ・標準家庭(使用電力量月260kWh)で試算すると、再稼働による料金引き下げ効果は月額140円の一方、原発を維持することによる費用は月額611円となる。 ・消費者庁の電気料金アドバイザーも務める大島氏は「月140円安くなるために、611円を支払うことが不合理なのは明らかだ」と語った。 とのこと。 これに対して、東北電力さんが既に抗議をされていますので、詳しくはそちらをご覧いただけれればと思います。 https://www.tohoku-epco.co.jp/information/1238940_2521.html 大島さんの試算は、いずれも東北電力の規制料金値上げ時における公表資料の中からデータを採っておられますが、なんと、「女川2号機単体が再稼働することによる料金原価低減効果」と、「東北電力原子力の全ユニットに係る運営費用および他社原子力との受給契約に基づくコストの合算」とを比較しておられるとのこと。東北電力さんは女川だけでなく東通にも原子力ありますし、もはや「何と何の比較をしてるの?????」としか言いようがありません。 原子力のコストが安いとは言いませんが(安価な電力を大量に供給するポテンシャルはある技術ですが、そのためには、建設時の資金調達コストを低下させるような制度設計や、稼働率を向上させる規制活動などが必要)、こういう試算を世に出すのはいかがなものかと思います。 メディアはそういう試算であることは認識して出したのか、認識もしていなかったのかわかりませんが、いずれにしても質が問われます。
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志賀原発、変圧器故障など複数トラブル…北陸電「新しい知見に基づき安全対策講じる」
読売新聞
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
読売新聞もこんなレベルの記事を出してしまうんだなと驚いたというのが率直な感想。 さすがに北陸電力さんが抗議をされ、それを受けて、タイトルは修正したようですが、もともとは「志賀原発の変圧器、最も強い揺れに耐える「クラスCでも壊れる…修理見通し立たず」という見出しでした。 このタイトルを見ると、最も高い耐震性を備えているべきものが壊れた→原発、危ないとなるでしょうが、 耐震重要度分類は、最高がSで、その下にB、Cと続きます。 (下記を参照ください) https://atomica.jaea.go.jp/dic/detail/dic_detail_2699.html 変圧器はCクラスで一般産業用機器と同等の耐震性でよいとされます。もちろん壊れないに越したことはありませんが、原発の安全性は「多重防護」、即ち、何かが壊れても他の外部電源やら電源車やらで安全性を確保するという考え方で設備を形成します。 いずれにしても、北陸電力さんの抗議の内容を見ると、この記事は相当ひどいものですね。 北陸電力さんの抗議はこちら。 https://www.rikuden.co.jp/opinion/index.html?1707108232 一部週刊誌が「書いて売ればいい」になっているとして批判されていますが、電力・原子力に関する報道は以前から、そうですよね。今回も、抗議されてちょこっとタイトル変えて済ませていますが、大手電力や原子力発電に負のイメージを与えることが目的化しているような記事が多いのは極めて残念です。 批判すべき点は批判すべきで、それがむしろ健全性を高めると思っていますが、復旧に全精力を注ぎながら、住民の方たちに不安を与えないように広報活動もせねばならないのですから、こうした、まったく箸にも棒にも掛からぬ記事で邪魔することに、私は大義は無いと思います。
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愛知のJERA火力発電所で爆発 けが人なし、5時間後鎮火
共同通信
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
以前視察させていただいた発電所での爆発とのことで驚きましたが、人的被害が無かったのは何よりでした。 この武豊火力は1号機の運転開始が1966年。もともとは中部電力の設備でしたが、今はJERA(中部電力と東京電力の火力部門の合弁会社)が運営しています。 武豊火力は、設備が老朽化していたこともあり、2011年当時、2号機は長期停止中、3号機は長期停止となるはずだったと記憶しています。しかし、福島原子力事故後、当時の菅総理から浜岡原子力発電所に停止要請が出たことにより、中部地域の供給力確保のため、緊急で再稼働させた発電所です。 当時の発電所長が「浜岡に停止要請が出たという報道を見て、それまで書いていた廃止の作業計画をどけて、再起動の作業計画を書き始めた」と仰っていたのを思い出します。 今回は、5号機(石炭と木質バイオマス発電)が運転中だったそうですが、爆発の15分後にそちらは停止させています。 事故の解明と早期復旧を期待します。 なお、JERAのプレスリリースは今日(1月31日23:20時点)3報まで出ていて、下記の通り。 https://www.jera.co.jp/news/information/20240131_1808 それにしても、なんて1月でしょう!!!
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電力供給、進まぬ分散 大手寡占で災害時にリスク - 日本経済新聞
日本経済新聞
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
これは・・目が覚めるほどのひどい記事。 急速に人口減少が進む中、水道や電気など、ネットワーク型のインフラを今までどおり維持することは難しくなっており、分散型システムの導入が必要であることは、そのとおりです。 公益事業学会でも先日のセミナーで、「再エネ最大活用・GXと分散型電力システム」と題して、電事連の方にも参加いただいて議論したところです。 ただ、今回の震災からの復旧が遅いという批判から、いまの電力システム改革論を展開するのはいただけない。 能登の復旧作業の進捗がはかばかしくないのは、道路の寸断や渋滞がひどいことが大きいと聞いています。 記事の内容ですが、まず、「安定供給の責任が求められる発電や送配電は大手の寡占が続く状況だ。」という一文だけでも電力システム改革を理解できていないことが良くわかる。自由化というのは、発電と小売り事業に対して行われるもので、一般送配電事業は規制事業として残ります。ここを自由化したら、いろんな会社が送電鉄塔や電柱への設備投資をして、国中に設備が乱立することになりかねない。 東日本大震災後の計画停電を契機に、日本は「日本の今の電力システムに課題がある」としてシステム改革を急速に進めたわけですが、こういう雑な印象論で制度改革を進めるとろくなことになりません。例えば当時、「価格メカニズム(需給がひっ迫したときには、値段を上げて需要を抑える)があれば計画停電が防げた可能性があった」という議論がありました。しかし、東京電力が震災で失った供給力は太平洋岸・東京湾の火力発電所など、全体の三分の一程度にもなります。価格メカニズムがあっても、一部計画停電は避けられなかった可能性があります。一足飛びに「システム改革だ!」としたことは、相当反省すべきことだと思います。 そもそも、再エネも震災で被害を受けることもあるでしょう。この記事が言うように大手でなく、地域の事業者が電力供給網を構築するということになれば、設備のストックなども彼らが持つのか。DIYで修理できるような設備形成でなければ、より復旧への時間がかかることもあり得るでしょう。今も全国の大手電力会社から600-700人の応援が現地入りしていると聞きます。新電力がこういう技術人材を抱えられるのか。 再エネ推しも、システム改革推しもいいけれど、最低限の勉強をしたうえで記事を書いてほしい。
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