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中国の外交工作、奏功 ASEANを分断 南シナ海問題
大庭 三枝神奈川大学法学部 教授
あーあ。やっぱりこういう書きぶりになるのね。「中国の外交圧力」って枕詞をつけて、それが状況の全てを決定したみたいな記事。
極端なこと言うと、中国がたとえ何もしなかったとしても、あの仲裁判決そのものについて、ASEAN諸国が足並み揃えることなんてできないですよ。中国のやたらと膨張的な海洋進出が地域の平和と安定を脅かすことについては、ASEAN諸国にもコンセンサスがあると思いますが、それと、仲裁判断そのものをあのまま全て支持する話とは、実はずれてるんですよね。あの判断すべてをよしとするのは、事実上領有権争いにおいて明確にフィリピンサイドを取らねばならないことを意味し、あの島々は岩か低潮高地なんですという判断をも受け入れないといけない。ASEAN各国が、あの仲裁判断に慎重なのは当然、それは、ベトナムだって、国内をちゃんと取材した内容を分析すればわかるはず。
ASEAN諸国自身がプレイヤーだという意識がゼロなんで、こういう書きかたになっちゃう。
今回たまたま朝日の記事取り上げたけど、日経も同様の論調です。
それより、仲裁判断が出された南シナ海の「新たな現実」に対応して発出された、定例の共同声明とは別に出された「地域の平和、安全保障、安定に関するASEAN外相声明」の内容をどうしてちゃんと検討しないかな。そして、通例の共同声明とは別の文書が出されたことの意味をどうしてちゃんと分析しないのかな。きっと、仲裁判断に触れてるかそうでないかだけで判断してるからだろうけど、あまりにもお粗末すぎます。
おそらく今年も、もう年中行事になっている、カンボジアとアメリカとの間の合同軍事演習CARATやると思うけど、その話も記事にしないと、バランス悪いですね。
中国念頭「国際法の順守重要」 ASEAN外相声明
大庭 三枝神奈川大学法学部 教授
これ、かなり注意して読んだほうがいい記事。原文確認しましたが、正確には「我々は、、、《中略》、、、紛争の平和的解決を、1982年の国連海洋法条を含む国際法とに従って進めることの重要性を再確認する」なのですが、これって、ASEANのこれまで出してきた共同声明、議長声明なとの主要文書の中の、南シナ海問題について言及している箇所の定型文で、新しいことは何一つないのです。
なんかわかりませんが、ついこないだまで、どうせASEANは分裂する、ダメだ報道が多数を占めていたのに、今回についての日本の報道、中国はしてやられたんだというトーンに妙に切り替わってるようで、変ですね。ま、繰り返しますが、国際法への言及の箇所、これは定型文で、常設仲裁裁判所の判決を受けた新しい現実に対応したものとはちょっと言いづらいのでは。
鳩山元首相がAIIB顧問=中国、日米切り崩し狙う
大庭 三枝神奈川大学法学部 教授
私は、日本はAIIBに参加すべきだという主張したし、今の段階では状況見つつ、参加のタイミングを慎重に図るべきだと思うけど、それでも基本的にはその意見を変えてない。しかしながら、これはないだろう!鳩山氏がAIIB顧問に就任したら、日本(とおそらくアメリカ)において、AIIBに感情的な反発を示さなかった人々も含め、全体の論調はますますAIIBに警戒心を強めるのでは。私も正直、一緒くたに見られたくはありません。中国が何を切り崩したいかによるけど、切り崩しというより単に混乱を招いてかつ日米内で反AIIB感だけ高まるだけだと思いますけど。中国政府、日本国内政治や日米関係へのリサーチ不足でしょうか。また、鳩山元首相は、中途半端に東アジア共同体を振り回したことで、同構想の著しいイメージダウンを招いたことだけでは飽き足らないのでしょうか。
飯島マネ今月退職決定!でも恩知らずはメリー副社長のほうだ!SMAPだけでなくジャニーズが今あるのも飯島のおかげ - 本と雑誌のニュースサイト/リテラ
大庭 三枝神奈川大学法学部 教授
ちょっとSMAPとその育ての親である飯島氏に対するひいき目が強すぎる気もするが、ファンとして20年以上SMAPやジャニーズを見てきていると、SMAPの発展の経緯やそれに牽引されての他の後輩グループの活動などの分析や記述について、かなりこれが真実に近いと感じる。むしろ15年前ぐらいの雑誌記事等の分析は、SMAPの人気とそれを実現させた手法による後輩グループの成功についてもこれと同じ論調で明確に語っていた。たかが芸能ニュースとはいっても、最近のSMAP関係の報道は情報統制・情報操作が如実で異様だわ。他方、いろんな形で解散させようとする某女副社長への批判もYahooニュースあたりでは散見されるようになっている。さてどうなるかなあ。もちろん私は解散反対派。別に土下座しなくてもいいから、女副社長は寛容の精神を。お立場もあることでしょうから。
激動の国際政治。巧みに生き残ってきたASEAN
大庭 三枝神奈川大学法学部 教授
AECばかりが注目される理由はよくわかるし、たしかに三本柱の中では目に見える成果も見られるのですが、ASEANのそもそもの成り立ちやその協力の裏には、域内の平和や安定といった安全保障関連のインセンティブも働いていたこと、また現在もそうであることも見逃してはならない点だと思ってます。
ASEANにおける地域統合は、経済面に限られる現象ではなく、政治や安全保障、社会、文化など多面的に進められているものであることに多くの方に目を向けて欲しいと思いつつ、論考を書かせていただきました。
わかりにくいというコメント、心します。多くの方にわかりやすい文章を今後一層心がけたいと思います。この点、まだまだ修行途中です。率直な感想を述べていただき、ありがとうございます。
Amazon.co.jp: ああ玉砕―水木しげる戦記選集 (戦争と平和を考えるコミック): 水木 しげる: 本
大庭 三枝神奈川大学法学部 教授
こういうピックの仕方は規格外なのかもしれませんが、つい先日亡くなった水木しげる氏の選集の一つ。彼は妖怪もので有名ですが、一方で自らが南方戦線に行った経験を元にした戦記物もたくさん残しています。戦争体験についてのリアルな、一切美化を許さない、ある条件下に置かれた人間の暗部を抉るような内容。私が水木氏の氏にかなりがっくりしているのは、私が知る限りの本当の意味での戦争を知ってる世代で生きている最後の人物だったから。戦争の時に子供だった世代は、日本の被害者としての側面しか経験してません。空襲とか、疎開体験とか。それも重要なのですが、本当に戦争を知っている、というのは、自分自身が戦争に行った、あるいはその世代だった、ということなのだと、思っています。彼らは、日本の加害者としての側面も体験としてわかっている、という点が重要。改めて、彼の戦記物を読み返すことにします。
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