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哲学者は物理学者の本気の拳をどう受け止めるか…谷村省吾「一物理学者が観た哲学」を読んで
note(ノート)
Aida Tsukasa何者でも構わない
科学基礎論出身の教授の下で学んでいた身からすると、哲学者は、科学性の条件を理解した上で、議論をセットアップしなければならないと思いますけどね。 科学の前提を理解しないまま、自分の土俵で考えてしまう哲学学者は、視野を広げる気概を持ったほうがいいと思っています。 (哲学書を参照するのみの学者は「哲学学者」と呼んでいます。) 大場さんが語っていますが、エンタメ商業というのが的を得ていますね。 「新実在論」や「思弁的実在論」の登場に喜んだ哲学学者もいるようですが、カント哲学を普遍化した哲学観批判の延長上にあるわけで、自己言及的に発展している都合上専門の領域外を語れない構造になっているんですよね。 多くのエンタメ哲学学者は、もっと他の学問領域を尊重した上で、自分たちのやるべきことを自覚したほうがいいんじゃないかと、哲学科学部卒の私は思いました。趣味と商業性に寄りすぎてはならない。 宇宙は一つでも、真理の探求はセットアップする分だけあります。 ーーー 追記 谷村ノート読みました。学者としての気概を感じました。 改めて丸山さんのnoteを読むと、熱意が伝わります。学問をリタイアした者として、哲学者を含めた皆様を敬服致します。
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脳のタイムキーパー? ある神経細胞の発見で、脳の情報伝達手法の解明に近づいた
WIRED.jp
Aida Tsukasa何者でも構わない
神経細胞による情報符号化には、「発火率表現」モデルと「タイミング表現」モデルがあるとのこと。後者はモールス信号のように、発火パターンによって情報を伝えているだろうとの仮説らしいです。そのためには、コンピュータのCPUのように、クロック信号を発信する何かが必要になるのですが、それを担う神経細胞を発見したという記事です。 機械のアナロジーで人体の機能を捉えるという発想は昔からあり、デカルトがポンプから心臓の機能を類推した記録が残っています。果たして、論理的な仕組みで成り立っているコンピュータは、脳のモデルとして相応しいのでしょうかね。 周期性の出現はある意味、流行りの対称性の破れの一つで、個体化の条件の一つです。この神経細胞が他の神経細胞と相互作用する時点で、すでに振る舞いが情報として機能していると見えるはずです。例えば、遺伝子の塩基配列のコピーや発信者受信者のように、一方の持つパターンを、もう一方が相当するパターンで持ち合わせた段階で伝達が為されたとするなら別ですが。 発火率表現モデルはおそらく、発火量に情報を結びつけるのですが、両方使っててもおかしくないですね。記憶情報ならこっちでしょう。 あと、位置も関係ありそう。それと、創造性は発火作動の隣接性と関係するのでしょう。 以下引用 ーーーーー 通常、脳のガンマ振動は脳全体の電気的活動、つまり「局所電場電位(LFP)」を合計して検知するのだが、今回新たに発見された神経細胞の振動は、局所電場電位(LFP)全体のガンマ振動と一致しないのだ。 インド科学研究所神経科学センターのスープラティム・レイ博士は、今回の発見ではこの整合性についてさらなる調査が必要だと考えている。本当にクロックのような神経細胞なら、時間管理を行っている兆候が局所電場電位(LFP)のリズムにも現れるはずだが、それが見られないとレイは言う。「まるで沈黙した時計のようです」 これに対し、ムーアはこの現象を、ガンマ振動が脳全体の信号ではなく、局所規模で著しくみられる信号である可能性を示す兆候だと考えている。 「ガンマ振動が脳に関係していると考えるのは理にかなっています」と、ムーアは言う。しかし、そのガンマ振動は脳全体の合計信号から計測するのではなく、脳内の小さな各領域を構成する信号として計測してみる必要があるのかもしれない。
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「雷がなぜ起こるか」そのメカニズムがついに! - これまで明かされなかった自然現象
PRESIDENT Online:「仕事人×生活人」のための問題解決塾
Aida Tsukasa何者でも構わない
蒸し暑い夏の夜に見た、雲を飛び越える紫の放電が、まぶたの裏に綺麗なまま焼き付いています。 ーーーーー 「雷が発生した後に原子核反応が起こる現象、そして雷によって発生する放射線バーストの観測はこれまでに成功したが、なぜ「雷雲の中でガンマ線が発生するのか?」という現象については、いまだに解明されておらず、研究チームの次なる課題だという。」 以下Wikipedia引用 ーーーーー 地表で大気が暖められることなどにより発生した上昇気流は湿度が高いほど低層から飽和水蒸気量を超えて水滴(雲粒)が発生して雲となり、気流の規模が大きいほど高空にかけて発達する。 この水滴は高空にいくほど低温のため、氷の粒子である氷晶になる。氷晶はさらに霰(あられ)となり上昇気流にあおられながら互いに激しくぶつかり合って摩擦されたり砕けたりすることで静電気が蓄積される。成長して重くなる霰は下に、軽い氷晶は上に持ち上げられるが、後述のとおり霰は負、氷晶は正に帯電するため、雲の上層には正の電荷が蓄積され、下層には負の電荷が蓄積される。 雲の中で電位差が生じる原因は、長らく研究者の間で議論されており、異なる切り口からいくつかの説が出されてきた。そのうちのいくつかは現在でも支持されている。そして、これらを全体的観点からまとめた着氷電荷分離理論(高橋, 1978)が最も多くの支持を得ている。
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意識がある? 培養された「ミニ脳」はすでに倫理の境界線を超えた 科学者が警告
ニューズウィーク日本版
Aida Tsukasa何者でも構わない
ほとんど語ることは残ってないのですが、意識のハードプロブレムについて言うと、「色の主観的な感じ(クオリア)」といったものが、科学では明らかにできないだろうという問題です。 「心の哲学」の問題になりますが、所謂″答えのない哲学″系の問題によく見られるのが、自己言及性です。 簡単な例では、「私は嘘つきである」とか「すべては相対的である」とか「町のすべての人の髪を切る理髪師の髪は誰が切るのか」あたりですね。論理的には解けませんが、集合の概念(あるいは次元の違い)を導入するとクリアにできます。 クオリアは、主観的な意識の感覚質に、主観的な意識を向けるという自己意識を用いているために、計測方法と科学理論から成るネットワークの集合には属しません。だから科学の側から意識のハードプロブレムを解くことは、構造的に無理なんです。 ちなみに、自己言及性に言及した哲学者は、カント以外のドイツ観念論者とラッセル(自己意識に限るなら加えてフッサール)ぐらいなので、上記の問題の構造を理解している人は多くありません。 特にドイツ観念論は、この自己言及性を活用して、不連続な次元の発生を思索しています。ただ、物理的な制約がない以上、現実と乖離した飛躍になっていますが。 意識のハードプロブレムの面白い解決方法として、取り込んだ映像へ反射反応をするのではなく、反射機能を外し、映像に対して判断を加えるという自己言及作用を搭載したロボットを作った人がいます。哲学的な素養があるわけではないですが、確かに本質を掴んだ発想です。かのアーティスト荒川修作は、「意識とは躊躇の別名である」と言った覚えがあります。 https://robomind.co.jp/hardproblem/
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【プレスリリース】硫化水素の産生過剰が統合失調症に影響 -創薬の新たな切り口として期待-
日本の研究.com
Aida Tsukasa何者でも構わない
「持続的な硫化水素の産生過剰が生じる原因は脳発達期の炎症・酸化ストレスに対する代償反応の一環である可能性、そのメカニズムとしてエピジェネティック変化が根底にあることを明らかにしました。なお、硫化水素の産生過剰は、エネルギー代謝の減少、スパイン密度の低下などを引き起こし、それらが統合失調症のリスクにつながることも示しました。」 「硫化水素がエネルギー産生系やシナプスに与える分子メカニズムの詳細は現段階では不明ですが、可能性の一つとして、イオウが関連タンパク質のシステイン残基に付加されて、タンパク質の機能が変化すること(サルファイドストレス)が考えられます。」 「脳の発達期(胎児期~周産期)に、微細な侵襲(酸化・炎症性ストレスを引き起こす)を受けると、脳では逆の代償的な抗酸化反応(還元反応)が生じ、還元反応の一環として硫化水素(抗酸化作用を持つ)やその派生分子であるH2Snの産生が亢進し、その亢進はゲノムDNAのエピジェネティック変化によって"通奏低音"のように生涯持続すると思われる(サルファイドストレスあるいはイオウストレス)。これに対して、酸化炎症反応は、脳の発達期以外では統合失調症の発症期、症状の活動期など、病相依存的なものである可能性がある。」 ーーーーー 専門的なことは分からないのですが、「脳発達期の炎症・酸化ストレス」って、社会的には人間関係や出来事へのストレス体験に相当するのですかね。 統合失調症になるか、鬱病になるか、双極性障害になるかが、環境要因だけで決まるとも考えにくいので、遺伝的な要因と、発達的な要因が関係するのでしょうから、原因は何とも言えません。事後療法でも、薬で軽減できるなら救われるものもあります。
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