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「グーグルが悪評を放置」医師ら60人が提訴へ…地図上の口コミ、「営業権の侵害」
下山 進ノンフィクション作家
ヤフコメもそうなのですが、こうしたプラットフォーマー上の言論で、名誉毀損にあたるものを書かれた場合、その削除はたいへんです。
というのは、メディアの記事の名誉毀損では、メディア側が書かれた側の取材をしていなかったりすると、「真実相当性」を欠いているとして名誉毀損が成立します。事実が間違っていることを取材もうけていないこともあわせて指摘すると多くのメディアは即座に対応し、記事は削除されます。
しかし、プラットフォーマー上の言説は、「プロバイダー責任制限法」にもとづいて判断されることになります。法自体、言論の自由と書かれる側の権利の侵害のバランスをとるという形のもので、しかもプラットフォーマーの責任を限定しています。
以前ヤフコメの名誉毀損に相当する匿名の投稿の削除を要求したことがありましたが、メールや領収書などの証拠をつけてプロバイダー側に提出し、たいへんでした。
このケースでは、グーグルにそうしたことをしたにもかかわらず、削除されていない、ということだと思います。
そうなると「プロバイダ責任制限法」の中でも、プロバイダーの責任をみとめ、ある程度の賠償が可能になるということになります。
いずれにしても、こうしたクラスアクションは、判例をつくることで、規範をつくっていくことが目的とされているのでしょうから、医師60人の巨大プラットフォーマーに対する異議申し立てが、どうなるのか、注視したいと思います。
【下山進=2050年のメディア第23回】「今は希望がある」遺伝性アルツハイマー病初めての治験がスタート
下山 進ノンフィクション作家
この治験の話、新聞でも報道されましたが、新聞の記事はすごくわかりにくい。
その突然変異がうけつがれる確率は50パーセント、突然変異がうけつがれれば100パーセント若年でアルツハイマー病を発症する。
遺伝性アルツハイマー病は苛烈な病です。
しかも、この家系の人たちは、アルツハイマー病の治験に入りたくとも入れなかった。治験のプロトコルが60歳以上といった年齢でくぎっているので。
DIANという国際研究で、アルツハイマー病の1パーセントにみたない遺伝性アルツハイマー病の人たちが国境を超えてその研究に参加し、日本の家系の人たちも初めて治験に参加することができた。
そういう話なんです。2004年から青森の大きな家系の苛烈な運命を知ってきただけに、私にとっては大きなニュースでした。
記事はリンク欄で読めます。
【スクープ】グーグルが日本のマスコミに「宣戦布告」か…新聞社に突きつけた「不平等条約」の中身と「AI記者」驚愕の実力
下山 進ノンフィクション作家
「生成AIを含むサービスにも記事を利用する」と最大のプラットフォーマーであるグーグルから迫られれば、新聞社はNOとなかなかいえません。また、いまの日本の新聞社の経営者の中で、自社の記事が生成AIによみこまれ蓄積されてしまうことの危険性がわかっている人は数少ないでしょう。
読売新聞グループ本社社長の山口寿一が、するどくその危険性を業界内で提唱していますが、読売自体はこの「不平等条約」に判をついたのか?
いったん生成AIに読み込まれてしまうと、出典を明示することなく、記事が勝手に使われることになることは、ニューヨーク・タイムズVS OpenAIの訴訟の訴状を読むとよくわかります。
アエラで一度この問題を書いていますが、参考までにリンクをはりつけます。
https://dot.asahi.com/articles/-/215980?page=1
京大・望月新一教授らに10万ドルの賞金 ABC予想の証明後初めて
下山 進ノンフィクション作家
ABC理論の証明が、フェルマーの最終定理の証明にまで拡張できるということに対して与えられた賞。
ABC理論がどういう理論かということは、NHKの井出さんのつくった番組がいちばんわかりやすいです。
「abc予想」の本質は、掛け算では受け継がれる素因数の遺伝子が、足し算では受け継がれないこと。
他はNewsPiclsもふくめて、望月サイドの論にのっとった記事なので何を言っているかわからない。
例えば毎日新聞。
〈1985年に欧州の数学者が提示した整数論の問題。「a+b=c」となる互いに素な(1以外に共通の約数を持たない)正の整数a、bとその和cについて、それぞれの互いに異なる素因数の積(d)を求める。このとき「c>dの1+ε乗(εは正の実数)」となるようなa、b、cの組は「たかだか有限個しか存在しない」とする予想〉
どうです? まったくわからんでしょう?
メディアは解釈が必要。
https://mainichi.jp/sunday/articles/20220509/org/00m/040/009000d
大谷翔平が11分の声明を発表「悲しくショック」水原一平元通訳の違法賭博問題 全ての関与を否定「彼は嘘をついていた」「送金を依頼したこともない」
下山 進ノンフィクション作家
これ動画を見る必要があります。
なんで、事前に通訳とすりあわせていないんだろう、と。
えっ、そう訳すの? ということもあり。
あと、質問をうけない会見をアメリカのメディアがよく許したな、と。
大谷の言うことを信じるのであれば、ではどうやって、大谷の口座からブックメーカーの口座に送金を水原ができたのか、ということになる。
水原説明では、「大谷が送金をする横で、私がいた」とこれならできるだろうと思う。
大谷がいないところで、なぜ送金ができたのか? 二重暗唱、しかも二重目の暗唱番号は一回ごとに発行されるものだろう?
仮に経理や送金等もまかせていたにしても、それをどうしたのか、の疑問は残る。
ドジャースに激震 大谷翔平の通訳水原氏が電撃解雇 大谷の資金を違法賭博に流用か 米メディア伝える
下山 進ノンフィクション作家
これは深刻なニュースですね。
ESPNの報道が圧倒的に信用できる。
ESPNはくだんの通訳の水谷氏に二度にわたって話を聞いています。そして、大谷の口座から50万ドル、二度賭博ブックメーカーの口座に振込があったことを明細から確認してました。水谷氏の証言によれば、それは水谷氏の賭博の借金だったそうで、その借金を大谷に返してもらったという筋書きです。
どうやって大谷の口座から水谷は送金できたのかということも水谷氏の証言で明らかにしています。
大谷がPCから水谷氏がみているところで送金した、と。
送金の事由の欄に、「loan」(借金)と打ち込んだ、と。
なぜ、大谷が直接水谷氏に100万ドルを渡さなかったということについて、水谷氏は大谷が「それでは自分がまたギャンブルに使ってしまうと思ったからだ」と水谷氏のコメントをクオートしています。
Loan(借金)と事由をかくだけで、それが水谷氏の借金だとなぜ賭博ブックメーカー側がわかるのか、同じように、水谷氏口座に大谷が100万ドルを振り込んだあと、大谷監視のもと、ブックメーカーに振り込むという方法のほうが誤解が生まれなかったのではないか、といった疑問もわきますが、現時点でESPANの報道がいちばん詳しい。
https://www.espn.com/mlb/story/_/id/39768770/dodgers-shohei-ohtani-interpreter-fired-theft
「テレビなしでも受信料」が実現も、ネットニュースは大幅縮小NHKと新聞の泥仕合に根本的に欠けていること
下山 進ノンフィクション作家
この記事を書いた鈴木 洋仁先生や元博報堂の境治氏のいうことをつきつめていくと、NHKは分割民営化しろ、ということになっていくと思います。
問題の根本は、受信料という支払い拒否が法律的に認められない制度で運営されている年間予算6400億円の組織が無料でCMなしにさまざまなテキスト情報を出すことで、そもそも民間企業は競争できますか? という話なのです。日本最大の新聞社読売新聞でも読売巨人軍など関連6社の売り上げをすべて足しても約2700億円です。
過去6年で1500万部の部数を失っている新聞は、とうていのことながらたちうちできないでしょう。
人口が10 年後には今の8割になる秋田、高知、青森などの県では、そもそも新聞が商業的に成立しなくなってくるのはあまりに明白です。
これを現状のまま競争させろ、という両者の論は一見、利用者に利するように見えますが、最終的に利用者は、新聞という選択肢を失うことになります。
それが嫌で公平な競争をということになれば、受信料自体をなくして、分割民営化という論がでてくるでしょう。しかし、それでは今NHKがやっているような報道や番組はつくられなくなります。
新聞の側が日本経済新聞や十勝毎日新聞のような例外をのぞいてうまくいっていないのは、新聞の側にもたとえば日刊新聞法によってそもそも買収ができないなどの規制によって守られていることで、進取の気性が失われてしまっているところがあります。
NHKのネットホーク報道部が2017年からくりだしたさまざまなサイトには工夫があります。たとえば地方紙に記事を卸している共同通信がそれにすこしでも見習うような配信をするようになればとも思います。
いずれにせよ、鈴木先生や境氏の論は物事の一面しか見ていないように思います。これはもっと背景のある問題です。
https://dot.asahi.com/articles/-/213290?page=1
映画『オッペンハイマー』公式
下山 進ノンフィクション作家
『オッペンハイマー』を試写会で見ました。
日本での公開が、原爆の犠牲者を慮って遅れたといわれるクリストファー・ノーランの映画です。
ノーランが原爆の悲劇を描かなかったという批判は的外れのように思います。この映画のテーマは別のところにあるからです。
ひとつは、アメリカ共産党を代表とする米左翼運動と知識人のかかわりです。オッペンハイマー自身は、共産党員ではありませんでしたが、共産党員のジーン・タトロックを愛人にして、その肉体に溺れます。若気のいたりというわけではなく、オッペンハイマーは左翼運動にシンパシーを感じ続けました。それゆえに、容共的となり、クラウス・フックスというソ連のスパイであった英国の物理学者をマンハッタンプロジェクトに参加させてしまいます。
マッカーシー運動のさなかに、オッペンハイマーは過去のそうした経歴を問われて追い詰められますが、リベラル派のケネディが力をつけていく過程でなんとか、窮地を脱します。
逆に、オペンハイマーを追い込んだ銀行家出身の原子力委員会委員長のルイス・ストローズは商務長官への就任を、上院の公聴会で、オッペンハイマーを不当に追及したとされ、拒否されてしまう。
そうした政治と科学が大きなテーマでした。
そして科学によって生まれる新技術をプロメテウスの火になぞらえ、人類を滅ぼしかねない、その火を発明してしまった科学者たちの苦悩と功名心がいまひとつのテーマです。
その限りにおいては、実は、広島と長崎の悲劇は暗示的に描かれているともいえます。
ニールス・ボーア、エドワード・テラー、アルベルト・アインシュタイン、ヴェルナー・ハイゼンベルクら当時の核開発になんらかかかった天才たちが登場します。
NHKネット、放送と内容・負担「同一」に 放送法改正案 - 日本経済新聞
下山 進ノンフィクション作家
この改正案がとおれば、「理解増進情報」として出していた「政治マガジン」や「NHK事件記者note」などはなくなることになります。
地方紙など新聞とのメディアの多様性をはかるためという理由で、受信料にささえられる巨大な公的メディアNHKは手かせ足かせをすくなくともインターネットに関してはかせられることになります。
2017年以来のNHKのネットワーク報道部の創意工夫は目をみはるものがありました。
こんどは新聞社の側、とくに地方紙の電子版の有料ゾーンに記事を配信している共同通信の、姿勢が問われることになります。
地方紙の電子優良版が魅力的なものになるために、全国に支局を利用できる共同通信の責任は重いと思います。
日経の「データで見る地域再生」のまねでもいいから、地方の読者がお金を払ってでも読みたいと思うものを、配信してほしいと思います。
問題の背景については以前AERAに書きました。
https://dot.asahi.com/articles/-/213290?page=1
共和党候補選び、トランプ氏が5連勝 ヘイリー氏の地元も制す
下山 進ノンフィクション作家
確かに、トランプの大勝ですが、ここで注目すべきは、地元であったサウスカロライナ州でヘイリー候補は負けたにもかかわらず、スーパーテューズデイまでは撤退しないと言明したこと。
これはヘイリー候補のPACへの献金が途切れずに続いているからです。つまり、一定数の大口献金者が、共和党予備選で選択肢を残すことにこだわっていることにあります。
ウクライナを捨て、ロシアとうまくやり、多大な関税をかして中国をブロックする、これは伝統的な共和党の政策とはあいいれないものです。
大衆的な人気が圧倒的なために、トランプイズムが共和党をのっとっており、それに対する伝統的な共和党の勢力(特にビジネス界とかさなる)が抗っていることを示しています。
NORMAL
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