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漫画家・芦原妃名子さんが死亡 「セクシー田中さん」など連載
日テレNEWS NNN
KOZUKA YOSHIHIROADK/SCHEMA クリエイティブ・テクノロジスト
最悪の結末になってしまいました。ご冥福をお祈りします。詳しい事情はわかりませんが、個人の作家さんと仕事をするときは細心の注意が必要だと感じます。 ❶個人創作とチーム創作の違い 小説家/漫画家と、脚本家/劇作家/映画監督などは、まず創作スタイルが違います。小説家や漫画家は個人創作に近く、脳内にあるイマジネーションをいかに紙面に自由に表現するかが創作の軸にあります。 脚本家/劇作家などは、チーム制作における制約条件に対してパズルを埋めていくような創作スタイルになります。各話の尺、予算とスケジュール、ロケ回数やセットの制約、キャストのイメージや事務所の要望(この俳優は何話まで活躍させる等)などの制約を掻い潜りつつ、面白い作品を仕上げるのが仕事です。 ❷目指しているゴールの違い 小説や漫画などは、自分で作品を完成させることができるジャンルです。このときゴールは、自分の納得のいく作品で、ファンの方に喜んでもらうことか思います。販売部数や視聴率を多少犠牲にしても、自分のクリエイターとしての個性や爪痕を残すことを優先することが作家としての矜持になり得ます。 チーム創作では、ビジネス(受託仕事)の比率が増えます。たとえば脚本家がお金をもらって案件受託するとき、当然ビジネスゴールがあります。ドラマなら視聴率を取る、話題になる、キャスト陣のポテンシャルを引き出すなどのゴールがあるでしょう。これらを最大化するために創作するのが、ビジネスとしてのドラマ脚本家のゴールです。だから、原作ファンに酷評されても、視聴率が取れれば次の仕事が来るでしょう。小説や漫画を読む層と、アニメやドラマを観る層は異なるので、後者に好評な創作ができれば次の打席は回ってきます。 ❸異なるゴールのすり合わせが制作サイドの仕事 小説や漫画などを、アニメやドラマや映画などのチーム制作にする場合に、両者を、踏まえた企画プロデュースや進行ディレクションが必要です。 自分は広告屋ですが、クライアント企業の依頼で作家や漫画家に仕事をお願いして、企業の修正の多さに作家さんが降板された経験もあります。逆に降板した方がいいときもあります。 今回、日テレと小学館(原作者の代理ならば折れてはいけない局面があるはず)の制作過程の検証が必要でしょう。二度とこのような悲劇が起きないことを祈ります。
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