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ECB、18年ぶりの戦略修正は「ハト派」へのシフト
東洋経済オンライン
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役・フューチャー経済金融所長
コンテンツはドラギさんの時代にほぼ敷かれていたとはいえ、対外的な説明はグラジュアルに動かすというのは、ECBらしいなと感じました。  ECBが設立準備を進めていた90年代半ばに欧州に滞在していましたが、設立前後のECBの最大の課題は、財政・物価の規律や信認が高く物価も安定し経済パフォーマンスの優れるドイツと、財政・物価トラックレコードが芳しくなく経済パフォーマンスも劣るラテンの国々とがどうやって通貨を共有していくか?ということでした。このため、当初のECBの主眼は、ドイツの枠組みを極力流用することで、その物価安定等への信認を欧州全体で利用する、ということであったと思います。(ECBの金融政策ウイングは、その当時はイッシングさんなど独連銀出身者が目立っていました。)「2%に近いが超えない」といった当時の物価目標の定め方も、その影響を色濃く感じます。  リーマンショック後の欧州ソブリン危機の際、ドラギさんはそうした基本線は維持しつつ、有名な「何でもやる」ステートメントでPIIGS諸国への信認を繋ぎ止めようとしました。ECB自体がディシプリンを失ったと市場に受け止められれば、おそらくギリシャ等はより大変なことになっていたでしょうから、ドラギさんのやり方は巧みであったと感じます。  その上で今回、ドラギさんが実質的に敷いた路線を対外的にも定式化したということで、多数国の集まる欧州の複雑さを考えれば、マクロの政策枠組みのいじり方は、全体としては妥当なスピード感と感じます。  むしろ最近目立つ変化は、マクロ政策の対応余地が限られる中、ECBがミクロの資源配分への介入姿勢を強めていることかと思います。これが吉と出るか凶と出るかの評価は、今後数年待たなければいけないでしょうね。
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ブラックロックCEO、世銀とIMFは時代遅れ-環境の時代に改革を
Bloomberg.com
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役・フューチャー経済金融所長
IMF理事会在籍時の経験から申し上げると、とりわけリーマンショック前、収入の殆どをトルコ一国に依存していた状況下、IMFスタッフには、むしろ、危機対応にとどまらない領域に活動を広げたい(さもないと、危機が起こらないと仕事が無くなってしまう)という心情の人も多かったように感じます。ブラックロックは当局出身者を大量に採用するなど当局の情報収集に熱心な機関でもあり、あまり無茶を言っている訳でもないと思いました。(英文報道をみても、「時代遅れ」といった攻撃的な言い方は、実際にはしていないように思います。) 具体的な問題は、 ①各国の拠出金(すなわち各国の国民負担)で成り立っており、それゆえに最上位債権者としてお金を課すことを前提に設計されているIMFが、「民間より先に環境関連投資の損失を負担する」といった主体になり得るのか。これを各国が議会に説明するのは相当大変(&損失分担の各国間の割り当て交渉も難儀)であり、そうした役割は、IMFとは別の機関を設立して負わせるのが筋ではないか? ②今後数十年間、IMF融資を必要とするような金融危機が発生しないのであれば良いが、仮に危機が起こる場合、環境関連損失のカバーに資本を使ってしまい、いざという時の危機対応能力が損なわれていては困る。 等々、数多くの論点はあると思います。ただ、いずれにしても、議論が行われていくこと自体は良い事だと思います。
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「銀行のビジネスモデル」 世界の“潮流”のウラで、日本は深刻な「問題」を抱えていた!
現代ビジネス[講談社] | 最新記事
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役・フューチャー経済金融所長
すみません。タイトルは野口先生が付けている訳ではないのでしょうが、いくつか留意点を申し上げたいと思います。 ・「CBDCを導入したら送金手数料はタダになる」という結論には留保があります。現在、支払決済コストの相当部分が、年々厳しくなるAML/CFT・KYC対応に割かれています。「CBDCを導入すれば送金がタダ」というのは、中央銀行が国民全員に口座を開放し、さらに自らコストをかけてAML/KYC対応を行うという、やや非現実的な姿を前提にしているように思います。(現状、CBDCを検討している中銀はいずれも「間接発行形式」を前提としており、AML/CFT対応等は民間に委ねることを想定しています。) ・「海外は手数料無料化が潮流」という訳ではありません。むしろ、装置産業化する金融産業の実態に合わせ、従量性のフィーは引き下げる一方、「口座維持手数料」等の形で固定的なフィーはむしろ引き上げている先が多く、起こっていることは「無料化」ではなく「手数料体系の変化」と呼ぶべきものです(詳細は以下の報告書の96ページなど)。 https://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/data/fsr181022a.pdf ・同一の企業債務間で行われる支払(Alipay)と、異なる主体の債務をやり取りする銀行間決済などのコストを同一に捉えるのはやや無理があります。(同一の企業債務間での支払手段は、その範囲内では手数料無料でも、残高を現金や預金に振り替えようとすれば、その段階である程度の手数料を徴求されるケースが殆ど。)また、同一の企業債務の振替による決済手段は、市場シェア拡大のために初期には赤字覚悟で手数料を低くする”Predatory Pricing"戦略を採るケースが多く、そうした手数料水準が長期的に持続可能かという論点もあります。
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