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中国の外交工作、奏功 ASEANを分断 南シナ海問題
朝日新聞デジタル
大庭 三枝神奈川大学法学部 教授
あーあ。やっぱりこういう書きぶりになるのね。「中国の外交圧力」って枕詞をつけて、それが状況の全てを決定したみたいな記事。 極端なこと言うと、中国がたとえ何もしなかったとしても、あの仲裁判決そのものについて、ASEAN諸国が足並み揃えることなんてできないですよ。中国のやたらと膨張的な海洋進出が地域の平和と安定を脅かすことについては、ASEAN諸国にもコンセンサスがあると思いますが、それと、仲裁判断そのものをあのまま全て支持する話とは、実はずれてるんですよね。あの判断すべてをよしとするのは、事実上領有権争いにおいて明確にフィリピンサイドを取らねばならないことを意味し、あの島々は岩か低潮高地なんですという判断をも受け入れないといけない。ASEAN各国が、あの仲裁判断に慎重なのは当然、それは、ベトナムだって、国内をちゃんと取材した内容を分析すればわかるはず。 ASEAN諸国自身がプレイヤーだという意識がゼロなんで、こういう書きかたになっちゃう。 今回たまたま朝日の記事取り上げたけど、日経も同様の論調です。 それより、仲裁判断が出された南シナ海の「新たな現実」に対応して発出された、定例の共同声明とは別に出された「地域の平和、安全保障、安定に関するASEAN外相声明」の内容をどうしてちゃんと検討しないかな。そして、通例の共同声明とは別の文書が出されたことの意味をどうしてちゃんと分析しないのかな。きっと、仲裁判断に触れてるかそうでないかだけで判断してるからだろうけど、あまりにもお粗末すぎます。 おそらく今年も、もう年中行事になっている、カンボジアとアメリカとの間の合同軍事演習CARATやると思うけど、その話も記事にしないと、バランス悪いですね。
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