鈴木 孝一

オフィスビルのエリアブランド力について考察したことがあります。同一規模、築年のビルでどれくらい賃料に差があるのかを理論的に分析しました。結果、、歴史的に古くから開業している丸の内線や銀座線が通るエリアで賃料が高くなる傾向に。 様々な利便性の高いことで賃料が高くなるといった裏付けにもなりますね。

店舗についてはコンビニやドラッグストアなど都心型店舗では減収の影響が大きく、郊外型では影響は小さいと聞いています。都心ではワーカーやインバウンドの減少の影響がより大きかったのでしょう。取り上げてくださった珈琲業界についても店舗展開の違いがそのまま減収のインパクトの違いとなったようです。愛知の珈琲店は日常のコミュニケーションの場。コロナ禍といっても、美味しい珈琲と、会話を求めたいという欲求もその背景にありそうです。

Amazonや楽天などeコマースを利用機会が増えている中、こうした動きは配送元から一般消費者まで届けるためのラストワンマイルの解決策のひとつになりそう。この配送の仕組みが誰でもできるようなものであれば、手の空いた時間で配達しようとする人もでてくるはず。

データを共有、テクノロジーを使って健康やストレスの状態、今いる環境の状況がわかれば、いかに行動すべきか判断できる！？ 「スタートレック」という映画は近未来の世界観が描かれていて、自分や環境の状況をすぐに知ることができる未来の到来を予感させられます。人々が集まるオフィスでもそうした機器やシステムが開発、導入されていくのでしょうね。

テレワーク導入に関して、部下がまじめに仕事をやっているのかどうか、気になるマネージャーはいらっしゃるだろう。 固定席で、上司の目線の範囲内で業務を行っている企業は多いはず。仕事ぶりや電話対応などを通じてOJTや年末の評価を行っていたマネージャーにとって、それが見えなくなることは不安に思うことは想像に難くない。 一方で、固定席をやめてデスクシェアにより、ワーカーが働く場所を自由に選択できる環境を採用する企業はITをはじめとして最近増えている。そういう環境で働くマネージャーにとって、部下とのコミュニケーションの取り方や質は、非常に重要になってくる。メールやチャットなどバーチャルな手段をうまく活用しての密なコミュニケーションが求められるからだ。従来の目視しての管理方法ではなく、部下を信頼し、仕事の成果によって評価するマネジメントスタイルにシフトしていくことが必要だ。 さらに、テレワークがさらに普及していくかどうかのもうひとつの鍵は、日本従来の雇用契約である、「新卒一括採用、終身雇用、年功序列などをベースとする “メンバーシップ型雇用”」から、欧米で主流の「 職務内容、能力・スキルによって雇用契約が決められる“ジョブ型雇用”」へのシフトがどれだけ進むか？にかかっていると思う。

コロナによる不動産セクターへの影響に関して、投資家は物流セクターへの投資をポジティブに考えているのだろう。この投資の流れは、中国に限らず、日本やグローバルでも起きる可能性があることがうかがえる。一般的に、期待利回りはオフィスよりも物流のほうが高い。今後の展開によっては、その格差が縮まるか、逆転する可能性も秘めている。

ZOOM会議で思うこと。面識ある者同士は良いのだけれども、新しい方とのコミュニケーションにはたしかに物足りなさを感じます。では、フェースツーフェースは重要か？！ となんとなく使っている言葉も、科学的な分析によって、メリット、デメリットがわかってくると良いですね。 様々な業種で、オフィスワークか、リモートワークか、議論が始まっています。そのウェイトはテクノロジーの進化スピードによっても大きく変わりそうです。

（本文）在宅勤務も拡大すれば（中略）、ひょんなことから生まれる発想や井戸端会議が失われることだ。 確かにそうかもしれない。クライアントや、同僚との何気ない会話、また耳に入る会話がビジネス上のヒントになることもある。 一日中、テレワークで仕事していると、当たり前だが人との会話も減りやすい。 果たして、コミュニケーション能力も維持向上できるのだろうか。通勤不要で一日の歩数が減り、知らぬ間に足腰の筋肉が衰えていくのと同じようなことにはならなければいいのだけれども。。。

今回の東京賃貸オフィスマーケットの転換点は、リーマンショック時と比べて次の点で大きく異なっている。 ・現在の高グレードビルのオフィス需要の牽引役は国内大手企業。一方、リーマン時は金融機関を中心とした外資系企業で、多くで移転の中止等が発生 ・最近では竣工前に内装工事を行うケースが多く、テナント側も労力・コストをすでにかけている。一方、リーマン時は竣工以降で内装工事が可能だった つまり、国内大手企業は国外撤退などの理由はなく、また、働き方改革の一環としてレイアウトやIT関連に多くの初期投資を行い移転準備を進めている企業にとって、移転のキャンセルの可能性は低いと思われる。 また、多くの新築大型ビルではテナントをすでに確保している割合が多いため、新築ビルを起点とするテナント獲得競争の激化と、賃料下落は起こりにくいだろう。 短期的には、新築ビル移転後にテナントが退去した後の移転元ビルで、今後二次空室がどれくらい消化できるのか、またスタートアップやベンチャーなど中小企業が多く入居している中小型ビルでは空室が発生するかどうか、といった点には注意を要するだろう。