Picks
40フォロー
22フォロワー


ユーグレナ、バイオジェット燃料「完成」を発表 年内に商業フライト実現へ
Bamba Masaru東北大学 博士研究員
生物原料を利用する際には,常に病害リスクを考慮する必要があります。特にユーグレナのような大規模に屋外で成育させていると特に病害は怖いでしょう。天然ゴムを産出するゴムの木のプラントが南米で全滅した例もありますし,単一種の大規模栽培は一度の汚染で致命的になってしまいます。燃料としての安定供給のためには,これまで以上の大規模培養が不可欠でしょうし,どのような対策をとっているのか知りたいですね。

【世界標準の書き方】パラグラフ・ライティング「5つのルール」
Bamba Masaru東北大学 博士研究員
大学でライティングを学ぶ課程を必修にしたいです。パラグラフ・ライティングは文章をアウトプットする際に必須のテクニックであるため,本来であれば大学生活やそれ以前におけるレポート課題等において身につけることが期待されます。しかし,学生の卒論やESの第一稿を見ると,ライティングの基礎を欠いた人が多いことがよくわかります。そのため,現行の教育カリキュラムはライティングスキルを育むに不十分であり,どこかの段階で体系立てて学ぶ機会が必要だと考えています。
ライティングスキルは学べば身につくものなので,学ぶ機会を提供できればと考えます。私は学生の頃にロンドンの教育学研究所 (IOE)でアカデミックライティングというコースに参加する機会があり,様々な国からIOEに来ていた留学生たちと一緒に授業を受けました。アクティブラーニングのコースだったので,各参加者が書いた文章を読み批評する機会が多かったのですが,みな最初はボロボロです。しかし,2週間ほど受講するだけで,誰しも劇的に改善します。この経験はライティングスキルは学ばないと身につかないものだが,一度体系立てて学べば習得できるものであると気づかせてくれました。そして,このライティングができない問題は,日本の教育独自の問題に由来するものではないこともわかります。そのため,欧米の大学と同様にカリキュラムにライティングを組み込むことで,多くの学生パラグラフ・ライティングを用いて書かれた文章を読み取ることが容易になり,かつ他の人が読みやすい文章を書くようになるでしょう。情報のインプットとアウトプットは常に繰り返されるものであり,ライティングスキルはそれら両方の効率を上げるものです。そのため,できるだけ早い段階でライティングスキルを習得させることが求められます。
ゲノム解析をより高速かつ安価に、日本発半導体ベンチャーの挑戦
Bamba Masaru東北大学 博士研究員
今回の記事で紹介されているチップは,特に検体遺伝子配列のどこに塩基多型が存在するかを調べるゲノムマッピングの高速化を主眼に置いているようです (記事中の表にfastq to vcfとあるので)。この解析を簡便に行えるようになると,遺伝子異常が原因で発症する病気の原因変異を明らかにすることでより有効な治療法を提供したり,遺伝子発現パターンの変化などから未病を診断することができるかもしれません。
ゲノム解読手法は近年最も発達した技術の一つであり,一昔前は1000ドルゲノムとしてヒト1人あたり10万円でゲノム解読を行えるのが目標にされていました。そして現在では100ドルゲノムが実現可能なところまで来ており,あと数年したら数ドルゲノムまで行くのではないかと予想されています。そうすると得られたデータの解析プラットフォームを整えていくことが非常に重要になってきます。ゲノム解読技術の進歩と解析環境の整備を進めることで,定期健康診断でゲノムや遺伝子発現を調べ,予防医療につなげるような時代が来るかもですね。
『「色のふしぎ」と不思議な社会 2020年代の「色覚」言論』最先端科学で探る、「色」の世界
Bamba Masaru東北大学 博士研究員
私もプレゼン資料を作成する際に,この配色は色弱の方にやさしくないと指摘されたことがあります。そのため,自身で資料を作る際には異なる色覚でも判別できる配色にするか,できる限り色での判断が必要にならないようシンボルを変えるなどをしています。
最近では"色のシミュレーション"のような色覚に違いのある人ではどのように見えるかを確認するスマホアプリも出ていますので,自身の資料を公開前にチェックしてみるのがいいでしょう。
色覚多様性は全体で数%程度存在するといわれています。資料であれポスターであれ多くの人に伝わることが必須なので,ユニバーサルデザインは閲覧者のためだけでなく,発信する側にも多くの利点がありますね。
「日本の科学を元気にする普及団体を」 若手らが設立へ
Bamba Masaru東北大学 博士研究員
一部の研究者のみで運営されていた学術会議とは異なり,科学振興に興味のある人はだれでも参加できるコミュニティを作るという取り組み。
目指すは米国科学振興協会 (AAAS) だそうです。
AAASは19世紀中ごろから活動しており,現在では会員数1千万人を超えていますが,ヨーロッパにおけるAAASのフォロワーであるユーロサイエンスでは設立して20年で会員数3000人程度になります。
日本で新しく設立し,どれだけ盛り上がれるか気になるところです。
個人的な印象ですが,欧米に比較して日本では研究者以外の人たちの科学への興味が薄いように感じますので,今回の取り組みがどのように周りを巻き込んでいくのか楽しみです。
博士課程学生に生活費240万円 政府、7800人に支援
Bamba Masaru東北大学 博士研究員
昨年度まで学術振興会特別研究員で月20万円で生活していた身からすると,支援が増えて博士課程を目指すハードルが下がることはよいことだと思います。
支給額については生活はできるというレベルですが,同期で修士課程や学士で卒業した友人と比べたら圧倒的に少ないです。博士課程中の研究時間を時給換算したら600円くらいだったと思いますが,利益も責任も自分だけのものだと思うとそんなものでしょう。
また,支給額が少ないことに加えて学費も必要になります。自分は運よく博士課程中の学費は全て免除でしたが,周囲を見ると半額免除の人が一番多かったと思います。半額免除だと国立大学でもマイナス25万円。生活はより厳しくなりますね。
ただ,常々考えていることですが,ハードルを下げるだけでは真に求められている人材は増えないと思います。現在の日本の博士課程教育では博士号取得者=高度人材とならないのが現状です。強い言葉を使うと博士号を与えていいものか疑問な人材が修了していくのを何度も見ています。博士号取得者を増やすために門戸を広げるのももちろん大切ですが,課程中の教育がより有益で魅力的なものになることこそより重要ではないかと考えています。
大学受験シーズン到来!今人気上昇中の「農学部」って何をするところ?
Bamba Masaru東北大学 博士研究員
現在農学よりの研究をしている身からすると,農学という学問分野と他生命科学などの境界がどんどん曖昧にになっていると感じており,目的意識の違いだけで分けられてるのではないかと考えています。
端的な例として農作物の生産の研究があげられます。現在の農作物の生産においては,作物をどうしたらよりよく育てられるのかを考えるにあたって,その背景にある生命現象を理解し,適切に制御することが求められています。その研究として実際に行っていることは,理学の分子生物学とほぼ同じですね。
逆もまた然りで,作物品種間の遺伝的な違いと形質の違いから特定の形質を司る遺伝子を特定したりします。これも理学的な目的のもと,たくさんの作物を畑で育てるという農業に近いことを行います。
大学で農学を学ぶにしても,最先端の知識を修めるためには必然的にその周辺分野の学習も必要になります。知識が高度化していく現代において,学生が分野横断的な学習をできるようなシステムが求められますね。
博士課程学生支援 約7000人に1人当たり年間290万円程度支給へ
Bamba Masaru東北大学 博士研究員
とてもよい取り組みだと思います。しかし,コメントでも盛んに言われているように課程修了後の就職先などの懸念が消えないのも事実でしょう。
私個人の意見ですが,日本で博士号取得者の地位が向上しない要因としては,課程修了時に期待される高度人材に達していない人材が多いことがあげられると思います。そのため,博士課程学生という母数を増やすことの効果は限定的なものになるだろうと考えてしまいます。
私自身昨年度に博士号をいただきましたが,博士課程学生がどれだけ課程中に成長できるかは,指導教員の質に大部分が左右されると感じます。そのため,教育投資が学生だけでなく教員の教育にも向けられると,今回のような学生に対する経済支援の効果がより大きくなると思います。
ゲノム編集食品が流通へ。筑波大などがGABAの含有量約5倍のトマト開発
Bamba Masaru東北大学 博士研究員
今回のゲノム編集技術を用いた品種は,従来問題視されていた遺伝子組み換え生物等に当たらず,安全性や生物多様性への影響等への懸念は非常に少ないものです。
遺伝子組み換え生物とは,自然界で入り得ない外来DNAを含んだ生物を指しています。一方,今回は特定の遺伝子に1塩基の挿入を加えるという手法が用いられており,このような変異は自然界で普通に生じるものとなるため,遺伝子組み換え生物には当たらないものと判断されます。
トマトゲノムプロジェクトは2003年から開始され,2012年には全ゲノムが解読されました。そして現在,ゲノム編集品種が一般に流通するということは,ゲノム解析やゲノム編集技術の進歩がどれだけ著しいことかよくわかりますね。
女性教授が指導すると女性研究者は伸びない?
Bamba Masaru東北大学 博士研究員
原文を読んだ感じですが,ミスリードに感じます。
解析によると確かに記載の通りの結論になっていますが (手法が正しいかは置いておいて),著者の意見は記事通りではないのではないかと。
著者は現状,男性メンターのほうが女性メンターに比べてリソースへのアクセスなどに関して様々な特権があるために,被指導者(プロテジェ)へのサポートを強くでき,その結果プロテジェが成功するのではないかと述べています。
そして,現在の男女共同参画政策では女性を科学界に留めることに偏重しているが,より長期的に女性科学者の科学界へのインパクトを最大にするような政策が求められると述べています。
これは若手女性科学者が女性メンターを選ぶべきでないと言っているわけではなく,女性メンターと男性メンターの間に存在している差を減らすことも重要ではないかと言っているのだと思います。
なので,この論文は現在存在している男性メンターと女性メンターの間の格差に警鐘を鳴らすものであると思います。
記事のような結果だけをまとめた書き方をしてしまうと,女性科学者への偏見を助長してしまう。
未来型医療の研究継続、東北大が示す唯一の存在感
Bamba Masaru東北大学 博士研究員
多数の遺伝情報を用いると,個々人の遺伝的な違いと病気の発症歴などとの関連より,病気の要因となりうる遺伝的な違いを検出することができます。このようなデータが集まると,病気の発症メカニズムの解明や個人の疾病リスクなどを明らかにできるようになります。これらのデータを用いることで,未来型医療と呼ばれる,個別化医療 (個人に最も適した治療方法を選択する医療)や個別化予防 (個人の疾病リスクに合わせた生活習慣の改善など)が行うことができるようになります。
従来までのヒト遺伝情報を用いた研究では,健常者の情報を収集するための協力が得られにくいのが現状でした。そのため,今回事業継続が決定した東北メディカル・メガバンクで,15万人を超える検体の遺伝情報および追跡データが得られているのは大変価値があります。

NORMAL