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新型コロナウイルス「抗体検査キット」の誤解は感染爆発を起こし得る(特別寄稿)
アゴラ 言論プラットフォーム
大平 進嘉生命保険業界
わたしも学生時代にお世話になった、非常に信頼のできるDr.による寄稿です。 これまで疫学研究者、感染症専門家、その他の分野のエキスパートの方々の見解がありましたが、検査分野の専門家による、分かりやすい解説はあまり多くなかったように思われます。 この記事によれば、cov19に関して、 ・IgMやIgGの産生のタイミングが明らかになっていない。 ・IgGが感染抑制効果があるかが明らかになっていない。 ・キットの信頼性や、一般的の方がキットを使って検査をしたときの精度の問題 を指摘されています。 ニュースでは、海外で「抗体陽性者」をウイルスフリーかつ感染症に抵抗性のある方として社会に復帰させ経済活動や医療を維持しよう動きがあるという報道がなされ、そんなニュースを見るたびに「日本は遅れている、無策だ」という焦る気持ちがありますが、まだ時期尚早だとうことでしょう。日本はむしろ、今の時点では極めて冷静に専門家の意見を聞きながら対応している印象をうけました。 ・抗体検査キットがpcrに比べれば手技として簡易なのは間違いがなく、今後の臨床的意義への解明と科学的な活用が解明されてほしいです。願わくば、我々を恐怖を与えるニュースのひとつである「回復者がPCRで再陽性になった」という事項につき、免疫的な動態がどのようになっているかを解明するツールになってほしいと思います。
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変異パターンは3種類 新型コロナウイルス―ワクチン開発に応用期待・英大学:時事ドットコム
時事ドットコム
大平 進嘉生命保険業界
今は各論文雑誌もコロナウイルス関連の記事はフリーアクセスとなり、非常に手が届き易くなっていますね。 https://www.pnas.org/content/early/2020/04/07/2004999117 素人の私が斜め読みしたところによると、 ・この研究は系統発生ネットワーク解析と呼ばれる分析法をウイルスの分岐・拡散の分析に応用したもの。 ・系統発生ネットワーク分析は、遺伝子の変異の積み重ねを比較して系統樹を作り、生態学や人類考古学などでよく用いられる分析法 ・これまで、この分析法をウイルスに応用した研究は少なかった。 ということが、新規性のようですね。 結果自体は日本語記事のとおりなのでしょう。この変異が、臨床像や感染拡大に寄与している可能性はあり得るとしつつも、この論文ではこれ以上の変異と感染機序との間の関連の示唆はないようですね。 この論文の分野には全く疎いのですが、著者の所属名をみると法遺伝学や考古学分野と分子生物学の方々であり、免疫学やウイルス学の専門家ではなさそう?なので、そのあたりの示唆は薄いのだと思われます。 今回のように、パンデミックで各国での疫学的な動態や臨床像がことなるのでは?強毒化ってあるの?集団免疫って本当にできるの?・・などの疑問を解消するにあたり、これまでの分野ごとの蛸壺研究ではなく、あらゆる分野の叡智が集まる必要に迫られ、研究における改革も進むような気がします。
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PCR検査にEC活用、消費税は当面ゼロに 楽天・三木谷氏が提言
産経ニュース
大平 進嘉生命保険業界
簡易キットを用いたPCRによるウイルスRNA検出(RT-PCR)の課題としては、各方面から懸念があるように、その精度です。 分子生物学実験でRNAを取り扱った経験のある方が、必ず指導を受けているであろうことは、「RNAは極めて分解されやすい」ということです。 一番の理由として、細菌からヒトまで、あらゆる生物が「リボヌクレアーゼ(RNase)」と呼ばれるRNA分解酵素を分泌しており、そこらじゅうにRNaseが存在しいるために、検体や実験の手技を油断するとすぐに分解してしまい、検体できなくなることです。ホコリ、汗、の混入はおろか、キレイに洗った試験管ですら、RNaseは混入し、実験は台無しです。しかも、この酵素は極めて安定でちょっとやそっとじゃ不活性化できないとされています。よって検査者は、徹底的にRNAを分解させないように手技や器具、試薬を管理します。(このRNAの弱さが、RNAウイルスの不安定さのひとつであり、人類に幸いしているとも言えます) さて、簡易キットはおそらく、した顧客が自分で喉をつついて採取した粘膜を、安定化させる溶液などに付けて、これを検査センターに送ることになるのでしょうが、以上のことを鑑みると ・素人がとり扱ってもRNAを分解させず、一定レベルの検出に耐えうる保存試薬なのか? ・輸送時間、保管温度がまちまちになるはずだが、RNAを保護できる試薬なのか? といった試薬の品質検証が必要になるかと思います。リスクの低い疾患ならまだしも、偽陰性により外出を促し、感染を拡大することに寄与させては本末転倒だからです。 (ウイルスのpcrを医療機関が行っても信頼性がいまいちなのは、上記のとおり、RNAが分解されやすく、手技や環境等によりサンプルが痛み偽陰性を招く一因とされています。)
【高橋祥子】経営のヒントは「生物の生存戦略」にある
NewsPicks編集部
大平 進嘉生命保険業界
生物と無生物の間は私も学生時代に読み、非常に刺激を受けました。 経営とは逸れますが・・・ ウイルスは遺伝子とそれを格納する殻で構成された存在で、いわば情報体のような存在です。これが"生き物"の細胞に取り込まれると、その細胞はウイルスの遺伝子情報を読み取り、ウイルスの遺伝子とたんぱく質を大量生産し、細胞内でそれらがウイルスの粒子として"完成品"になり外へ放出されていきます。 細菌とは全く異なり、自身では動きもしませんし、毒素も作りません。ただただ、自らの設計図を保持しているだけであり、感染細胞に複製の一切を委ねており、無生物的であります。 さて、このウイルスの無生物的特徴は、逆に言えば、SF 的に言うと「ナノマシン」的に人間にとって道具に使える要素となっています。 ウイルスに、とある疾患治療のための遺伝子を"搭載"し、治療目的の臓器の細胞に導入する、「ウイルスベクター」として用いる遺伝子治療はすでに実用化されていますし、直近の記事の通り大規模な産業にもなりつつあります。 https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=69051 これは、ウイルスが"生物"でないからこそ、人間が道具としてコントロールできるのだと私は考えています。(細菌や寄生虫を用いた治療・・・というのはあり得るかもしれませんが、生き物ならではの気難しさがあり、難易度は高いでしょうね) なお、ウイルスベクターについては、産業として語るときも「生産」という用語を用いており、「培養」という用語が使われていないのも、自然にウイルスを無生物として扱っていることになりますね(笑) なお、私の知る限り各種ウイルスの生産は、生きている細胞を用いる必要があるので、その細胞を"培養"する必要はあるでしょう。
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細菌とウイルス
かしこく治して、明日につなぐ~抗菌薬を上手に使ってAMR対策~
大平 進嘉生命保険業界
色々なサイトで言われていることですが、私の認識を記載してみました。 ウイルスと細菌の最大の違いは、異論はあるものの端的に言えば、細菌は「生き物」ですがウイルスは「生き物でない」ことです。 ウイルスは「殻」と「遺伝子」しかもちません。ウイルスが対象の細胞に取り込まれると、ウイルスの遺伝子は、宿主の細胞がもつ、「遺伝子→たんぱく質合成」のラインで読み取られ、ウイルス粒子とその生産に必要な物質が全て合成され、細胞のなかでそれらがまたミックスしたうえで、外に放出される仕組みとなっています。 いわば、ウイルスは"殻+情報体"であり、自らの設計図を細胞に読み込ませてコピーをつくるだけの存在です。 ですので、ウイルス自体は直接細胞を攻撃もしませんし、毒素も作りません。 ウイルスにより疾患になるひとつの理由は、宿主の免疫システムが、自らのウイルス感染細胞などを排除しようとすることが、炎症を招来し、臓器の機能不全を招くのです。 ウイルスに対する有効な薬剤が少ない理由は ・ウイルス自体が細胞内で作用していること ・ウイルスの増殖は細胞内のシステムを利用していること などから、ウイルスの増殖を特異的に狙って阻害しにくいことが挙げられます。 なお、今回のコロナウイルスは、肺炎の炎症の程度が重く呼吸不全に至ることが多いとされていますが、まさに免疫システムの問題だと思われます。 感染症から身を守るシステムである免疫は、いまや膠原病、アレルギー、神経難病をはじめとして、このような感染症に至るまで、あらゆる難病に何らかで関わっています。 悪性腫瘍や循環器疾患とならび、これからの医学の主要テーマであり続けるでしょう。
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初の筋ジストロフィー治療薬承認 核酸医薬品、厚労省が条件付きで
共同通信
大平 進嘉生命保険業界
学生時代にかじった「核酸医薬」に属するジャンルの治療法につきピックします。 核酸医学は、細胞のDNAやRNAといった遺伝子の発現に関わる物質(核酸)について、外部から同じようなDNAやRNAを人工的に導入することで、病気の原因とされる遺伝子の働きを増強したり抑制したりするような技術です。 このニュースの技術はアンチセンス法と呼ばれる技術です。 DNAが遺伝子の設計図だとすれば、遺伝子ごとのDNA配列を鋳型にして「パンチコード」のようなイメージで、メッセンジャーRNAとよばれる「指示書」がつくられ、これをもとにさらに下流工程でタンパク質がつくられていきます。アンチセンス法は、そのメッセンジャーRNAのネガ・ポジの関係にあるRNAを外部から何らかの方法で細胞内に届け、メッセンジャーRNA同士が結合し、指示書としての機能しなくするようなイメージの技術です。 (ネガ・ポジの配列関係にあるので、anti-senseと呼びます) この仕組み自体は古くから考案されているようですが、実用的な課題のひとつは、「どうやって、核酸を安定的に、狙った臓器の、細胞膜を通過させ、届けるか」というものです。 今回の技術のひとつのキモは、こうした課題を解決したことのような気がします。
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新型肺炎で予備自衛官招集へ 医療従事者不足受け
産経ニュース
大平 進嘉生命保険業界
私も予備自衛官です。 予備自衛官は311震災以降、常備自衛官が長期にわたる出動で疲弊したときにそれを補うような形での招集が想定されていました。 予備自衛官には二種類あり年間30日の訓練を現役部隊と一緒に受け、練度が高い「即応予備自衛官」と、年間5日の訓練を受ける「予備自衛官」に別れていますが、これまでは招集されても即応予備自衛官にとどまっていました。 ところが昨年度の台風災害あたりから運用変更があり、積極的に「予備自衛官」を活用していく方針になっていると聞いています。 今までの後備役から、積極的なショートリリーフ的な活用という変化ですね。 予備自衛官に関して、平成13年より予備自衛官補という過程が設置され、自衛官経験がない民間人でも、予備自衛官補という訓練過程を満了すれば予備自衛官になることができます。これには一般コースと技能コースにわかれています。技能コースは技能・資格保有者向けのコースですが、これを通じて現在、医師、看護師、検査技師などの医療従事者やITや土木技術者、弁護士・司法書士などの法務系の方も多く任用されています。 災害が続く昨今の情勢において、政府はこの層の厚い予備自衛官をもっと活用することを考えたのでしょう。 よって、予備自衛官が出動したことは、必ずしも危機的な状態とも言えないことを記載したいと思います。
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