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ブデソニド吸入薬(商品名パルミコート)の早期吸入開始が、新型コロナの増悪をへらすかもしれない(STOIC試験)
小児アレルギー科医の備忘録
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
新型コロナの流行に現場も苦しい状況が続いています。 以前、新型コロナの流行早期に、シクレソニド(商品名オルベスコ)が悪化を防ぐのに有効ではないかという提言があり、その後日本でランダム化比較試験が行われました。 しかし、『肺炎増悪率は、シクレソニド吸入剤投与群41例中16例(39%)、対症療法群48例中9例(19%)であり[リスク差 0.20(90%信頼区間 0.05-0.36)、リスク比 2.08(90%信頼区間 1.15-3.75), p=0.057]、対症療法群と比べてシクレソニド吸入剤投与群の方が有意に肺炎増悪が多い』という、予想を裏切る結果でした。 ▷吸入ステロイド薬シクレソニド(販売名:オルベスコ)のCOVID-19を対象とした特定臨床研究結果速報について https://www.ncgm.go.jp/pressrelease/2020/20201223_1.html そのため、あくまで喘息の予防としての吸入ステロイド薬は推奨されるものの、COVID-19の初期治療としては現在積極的には使われていない状況と言えます。 しかし、喘息患者がCOVID-19の増悪がすくないという疫学データもあり、吸入ステロイド薬が初期治療に有効かもしれないという考えはまだ根強くあります。 各国で行われている試験のひとつ、STOIC試験が先日Lancetの姉妹誌に報告されましたので共有します。 軽症の新型コロナ感染症の初期に開始すると、増悪を有意に低下させるという結果でした。
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中国製の新型コロナワクチンの現状は?
小児アレルギー科医の備忘録
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
最近、中国製の新型コロナワクチンの有効性が50%と低いのではないかと報道されました。 ▷https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/04/50-49.php 『どの国で』という考え方に縛られる必要性はないかもしれませんが、中国製ワクチンに関する日本語での情報は少ないようです。そこで、簡単な特集が4月9日にBMJに組まれていましたので共有します。 ✅ 3番目のワクチン「コロナバック(CoronaVac)」は北京の製薬会社シノバックが開発した不活型ワクチンであり、4番目のCanSinoBIO社のワクチンは1回投与でアデノウイルスベクターワクチン、5番目のAnhui Zhifei Longcom社のワクチンは、新型コロナウイルスの受容体結合ドメインを基にしたタンパク質を使用している。 ✅ 現在のところ、いずれの中国のワクチン候補についても、第3フェーズ試験データが査読付きジャーナルに掲載されていない。 ✅ コロナバック(CoronaVac)に関し、2020年12月トルコにおいて7371人を対象とした試験の1322人のサブグループを対象予防効果が91.25%だったとする中間データ、2021年1月ブラジルより、医療従事者12,000人のを対象とした第3フェーズ試験で新型コロナ軽症患者に対する予防効果は78%と発表され、より軽症症例に対する追加データからは予防効果が50.4%にとどまることが示された。 ✅ ブラジルで最近行われた世論調査では、中国製のワクチンを接種してもよいと答えた人は47%だった。 ✅ シノファーム社の最初のワクチンは最も多くの国で緊急使用承認を受けており、その数は30国近くにのぼる。 ✅ コロナバックは、ブラジル、チリ、インドネシア、ラオス、メキシコ、トルコなどで緊急使用が認められており、CanSinoBIOワクチンにはメキシコとパキスタンは緊急使用の承認をし、Anhui Zhifei Longcomワクチンは、ウズベキスタンでの使用が承認されている。 あくまでBaraniuk氏個人の意見で査読も経た文章ではないことに注意が必要です。とはいえ、現在までの中国製の新型コロナワクチンの現状を概観するのにいいまとめだと思いました。
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中国ワクチン、有効率わずか50% 南米に動揺と失望が広がる
ニューズウィーク日本版
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
中国国営企業シノファーム社が2種類のワクチンを開発後、シノバック社製のワクチンが3番目のワクチン『コロナバック』となり、製造手法は不活化ワクチンに分類されます。 3番目までのワクチンは2回の投与が必要ですが、4番目の候補であるCanSinoBIO社のワクチンは1回投与となる予定で、アデノウイルスベクターを利用したワクチン(アストラゼネカ社のワクチンと同じような製造方法)になでロシアの『スプートニクV』と同じ製造手法です。 中国製のワクチンに関する第3フェーズ試験データは査読のあるジャーナルには掲載されていないようです(第1、第2フェーズ試験は掲載されています)。 ▷BMJ 2021; 373 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.n912 (Published 09 April 2021) Cite this as: BMJ 2021;373:n912 https://www.bmj.com/content/373/bmj.n912.full シノバック社製のワクチンの効果に関し、1月時点で50.4%の有効性という報道はすでにありました。 ▷Sinovac: Brazil results show Chinese vaccine 50.4% effective https://www.bbc.com/news/world-latin-america-55642648 mRNAワクチンの有効性が際立っているともいえますが、mRNAワクチンの基礎研究を長く続けていたからこそスピーディに完成したともいえますし、それ以上に、第1から第3フェーズ試験まできちんとこなしていることがやはり大事な点だと思っています。
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