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理研で雇い止め、1年後に600人 労組が撤回要求「日本の研究力低下」 研究チームの解散、神戸が4割
神戸新聞
渋谷 幸彦医師
これは、日本の研究を取り巻く問題の縮図です。 これを単なる労働問題と捉えてはいけません。 「続ける意味のない研究は終わって当然」という人もいますが、研究の経験がない人は分からないと思います。殆どのイノベーションは「意味がない」と思われていた分野から生まれます。ノーベル賞の本庶佑先生の、「腫瘍免疫」という分野もかつては誰もが意義を疑った極めて怪しい研究だったのです。逆に言うと誰もが「これは期待できる分野だ」と思える研究では、画期的な研究はあまり生まれません。 研究は開拓のようなもので、研究者は何もない荒野を切り開き地を耕して水を引き込み、種を蒔いて、育て、実りが得られるまでに数十年もかかる事も多いのです。研究者の殆どは自分の研究に一生を捧げていますが、職業としては全く割に合わないので、研究者になろうという若者は減る一方です。 また、こうやって日本で切られた研究者は米国や中国に渡って研究を続ける可能性が高く、すなわち人材の海外流出を意味します。こうやって日本は国力を失っていくどころか、技術の海外流出につながり、国防の観点でも問題です。 研究者がいかに安心して研究を続けられるか、多くの若者が研究者になろうと思える土壌を作るか、これが国の未来に直結します。
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