Picks
34フォロー
13741フォロワー
「女性が軸を持って選択できる環境が必要」POLAが卵子凍結を福利厚生に導入、美容部員の「一つの手立て」に
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
卵子凍結は、今はまだパートナーがいない(けど将来子どもがほしい)、
もしくはアスリートの方など活躍できる時期が限られていて妊活はそのあとにしたい、
など、やむを得ない事情で今すぐには妊活をできないケースでは、1つの選択肢として女性の可能性を広げてくれる方法です。
ただ、卵子凍結しておけばいつでも妊娠できるわけではないので、
先延ばしにしないですむ妊活は先延ばしにしないに越したことはない、というのが産婦人科医としての本音ではあります。
仕事か妊娠か選ばないといけない、まだ仕事をしたいから妊活はもう少し先に、という声が女性から聞かれますが、
どちらかを選ばないといけないわけではなく、妊娠出産と仕事は両立できます。
ただ、まだそれが難しい組織もあるかとは思いますが、
妊娠出産により一般的にはキャリアに影響を与えない社会になることがなにより大事と思います。
1つの選択肢として卵子凍結を福利厚生で提供しつつ、
妊娠出産がキャリアの妨げとならない組織になる、ということの方が本質的には重要かと思います。
あと、AMH検査は、卵巣年齢を測れるわけではないので、
結果によっては不必要に不安になってしまうこともありますので、注意が必要です。
子どもと接する仕事に就く人に性犯罪歴がないか確認「日本版DBS」法案を閣議決定
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
迅速な審議と関係各所のみなさまに感謝です。
子どもたちを守るためにありがとうございます。
連日、学校や保育園の先生による性加害が報道されるので、DBSの迅速な導入は本当にありがたい。
なお、そのような先生はほんのごく一部で、ほとんどの先生はとてもよい先生です。まっとうな先生方のためにも、DBSが導入されてほしいです。
最初からカンペキな制度ではなくても、
まずは学校・保育所だけ義務からでも、先延ばしになるよりもまず導入されることが大事。
塾や習い事は任意やけども、運営側としても確認したいでしょうし(実際、関連団体から、対象にしてほしいとの声があった)、
ユーザーや世論が求めることで、DBSでの確認をするのが当然、という流れにもっていくこともできるでしょうし、
骨抜きと批判するだけではなく、国民の受け止め方次第で、よい形で社会にインストールされうるのではと思います。
初犯は防げないですが、
これまでは再犯も防げなかったわけで、
再犯を防げるだけでも大きな進歩。
DBSだけでカンペキに防げるわけではないので、性教育やセーフガーディング研修などももちろん大事。
今国会で成立しますように。
ライブ会場で緊急避妊薬(アフターピル)が無料配布される。グラミー歌手のワールドツアーで
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
記事を読めば分かりますが、これは当然、避妊せずにセックスすることを奨励する意味で緊急避妊薬を配布したわけではありません。
このライブが開催されたミズーリ州は、中絶が禁止された州の1つ。
そのことを批判する意味で、緊急避妊薬やコンドーム、中絶ケアの支援のための情報が含まれたキットを無料配布したとのこと。
望まない妊娠の場合の中絶という選択肢もですが、
望んでいたとしても、妊娠を継続すると母体の命が危険になる、という場合であっても、中絶を選択することができません。
個々の判断で、なにがあろうとも自分は中絶したくない、という選択はもちろんあると思います。
ただ、法が中絶を禁止してしまうと、女性からからだの自己決定権が奪われてしまいます。
日本では、要件を満たす場合は中絶を選択することができますが、
女性はだれも中絶をしたくてするわけではありません。
日本の場合は、避妊や妊娠についてちゃんと教わる機会や、さらに、同意や相手を尊重することを学ぶ機会があることで、望まない妊娠自体を減らすことはできるのではと思います。
【ゼロからわかる】現代男性の新常識?「PMS」の超基本
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
こちら取材を受け、
PMSはあくまでホルモンのしわざであって、女性自身のせいではないけれども、治療することができるので、全く我慢しなくてよくて、産婦人科に相談して下さいね!
とコメントさせて頂きました。
自分ではどうにもならないけど周りに迷惑をかけてしまっていると自己嫌悪に陥ってしまう女性も少なくありません。
それがPMSであること、治療で症状を軽減できることは、性別関係なくもっと知られてほしいです。
PMSの症状に悩み、治療により症状が軽減した方は、本当に受診してよかった、もっとはやく受診すればよかったと仰います。
PMSも生理痛も過多月経も、困っている方はひとりで悩まずに、かかりつけの産婦人科で相談なさって下さい。
「子ども、ほしくない」半数超 ロート製薬調査、4年目で初
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
29歳までの未婚男女のうち、なので、母集団が、もともと子どもを望んでいない人に偏っている可能性は考慮してみないとですが(フラットに、20代の半分以上が子どもを望んでいない、という意味ではない、ということ)、
ただ、同様の調査方法による比較で2020年よりも割合が増えている、というのは、子どもを望まない人が増えている傾向はあると思われます。
子ども4人育てている身からすると、子どものかわいさ、子育ての楽しさをもっと知ってもらいたいー!!と思いますが、
物価上昇に賃金上昇が追いついていない中で、
子どもをもつと、ひとりよりは明らかに自分に使えるお金は減るわけで、
もちろん子どもをもつことでプライスレスな幸せが得られるものの、
優先順位は個々の価値観によりますし、そこに経済状況の影響もあるのではないかと。
2023年出生数、最少75万人 人口減り幅も過去最大、厚労省
医師が明かす衝撃の実態「アフターピルを処方した女性の1割強は性被害者」 加害者に父親も望まない妊娠、リミット72時間なのに日本だけ入手に「壁」
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
アフターピル(緊急避妊薬)は、なんらかの理由で避妊できずに性交渉した場合に、望まない妊娠を防ぐために有効な手段。
そのアクセス改善が必要なのはその通りですが、
「アフピルのむから大丈夫」という誤った認識が一部でされているのも事実。
緊急避妊薬のアクセス改善と並行して、性教育は本当に必要です。
それと別の論点として、
避妊できないケース として、1つは性被害。
これは特に性虐待は相談から対応がちゃんとなされてほしいところです。
もう1つは、パートナーが避妊してくれない、というケース。
日本はまだ、避妊といえばコンドーム、というイメージが強く、男性次第、と思われていることが多いですが、
コンドームは避妊効果は高くなく、あくまで感染予防のためのもの。
避妊のためには女性自身の低用量ピルなどが一番有効。
女性は自分で自分の身を守れる、ということはもっと知られてほしいです。
それと、妊娠を望んでいないのに、避妊をお願いしても避妊してくれないパートナーは、あなたの体を大事に思ってくれていないということなので、お付き合いを続けるのはおすすめしないです。
大事には思っているけど、まさか妊娠するとは思っていない、という場合もあるので、安全日とかない、ということをまずはちゃんと知ってもらうとよいかと思います。
『不適切にもほどがある』の視聴を脱落する若者がいる理由は「昭和ネタがわからない」からではない
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
今はすごい時代の過渡期で、昭和のよくない部分が改善されてきているものの、まだ昔の感覚の人も現役でおり、
かといって、今の感覚が全て大正解かというともちろんそういうわけでもなく、
このドラマは、1つの価値観を押し付けるものではなく、いろんな問題提起をすること自体がテーマなのではないかと感じています。
ドラマ中のセリフに違和感を感じること自体が、考えるきっかけを与えてくれているというか。
不適切な価値観や態度、発言や、時代の変化自体をテーマにしたドラマなので、
この記事のように、違和感や、それは不適切では、こうした方がよいのでは、と、様々な世代が感じること自体が、このドラマの狙いかなと。
あと、SNSでこういう反応があった、というのは、SNSの声なんて、広い世の中のほんの一部でしかないので、街頭インタビュー程度です。まるで世間を代表する意見かのように紹介する風潮こそ、どうかと感じます。
性犯罪歴の照会期間は禁錮以上の刑を終えて20年、罰金以下は10年…「日本版DBS」骨子案
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
禁錮以上は20年、罰金以下は10年、というのは、9割以上の再犯者がその範囲内、というデータを基にしているとのこと。
十分とは言い難いものの、禁固以上は10年、罰金以下は5年で刑が消滅する刑法の定めを超えた制度として下さることには感謝。
>学校や保育所は確認を義務化するが、学習塾やスポーツクラブなどの事業者の利用は任意とし、認定制を導入する。
親としては、当然DBSでの確認をしてほしいので、たとえ任意でも、ほとんどの事業者さんが確認して下さると期待。
>確認できる刑の種類は、刑法などの前科だけでなく、痴漢や盗撮など自治体の条例違反も含める。
これはすばらしい!!ご尽力下さりありがとうございます。
>教員や保育士については、子どもへのわいせつ行為による教員免許の失効や資格登録の取り消しを検索できる制度が整備されており、与党内から「連携できるシステムを構築すべきだ」との意見が出ている。
そこも連携をお願いしたいです。
子どもたちを守るためにも、今国会への提出、どうぞよろしくお願い致します。
女性活躍にこそ欠かせないフェムテック
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
症状があるのに我慢している女性が多く、それにより大きな労働損失が生じている(=女性の活躍が制限されている)というのはその通りですが、
その解決策がフェムテック、とは限りません。
生理痛やPMSの症状は本当に個人差があるので、フェムテックによるセルフケアで改善する、という方も中にはおられますが、
ある一定、治療が必要な方がいはります。
適切な治療により症状が改善してQOLがあがるのですが、それは、フェムテックによるセルフケアで代替できるものではありません。
かかりつけの産婦人科に相談し、必要な治療は受けつつ、より快適にという部分ではフェムテックを活用し、両方のいいとこどりで女性がもっと活躍できる社会になりますように。
高知県医師会 出産施設の集約化進める考えで一致
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
非常に重要な議論で、高知だけでなくほかの地域も同じ問題に直面している、もしくは今後直面します。
出生数が年々減っているということは、1施設あたりの分娩数が減っているわけですが、分娩数が減っても、それに比例して分娩施設の維持コストも減るわけではありません。
お産があってもなくても、当直医や助産師さんは毎日毎晩必要です。
市場原理的には単価を上げないとやっていけませんが、妊婦さんの負担を考えるとそれもできないのが現状です。
地方でそれだけの人員を確保するのが困難にもなっていきます。
ですので、安全な周産期医療の維持のためには集約化は必須で、
最寄りの分娩施設が遠くなってしまう妊婦さんは、予定日が近づいたら分娩施設の近くに一時的に宿泊などの方法で対応する、というのが合理的です。
NORMAL
投稿したコメント