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もはや「値上げ=タブー」ではない? 正常化しつつある日本の景気のためにできること
黒瀬 浩一りそなアセットマネジメント株式会社 チーフストラテジスト チーフエコノミスト
インフレで起こると、債務者が得をする反面、債権者は損をします。債務者の典型例が約1200兆円の債務を抱える政府です。逆に預金者(銀行への債権者)、国債保有者は損をしています。これがインフレ税と呼ばれるものです。経済学者ケインズは「金利生活者の安楽死」と呼んで、ある程度のインフレで金利生活する人に実質的な負担させないと、経済は好循環に入らないと説きました。とはいえ今、高齢者層には昔の景気が悪いデフレの時代に昔に戻してほしいという人が増えています。年金の増加率はインフレ率より原則として0.9%低い、預金もインフレで目減りするからです。こういう層にも配慮しつつ、物価と賃金の好循環を実現しなければなりません。
【実例】AIが「金融マン」の仕事を奪い始めた
黒瀬 浩一りそなアセットマネジメント株式会社 チーフストラテジスト チーフエコノミスト
AI関連の株価が最近大崩れしています。原因は、AIを使うと革命的にコスト削減になる、革新的なクリエイトが生まれる、といったイメージが崩れて来たことです。実は、本当にこれらを実現した企業はほとんどありません。こうして懐疑心が膨らんで株価が崩れているのです。生成AIで作った夜の東京を歩く女性という動画が話題になりましたが、使い道ありますかね?もう10年も前にグーグルのAIが猫を識別できるようになったと話題になりました。革命的だと評価されましたが、結局はこれも使い道なかったと思います。生成AIによる成果の具体的は実績の数学を早く見たいですね。
国債買い入れ変化に身構える市場、円安と需給逼迫で日銀動くか
黒瀬 浩一りそなアセットマネジメント株式会社 チーフストラテジスト チーフエコノミスト
通貨安を止めるために利上げする、これは経常収支が赤字体質の新興国で良く起こることです。はっきり言って最悪のシナリオです。日本は経常収支はまだ黒字ですが、貿易収支は大幅な赤字基調で、このまま人口減少が続いたら、赤字になるのは時間の問題です。そうなるまでにまだ時間的猶予はあるので、この円安を利用して輸出振興を図るべきです。TSMCや外資のデータセンターが日本に巨額の投資をしており、良い方向には向かっています。ただ、これらは成果が出るまでに長い時間がかかります。今年の秋にはTSMC熊本工場で半導体の量産が始まり、輸出が始まると思います。
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