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バイコヌール宇宙基地で打ち上げ準備が進む国内ベンチャーの人工衛星
小泉 悠東京大学 先端科学技術研究センター 特任助教
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アルメニア軍、内閣総辞職を要求 首相「クーデター」と非難
小泉 悠東京大学 先端科学技術研究センター 特任助教
第二次カラバフ紛争でアゼルバイジャンにボロ負けしたアルメニアのパシニャン首相に対し、サルキシャン元大統領が「何故ロシアから買ったイスカンデル短距離弾道弾を使わなかったのか?」と質問。
これに対してパシニャン首相は「イスカンデルは信頼性が低く10%しか爆発しないから」と答えるも、軍の第一副参謀総長は「なこたぁない」と一蹴。
頭にきたパシニャンは第一副参謀総長を解任するも、参謀総長は「むしろお前が辞めろ」と逆襲してきたのでこれも解任(ただし辞令だけ作ってまだ署名はせず)。
という見事な泥沼劇なのですが、敗戦の責任を誰が負うのかとか、ロシアとの関係、革命政権に対する軍の態度など、色々根深い問題がロシア製ミサイルの信頼性というテクニカルな問題で交錯してしまったのだなという気がします。
北方領土に最新電子戦装備 ロシア軍配備 世界随一の精密攻撃実証
核軍縮と核抑止 すれ違ったままでいいのか
小泉 悠東京大学 先端科学技術研究センター 特任助教
核軍縮と核抑止のすれ違い、ロシアの核戦略を研究している身としては非常に興味深く読みました。
この溝はなかなか埋まらないのですが、核兵器が使用されたらとんでもないことになるという出発点は同じです。
大きな違いは、だから核兵器をなくすべきだというところに重点を置くのか、だから核抑止を万全にすることに注力すべきだと主張するのかですね。
現状では後者を重視するのが現実的な考えでしょうし、私も基本的にそう思います。
ただ、抑止は果たしてこれからも完全に機能し続けるのかは誰にも分かりません。冷戦期には誤認によって核兵器が使用される寸前の事態に至ったことが幾度もありました。
これらの事態では現場の軍人たちが非常に賢明な判断をして核戦争を回避しましたが、これからも現場が常に冷静で懸命か、早期警戒システムが常に完全に機能するのかは神のみぞ知るというところでしょう。
この意味では、核抑止は継続しながら核兵器を減らす努力にも同じくらい情熱を傾けるというのは、決して理想論ではなくリアルな安全保障政策だと思っています。
しかし、両者を両立させるのは簡単ではありません。
我々が核の傘によって当面の安全を確保していることの裏返しとして、「傘」の下にいない国はなんとか自前の核兵器を持とうとするでしょうし、そうなるとなぜお前たちだけが核兵器を持てて我々はダメなんだという議論が繰り返されるでしょう。
この溝をどう埋めるのかという難問の答えはまだ見出されていない、とインタビューを読みながら考えました。

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