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自動車からアイスクリームまで… ボルティモアの橋崩落事故がもたらす経済的な影響
松田 琢磨拓殖大学商学部国際ビジネス学科 教授
本件,経済的な影響は個別に見ればあるかもしれませんが,全体的な影響は大きくないと思います.コンテナ輸送についてもNY/NJやノーフォークが近く,代替ルートも確保しやすいので,輸送への影響はそこまで出ないものと思われます.
以下の記事でコメントが出ておりましたが,私もこの意見に同意です.
橋崩落によるボルティモア港閉鎖、全米規模の供給網危機起きずとの見方
https://jp.reuters.com/world/us/HSUT2BOQKBPUFMFFWBXMKPQFYM-2024-03-28/
>オックスフォード・エコノミクスのチーフ米国エコノミスト、ライアン・スイート氏は「橋崩落はサプライチェーンショックに対する米国の脆弱さを改めて思い出させた。
>だがこの事故の経済的な影響は、全米規模というよりもボルティモア周辺に限られるだろう」と記した。
>その上で「商取引や輸送が妨げられても国内総生産(GDP)で確認できるほどではなく、物価押し上げ効果も小さくなる」とみている。
「金利ある世界」で募る奨学金返済への不安、負担増に身構える大学生
松田 琢磨拓殖大学商学部国際ビジネス学科 教授
それにしても「奨学金」の名称を変えるという議論は起こらないんですかね.最近は「貸与型」「給付型」が書かれることが増えたからいいということでしょうか...
記事を見ると,借りている金額の規模が我々の時代よりだいぶ大きくなっていることに改めて気づきました.借り入れ額が生涯年収に占める比率も決して馬鹿にできないと思います.
貸与型ですと,給料を実質減らすことになりますので,結婚の際に支障をきたしたり,結婚後もパートナーとの間で揉める要因になります.私のように60歳近くまで返済が続くケースもあり,自分の子どもの教育費支出とオーバーラップすることもあります.
これを乗り越える価値がないと借りるのは大変ですね.
今後金利が上がってくると「お金借りてまで行く大学か,大学院か」ということがこれまでよりさらにシビアに問われてくるのではないかと考えます.
世界物流の要、二大運河を襲う二つの大問題
松田 琢磨拓殖大学商学部国際ビジネス学科 教授
最近のパナマ運河・スエズ運河の情勢は,短期的に混乱を招いて急激な運賃上昇がもたらされたケースもありました.エジプトのように通航料収入が減少して財政収入に影響を受けたケースもあります.しかし,物流について考えたとき,全体影響はあまり大きくなかったと評価できると考えています.これはコロナ禍とちがって,経済におけるモノ需要の拡大や労働力不足が強くならなかったこと,輸送サービスを供給するために十分な船腹が存在することが大きな理由です.代替ルートもあります.
もちろん輸送の遅延により日本では輸入に遅れが生じており,英国でも紅茶の品不足が一時的に報じられるなどの事態がありました.しかし,英国では品不足は一時的と報道されましたし,小売業者も消費者に対して在庫が十分にあることを周知したため、パニック買いは発生しなかったとのことです.また、販売価格に対する海上輸送運賃やコンテナ運賃の比率は大きくないです.この辺を前提に対応をするのが良いと思っています.
オリックスが中堅海運を買収 3000億円、事業承継で最大
松田 琢磨拓殖大学商学部国際ビジネス学科 教授
三徳船舶は関西では大手の船主さんで,77隻の船舶を保有しています.パートナーを通じてフィリピンの商船学校を支援するなども行っています.ドライバルクの船舶規模は商船三井の半分くらいです.結構大きいです.
加藤さんのコメントにもあるように愛媛をはじめ,西日本には船主さんがたくさんいて,地元ではリッチな企業になっているところも多いです.この業態の船主さんが日本に多いことは日本の海運にとっては大きなメリットがあったと考えています(海運会社のリスクを分担する存在がたくさんいるわけですし,造船業や金融業の有力顧客です).
とは申せ,現在の海運,造船が置かれている状況を考えると,船主さんは今後,海外オペレーターや造船所との取引を増やしていくことになります.後継者不足などもあるということで,とくに小口の船主さんのようなところのM&Aをオリックスのような企業が行うのはわかる気がします.もともとシップファイナンスやってますし.
ちなみに,船を貸し出す際には船主さんが雇った船員さんが船を動かします(もちろん異なるタイプの貸し出し方法もあります).
NORMAL
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