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【藤原和博】「100万分の1」を生み出す、レゴ型人材とは
NewsPicks編集部
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
今、私は山梨県教委と組んで、知事特別顧問として同県の中等教育の改革に取り組んでいます。  和田中改革当時の文科省のカウンターパートが山梨県教育庁の次長に就任したからです。中学高校での30回の公開授業、教頭や指導主事の研修、PTAへの講演、そして「よのなか科」を実践できるマスターティーチャーの育成など。    1校で3回の「よのなか科」授業をやるのですが、1回目「10年後、君に仕事はあるのか?」、2回目「ハンバーガー店の店長になってみよう!〜マクドナルドからプロのゲスト登場)、3回目「商売繁盛の方程式を作ろう!〜流行る店の要因を付箋紙を使って分類し分析する手法」と教え、中高生は大喜びで学びます。  その際、GIGAスクール構想でばら撒かれた端末も使います。  実は、タブレットや簡易パソコンはこのまま放っておくと、教員が一方的に教える「一斉授業」がただ単に「デジタル一斉授業」に変わるだけで、学校教育が抜本的に変わる役には立ちません。  なぜなら、ほとんどの教員はこれらの端末が教科書の代わりか、Webで写真や動画を見せられるインプットの道具だとしか思っていないからです。  児童生徒から教員への情報の逆流そこがICT化の肝だと気づかないのです。  私の使い方は違います。  高校生の場合は個人のスマホを教室に持ち込んで学校WiFiに繋げ、アウトプット(発信)端末として使います。タブレットやPCもある場合はそちらをインプット端末として併用します。  山梨県では他県の例に漏れず、マイクロソフトとの包括契約をしていましたが、生徒のスマホの使い勝手を上げるために、一条高校でも活躍した「Cラーニング」を入れて、生徒がスマホから発言した意見や質問や授業に対する評価を、無記名でスクリーンに表示できるようにしています。  これをやると格段に生徒からの発言が活発になり、皆がこぞって自分の考えやアイディアを発言してきます。「わかる人、手をあげて?」は前時代のやり方で、正解がわかった生徒だけを評価するジグソーパズル型授業の典型だといえます。  レゴ型人材を育てるには、徹底的に生徒の意見や考えを問いかけていくスマホを使ったアクティブラーニング型授業への転換が必要なのです。  公開授業ですので、参加したい人は山梨県教委にお問い合わせください。
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藤原和博氏が就活生に伝授!本当に良い会社を見極めるための5つの指標
Diamond Online
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
ジグソーパズル型とレゴ型のメタファーが評価されているようですね。ありがとうございます!  これは、正解主義型のゲームに強い日本のビジネスパーソンが、世界観そのものを作り出すような修正主義型のクリエイティブなゲームに弱いことも意味します。  日本にGAFAMのようなプラットフォーマーが現れなかったように。  さらに深堀りして、教育論も含めてこの対比に興味のある方は、以下の「朝礼だけの学校」で提供している「目覚まし朝礼」の動画をご覧ください。 情報処理力(ジグソーパズル型学力)と情報編集力(レゴ型学力)について 朝礼6-5-45 わかりやすく話す最強の武器は「たとえ話」(比喩)だ! https://www.youtube.com/watch?v=e-s-KsTdVtg&t=540s 朝礼0-0-46 言葉なしでプレゼンする(非言語コミュニケーション)って? https://www.youtube.com/watch?v=suf6zqLNc6I&t=9s 『10年後、君に仕事はあるのか?』より 朝礼5-3-36 AI社会でなくなる仕事を「生きる力の逆三角形」の図で見極める https://www.youtube.com/watch?v=--dEvIXu3AI 『本を読む人だけが手にするもの』より 朝礼11-3-78 本を読む=作家の「脳のカケラ」をレゴのようにはめること https://www.youtube.com/watch?v=EVJbKBTqqxA&t=1074s  情報編集力(レゴ型の問題解決能力/正解のない問題に対して自分なりの仮説を出し、協働して納得できる仮説=納得解を創り出し、無限に修正して実現させる力)は、10歳くらいまでにどれほど納得いくまで遊んだかがベースになります。  大人になってからは、処理仕事をたくさんやれば「情報処理力」は容易に付くけれど、「情報編集力」を付けるには思考・判断・表現の場数を踏む必要がある。  興味があったら「朝礼だけの学校」に入学して、ほぼ毎日出される「お題」に自分なりの納得解を出し、投稿してきてください。  「朝礼だけの学校」は、すべての生徒が先生になるユニークなオンライン上の寺子屋です。https://chorei.jp/
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【藤原和博】対話を通して「情報編集力」を鍛え、「稼げる大人」になろう
NewsPicks NewSchool
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
コロナとAIロボット化がビジネスパーソンの稼ぎの格差を圧倒的に広げる引導を渡したと感じるのは、私だけではないでしょう。 従来型の「情報処理力」(正解を早く正確に当てる力、基礎学力に近い)に頼って仕事を次々に片付けてきたビジネスパーソンは、ホワイトカラーの事務処理業務がやがて消えていくことにまだ気付いていないかもしれません。 しかし、意見のない人材、アイディアを生み出さない人材は、Zoomでの会議でも発言にインパクトがなかったはずです。仕事の処理が早いだけのリーダーや調整型の課長はその使命を終えつつあるのです。いっぽうで、コロナ下でもパワーを増しているように見える人もいますが、その差はなんなんでしょう?・・・ 「情報処理型」リーダーの口癖と思考パターン - 会社の方針が悪い - もっと明確に指示を出してもらいたい - 政府は何をやってるんだ! - 売り上げの減少はコロナのせいで、私のせいじゃない - ワクチンが行き渡れば、お客は戻ってくるだろう  こういう人には、もう現場から去ってもらいましょう。 「情報編集力」が強いリーダーの柔らかい思考 - コロナで在宅勤務が増えたことをチャンスに変えよう - リモートワークのストレスは転居して環境を変えれば強みにできる - 自分の仮説は「正解」ではないので、若手からもっと知恵のある仮説を募ろう - 自分が納得しかつ関わる他者(お客様とその関係者)も納得する「納得解」は? - 修正していけばいいんだ。まず、やってみてから無限に修正していこう! 後者のリーダーは、以下のような実際のケースの問題解決が可能なはずです。 - お掃除ロボの次世代機種にどんな機能を搭載すれば、もっと面白くなるか? - 白い色が常識・前例の商品は多いが黒にしたら圧倒的に付加価値が上がるのは? - 世の中になかったペットボトル飲料を発想してみよう。どんなアイディアがある? - かき氷は通常皿を持ってスプーンで食べるが、片手だけで食べられる食べ方は? - 初めての人に名刺を出さずに自分のキャラを賢くプレゼンして印象に残すには?  本講座では、こういう「アタマの柔らかさ」を鍛えます。  まず自分でやってみて、ついで息子や娘に伝えてみてください。アタマが良い子とは、処理と編集のバランスの良い子のこと。大人も同じですよね(笑)。
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【募集中】ウェルビーイング、SaaS、ESG、ミッション経営、事業計画とKPI、情報編集力など16プロジェクト
NewsPicks NewSchool
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
アタマの回転が速く(情報処理力が高く)、アタマが柔らかい(情報編集力が高く発想が豊かな)子のことを「頭のいい子」と呼びます。大人も同じですよね。  アタマの回転の速さは概ね「基礎学力」に連動しますから、勉強をして進学塾に突っ込んでおけば、仕事をテキパキとこなす処理力は育てられるでしょう。  でも、処理型の仕事(例えば、ホワイトカラーの綺麗な事務処理業務)の大半は、どんなに上手になっても、やがてAIロボットに取って代わられます。  いっぽう、アタマの柔らかさを鍛える方法はあるのでしょうか?  情報編集力はいかにして高まるのかと同じ意味なのですが、私は次の5つのリテラシーがイマジネーション豊かな柔らか頭には必須だと考えています。 (1)コミュニケーション・リテラシー、(2)ロジカルシンキング・リテラシー、(3)シミュレーション・リテラシー、(4)ロールプレイ・リテラシー、(5)プレゼンテーション・リテラシー    この5つを眺めて気付く人は気づくと思うのですが、全部ゲームで使用する言葉遣いに近いですよね。そう、「情報編集力」は「遊び」の世界で揉まれながら身につけるものなんです。  「情報処理力」は予定調和の勉強で身につく力であるのに対して、「情報編集力」は予定不調和な「遊び」を通して、想定外の事柄や二律背反な事象に対して思考し判断する経験の中で育まれます。  だから、遊んでる子は強いし、遊び心のある大人は危機にも強い。  3つのキャリアの大三角形を作って自分自身の希少性と付加価値を高めるにも、3つ目の掛け算で発揮される「情報編集力」が鍵になります。  私の場合には、30代までにリクルートで鍛えた「営業とプレゼンのスキル」と「マネジメント技術」があったのですが、そこに、東京都では義務教育初の民間校長の経験が掛け算されてノンプロフィット組織でも通用することが証明されたことで100万人に1人の希少性が生まれました。「掛け算の妙」なのです。  オンライン講座ではこのことをアクティブ・ラーニング手法で理解していただきます。また、お子さんのいる参加者は、のちに同じワークを息子や娘とやってみるのもいいでしょう。さらに銀座のスクールでの生のQ&Aコーナーも用意します。  どうぞ、家族でクリエイティブに「情報編集力」を鍛えてください!
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【藤原和博】「背負える」キャリーケースで作る新しい常識
NewsPicks編集部
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
今回の連載6回と前回5月の連載を合わせてポプラ社から『革命はいつもたった1人から始まる』が12月7日の週に発売されます。  この本と、12月の同じ週に発売される復刻版『処生術~自分らしく生きる方法』(ちくま文庫・藤原和博「人生の教科書」コレクション第4弾)を教科書に、2021年1月からプレスクールを始め、4月にはサブスク型の新しい学校を開校します。  藤原校長がネット上に開校する学校は「朝礼だけの学校(あさがく)」。  先行して、来週11月27日からほぼ毎朝6:54始まりで5分間、YouTubeで「目覚まし朝礼」を行います。  これはミニよのなか科のノリで、皆さんの「情報編集力」を鍛えるもの。  ログを取りますから、必ずしも生放送を観る必要はありません。ご安心を!  11月27日(金)はまず予告編(試験放送)ですから「朝礼だけの学校(あさがく)」って何?を語ります。   「朝礼だけの学校(あさがく)」は、あなたの人生に伴奏するこんな学校です。 1)学校では教えない、親も教えてくれない、会社に入っても上司に聞くわけにはいかない、よのなかの道理や処生術について、大人も子どももなく教えちゃう。 2)とにかく「情報編集力」がつく。超アナログに、遊び心で。 3)土日は不定期だが、藤原和博の部屋(校長室?)にあるもの(ガジェット)を題材に、親子や上司部下、そして先生と児童生徒がディベートやブレストできる題材を豊富に提供する。  興味があるNewsPicksの読者は、まあ、いっぺんご覧ください。  28日(土)は、漢字って面白い!「月(にくづき)」で新しい漢字を捜索しようをお題にするつもりです。学校の先生のネタにもなるでしょう。  29日(日)もやります。東京都に日本を象徴する新しい観光名所を作るとしたら、何をつくる?をあなたに問いかけます。親子で考えてみても楽しいですよ。  最初の100日間で私の85冊の本のエッセンスを5分ずつの細切れにして語るつもりです。そして、4月からは中高生は月500円、高校を卒業したらいくつになっても1000円の月謝で、この学校の運営費を賄います。  史上初、生徒がみな先生になる学校の登場にご期待ください!
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【藤原和博】隈研吾が「子どもたち」のために施したデザイン
NewsPicks編集部
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
クラウドファンディングで資金集めをする方法が普及してきたが、それでは4000万円を集めることは不可能だったと思う。  また、ふるさと納税の制度も使ったが、返礼品を当てにするような寄付は、学校の校舎を建て替えようとする趣旨に合わない。  だから、新講堂の座席のネーミングライツを一席につき5万円で売るというアイデアを思いついた。座席の背面の銘板に寄付者の名を刻むのだ。  卒業生にとっては、いつも自分の席が確保されているリザーブシートではないが、新講堂を訪ねて自分の名が卒業年度とともに刻まれている席を探すのは一種のエンターテインメントになる。在校生の息子や娘のためにプレゼントする親もいたし、逆に一条高校出身の親の還暦や喜寿のお祝いにもなると考えた。  どう募集したかは、一条高校のホームページに載せた「想い出の椅子(レガシーチェア)」募集のお知らせを見て欲しい。  http://www.naracity.ed.jp/ichijou-h/index.cfm/1,3618,31,html  最終的には1262人から2003万1468円集まり、目標だった隈さんの設計費1500万円を上回った。1262人が(在校生の高校生含めて)世界的建築家・隈研吾のパトロンになったことになる。  ふるさと納税を利用した寄付を含めると、総額4420万8473円に達した。  ようは、やるか、やらないか、なのだ。  転職や起業、結婚や家を建てることなど、すべてそうだと思う。  人間なんだから、どっちの決断をするにせよ、どうしたって後悔は残る。「するも後悔、しないも後悔」なのだ。完璧な成功なんてないし、はじめっから、その後何が起こるかを読みきれるわけがない。現に、コロナを予測した人はいなかった。  だったら、やって後悔した方がよくはないか。  少なくともその経験値が自分の「信用(クレジット)」レベルを高めるからだ。  「信用」とは、他者から与えられる信任の総量のこと。他者からの感情的な「共感」と理性的な「信頼」の関数だとも言える。  私はその意味で、「やってしまう」ことで自分自身の経験値を蓄積し「信用(クレジット)」を上げていくのが仕事と人生の本質だと考えている。
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【藤原和博】史上初、隈研吾が設計した「公立校の新講堂」
NewsPicks編集部
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
今回は、学校の講堂を建て替える話。  でも、この物語を読んで、「隈研吾が講堂を建てた」で終わってほしくはないのです。  大事なことは「なんで、公立校の校舎は皆、無表情で無味乾燥な形をしているのか」ということ。たいていが豆腐型の平々凡々さですよね。  それは、校長や教頭と教育委員会の「思考停止」を物語る証拠なんです。  まったく自分の頭で考えずに建設課に任せて基準に沿って建てている。  教室の大きさやスペックはまあ基準通りやっていいかもしれません。  でも、ちょっと工夫すれば、いくらでもその地域社会にとって魅力的な校舎は立つ。奈良・一条高校の新講堂(60年経って耐震基準から著しく外れていたものを改築)はその先例です。  隈研吾が設計したからといって建築費を盛っていないし、設計料も公共建築物基準よりも安い3%で引き受けてもらいました。  全国に3万数千校ある小学校、中学校、高校の体育館を含む10万棟の校舎も、思考停止を止めて、ちょっと考えれば、美しく環境に優しくなり、児童生徒の五感に訴えるものも建築可能だということを知ってください。  地元の若手の建築家に、あの昇降口と呼ばれる入り口(ファサード)部分だけでもデザインコンペでデザインさせれば、自分の地元の学校だったらやる気を出すでしょう。出身校ならなおさらじゃないかな。  それと、自分がお世話になった学校に恩返しする手段としては、いろいろあることも知ってもらいたい。東大の安田講堂とか福武ホールとか、丸ごと校舎を寄付するような篤志家しかできないことばかりじゃなく、地元の出身校に図書を寄付することだってできます。  小中学校なら3万円で価格の高い自然科学の本が10冊買えるし、30万円寄付したら「佐藤文庫」や「藤原文庫」のコーナーを作ってくれるでしょう。  300万円なら図書室の大改革が可能だし、高校なら3000万円出せばメディアセンターにあなたの名を冠せるかもしれませんよ。  校長がこれを嫌がるようなら、その校長は頭が硬いダメ校長。教頭に話してはダメです。教頭先生というのはたいてい、やれない理由を考える「正解至上主義」の鬼(今だったら「刃」かな)ですから(笑)。
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【藤原和博】学校制服のスマホ販売は、なぜ実現したのか
NewsPicks編集部
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
今回の原稿内では奈良・一条高校で私が実施した、よのなか科「制服問題を考える〜ディベートの基礎技術をつかむ」の短い授業動画が観られます。  https://www.youtube.com/watch?v=HTWBmxEdadg&feature=emb_logo  生徒たちは「制服とはなんだ?」なんて考えず、選べるわけでもなく、疑わずに着ているんですね。制服については通常、思考停止せざるをえない。  それを、あえて疑う。疑わせる授業です。「制服って本当にいるの?」から複眼思考(クリティカルシンキング)してディベートさせました。  「いらないんじゃあないか、自分で毎日着るものを選んだほうが自立心が育つ」という意見もあれば、「それでは経済的に厳しい子は大変だし、差がついてしまう」という意見もある。教員は「高校生は勉強が本業なんだから、あまり余計なことに気を使ってほしくない」とも言うでしょう。それらをぶつけていきました。  一条高校の場合は60年以上変えなかったんですから、大変です(苦笑)。    もう一つ、注目して欲しいのは「スーパースマートスクール」化していたからできたというポイント。一条高校は、生徒が普段使用している自分のスマホをBYOD(Bring Your Own Device)で持ってこさせてWiFiにつなぎ、授業中にも徹底活用する世界初の試みをしていました。  従来のように生徒に手を挙げさせて発言を促すのではなく、生徒が意見や質問をスマホに打ち込んで送信すると教員のタブレット端末に集約される仕組みで、これで授業が画期的に変わります。画面を前方スクリーンに映せば、クラス全体でみんなの意見が共有できる。  基本的に無記名で意見や質問の聴取にも授業評価にも使えるから「わかる人、意見のある人、手を挙げなさい!」とやるよりよっぽど授業が活性化するわけです。  この「スーパースマートスクール」のチャレンジは、東京の都立高でもすでに始まっていて、2021年春からは都立富士高校・中学校(野村公郎校長)が中学からスマホを学習に徹底利用すると宣言しています。  中高一貫化を決めた一条高校ともまず英語の授業で連携が始まっているので、来年から徹底的に富士中高一貫校に肩入れするつもりです。  実は私、世田谷区立ではありますが富士中学校出身なので、擬似OBのノリで(爆笑)。
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【藤原和博】私が「学校制服」を改革した方法
NewsPicks編集部
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
NewsPicksの読者の中にも、制服を着る学校に息子や娘を通わせている父親、母親がいらっしゃると思います。  とにかく知って欲しいのは、学校制服は既製服であって、楽天やアマゾンやヤフーやZOZOで買う服と同じだということ。オーダーメイドではないんです。  たいていの校長や先生や教育委員会も、この事実は知らないんですよ。  だから、スマホから受発注できるようにして卸・小売を中抜きし直販にすれば価格は1~2割下がるはずだし、その方がコロナ下での「入学直前の慌ただしい採寸と万単位の現金の授受」という悪習もなくなり新しい生活様式に移行できるのです。  この物語は、奈良・一条高校で私がどういう発想で「制服のスマホ直販」に切り替えたかのドキュメントですが、こうした悪習が残っているのは「制服」市場に限らないでしょうね。  コロナがむしろ後押しする形で、このシステムの構築に日本初で取り組んだ業界4位の瀧本に問い合わせが殺到しているのは、嬉しい誤算でした。  ちなみに、銀座・泰明小学校が導入した8万円を超えるアルマーニ制服も、百貨店が介在するから高くなるわけで、実は瀧本にOEM生産させているのだと知った時には驚き、ちょっと呆れました。
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【藤原和博】僕らがSNSから自由であるための「幸福論」
NewsPicks編集部
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
人生というのは、1日の中で起きている時間を16時間強とすると1年で約6000時間、生まれてから100歳までなら60万時間のことをいいます。  もし、30歳の読者が80歳くらいまでのこれからの人生をイメージするなら、30万時間をどうするかの選択だということ。  わかっていても、なかなかその「時間割」を自分のイニシャチブでマネジメント仕切るのは難しいものです。  今回の連載は、最後に書いた以下のメッセージがメインテーマ。  『1割の「バカげたこと」があなたの人生に彩りを添え、家族や友人やコミュニティの仲間との話題に事欠かない物語を紡ぐ糸になる。そして、人間と人間の関係の中で紡がれる豊かな物語の増殖こそが、幸福感の源泉に。その意味で、この連載は、新世代のための「幸福論」を提案してもいるのです。』  5月のNewsPicksでの連載と今回の連載をまとめた『革命はいつも、たった一人から始まる』(ポプラ社から12月初旬発売予定)は思考法の本ですが、12月中旬発売予定の私のデビュー作の復刻版『処生術〜自分らしく生きる方法』(ちくま文庫の藤原和博「人生の教科書」ベストセラーコレクション)と合わせて読んでいただくと、私が提案する新世代のための「幸福論」をより感じ取っていただけるでしょう。  やっぱり、時間の使い方が肝ですからね。  自分の「時間割」をできるだけ組織(学校や会社)の時間割感覚から分離しましょう。ときにはスマホからも自由になって、自分の人生のオーナー感覚を取り戻すことが、ここで指摘した「中心化」(みなが似通ってきてしまうこと)から逃れる唯一の道だと思うからです。
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【高校生記者】「グレタ世代」の僕が、気候変動を考えた
NewsPicks編集部
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
良い対談でした。 『今は、やろうと思ったときに「自分が損するんじゃないか」というところでせめぎ合っているので、なかなかコンセンサスが取れない。  けれど、「もうこれ、できそうだし、やるしかないよな」「自分も損しそうじゃないな」というふうに、もしみんなが思ったら、一気にそちらの方向にいくんだと思うんですよね。』・・・これ、現世御利益の(自分が得をするかどうかを第一義にする)日本教と、正解至上主義の学校教育と、世間がつくる空気を神様とする風習が支配するこの国で、やれるのかなあ?  これ、本音だと思うんですよね。 『彼女らの主張は理解しつつも、「本当にそんなこと思ってるの?」「大人を批判できるほど現状を理解しているのか?」などという疑問が自分の頭の中で渦巻いていました。』・・・普通の高校生はそう感じると思います。  さあ、本当に超えていけるのか?  思想の変容という大げさなものではなく、ちょっとした行動の連鎖でしょうね。無謀にも、自分の奥深くに眠る「狂気」を発動して誰がやっちゃえるか。誰が(組織の論理ではなく)個人的にそれを(考えずに)思わずフォローしちゃうか・・・。  それでも、今の中高生に期待する私がいます(苦笑)。
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【藤原和博】プログラミングが養う、人生100年時代を「生きるチカラ」
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
向き、不向きはあると思う。  私自身は大学時代の授業で「簡単な問題を自分で設定してパンチカードに打ち込み、大学の計算機センターでプログラムを走らせてその問題を解け」という宿題をやらされた。パンチカード時代である(笑)。そのときの問題は「同じクラスの同級生が何人以上いれば、同じ誕生日の人がいる確率が50%以上になるか」という他愛もないものだった。20数人とか、案外少なかったことを覚えている。  結局、私は向いていなかった。だから、今でもIT系の諸活動ではその道のプロとタッグを組んでいる。  小学校からプログラミング教育を必修とする必要があるかないかについても、意見は分かれるだろう。向き、不向きがあるからだ。  それでも、私がひょっとすると有効かもしれないと思うのは、日本語というリテラシーや英語というリテラシーより、コンピュータ言語のリテラシーの方が話しやすい子もいる可能性があるからだ。ビル・ゲイツもそうだと言っているように、ちょっと昔でいうアスペルガー系の軽度発達障害のある子(現在は自閉症スペクトラム)の一部に、プログラミングという言語を獲得することで天才化するケースがあることが知られている。一条高校での実践でも短期間に進化する子がいた。  ただし、プログラミング言語もコンピュータを動かす道具にすぎないし、それ自体を目的化して語るのはどうかと思う。  そこで本文では、私がこれからの世の中を動かすのに必須の力として以前から指摘している「情報編集力」(正解のない課題について、自ら仮説を出し、試行錯誤しながら納得できる仮説=納得解を創造する力)について解説した。  その構成要素は以下の5つのリテラシーだ。 (1)コミュニケーション(異なる考えを持つ他者と交流しながら自分を成長させる技術) (2)ロジック(常識や前例を疑いながら柔らかく"複眼思考"する技術) (3)シミュレーション(頭の中でモデルを描き試行錯誤しながら類推する技術) (4)ロールプレイ(他者の立場になり考えや思いを想像する技術) (5)プレゼンテーション(相手とアイディアを共有するための表現技術)  書籍を乱読することで(1)や(4)が鍛えられるが、おそらくプログラミングの学習では(2)と(3)が鍛えられる。  (5)のプレゼン技術については(1)から(4)の総合芸術だと思う。
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【藤原和博×鎌田浩毅】ポストコロナ時代は、「分散」がキーワード
NewsPicksアカデミア
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
分散せよ!〜バラバラの気持ち悪さに慣れよう  この対談の結論は「(みんな一緒の方にいかないで)分散しながら、それぞれ一人一人が自分の希少性を磨く道へ行こう」ということ。  そのためには、みんな一緒の安心感から逃れる「狂気」が必要だ。  勇気とか無謀さといってもいいのだが、やっぱり対談した京都が内在的に持っている「狂気」という言葉が似合う。その意味ではこの対談は、5月5日子どもの日に載せた「狂気のすすめ」の延長にある。  https://newspicks.com/news/4863610/body/?ref=search  お叱りを受けるのを覚悟で言うが、私個人はほぼ100%の人がマスクをして通勤している姿に違和感がある。もっと違和感があるのは、初対面で挨拶するときにマスクを取らないマナーの人。さらに言えば、ジョギング中やテニスコートやゴルフ場のようなオープンエアーでは、もっと「なんで?」という疑問が生じる。  鎌田先生は最後に2030年代に起こりうる危機として「南海トラフ地震が起こり、もしかすると活火山である富士山が300年ぶりに噴火する」可能性を指摘する。  コロナ災禍に加えてここでも、日本という国と日本人が生き残れるかどうかは、どれほど分散して学び、仕事し、人生しているかが鍵になる。  過度に集中していると、全滅する可能性が高くなってしまうからだ。  工業社会の論理であった集中して効率化するという、みんな一緒だから安心できるし気持ちいい流れから脱し、コロナ後の情報社会では、ちょっと寂しいし恐怖もあるが「分散せよ!」が合言葉だ。  そのためには「バラバラ」の気持ち悪さに慣れる必要がある。  ついに、文科省も高校だけでなく中学へのスマホの持ち込みを認める。  端末というとすぐパソコンやタブレットのことだと勘違いして学校に1人1台のPCをとかいうのだが、スマホをBYOD(Bring Your Own Device)すればいい。  まずはコロナ対応や防犯面から導入されるが、やがて一条高校でやって見せたように、授業中の意見の表明や授業評価に使われるようになるだろう。  なにより、先生たちがこの気持ち悪さに慣れる必要があるのだ。  「バラバラ」の対極にある「みんな一緒のカルチャーの殿堂である学校」をどう開いていくのか、スマホの持ち込みが鍵になる。
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【藤原和博×鎌田浩毅】 真に必要とされる「学び」の正体
NewsPicksアカデミア
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
今回はNewsPicksの依頼で、まだ外出制限がかかる中、スカスカの新幹線に乗って京都に行き、京大の鎌田浩毅教授と語ってきました。  鎌田さんは同世代で、私の著作がタイトルに使われ後に人気番組となった「世界一受けたい授業」にも出演するユニークな先生だからです。  ここで、私は京都の象徴として3点挙げています。「伝統を受け継ぎながら普通の街と共存する祇園」「ノーベル賞級研究者を輩出し続ける京大」「花札販売から世界的優良企業に育った任天堂」・・・いずれも、圧倒的な「遊び」の蓄積がある中から生み出された文化だからです。  「遊び」の裏付けがない「学び」は表面的で脆く、剥がれやすい。  そして、それを体現する京都的な人物として私は、京セラの稲盛さんではなく、ノーベル賞の学者でもなく、知事や市長でもない3人の人物を挙げました。  まず童夢の林みのるさん。スーパーカーのデザインで世界的に有名です。  http://www.dome.co.jp/index.html  20代の時に風動実験室とゴルフコースと釣りもできる川が流れる本社を訪ね、衝撃を受けました。ジョージ・ルーカスやグーグルが遊び満載の本社を作るはるか前のことです。  次は、画家のキーヤンこと、木村英輝さん。沢田研二さんとも交流のある(高校の先輩?)元ロックミュージシャンで60歳から画家としてデビューした人物。  https://ki-yan.com/category/works-article  東京に住んでる人も、日本橋高島屋の包み紙や車内吊り広告のデザインも彼だったから、一度は見たことあるんじゃあないかな。  最後は、自然の造形美を伝える「ウサギノネドコ」のご主人で吉村紘一さん。  4センチ角ぐらいの透明なアクリルのキューブに時間をかけてタンポポの綿や桜を封じ込め、宙に浮かせた「Sola cube」が美しい!  https://usaginonedoko.net/products/solacube/concept/  京都の店は女子高生に人気ですが、東京にも出店しました。  正直言って私は、一条高校の校長として2年間父母と暮らした奈良の方が京都より好きだし、寺社仏閣では興福寺の五重塔、仏像では興福寺の八部衆のうち一体だけ頭部しかない「五部浄」が最高だと思っているのですが・・・(笑)。
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【藤原和博:1.7万字】本当に必要な教育改革と、3つのオンライン運用法
NewsPicks編集部
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
学校は3分の1を占める50代のベテラン教員の引退、児童生徒の学力のフタコブラクダ化で指導力が落ちている。20代の教員を大量にとっているのだが、武器が必要だ。だから、コロナ以前から私はオンラインの本格導入を訴えてきた。  第3回はその運用の具体策を提案する。  まず「教えるのが上手なビデオ授業は、下手な先生の生の授業に優る」という現実を見つめなければいけない。多くの教員にとっては屈辱だろう。だから、オンライン授業の導入を阻害する最大の要因は、教員のプライドなのである。  でも、若手の先生なら、得意な国語と社会は自分でやるが、算数と理科については、その単元を教える「最高の先生」のビデオを見ながら、自分がファシリテートしていけばいいと考える。世代交代の今がチャンスなのだ。  やがてネット上で、その教科のその単元を教えるのに最もやさしく、楽しく、効果的な教え方をする「スター誕生!」番組も現れるだろう。  前田裕二さんの「ショールーム」の授業バージョンだ。  教室で、前面のスクリーンに「最高の先生」が登場し、担任教諭が児童生徒と同じように座ってそれを観ながら勉強する姿は当分の間は違和感があるだろう。  でも、あまり気づかないメリットもある。  一つは、ビデオなので先生が止めたり、繰り返したりできる点だ。  同じ教材を、同じ教員が、同じスピードで学ばせる一斉授業は、できない子、理解が遅い子にとってはもはや「虐待」以外の何物でもない。  分かりにくい小学校3年の分数や小数、図形の授業ではこのメリットが生きる。  もう一つは、オンラインにした途端に、それはデジタルの補助教材になるから、ビデオで教える先生はとくに教員免許を必要としないという点だ。  塾や予備校で人気の名物教員でも、教員免許を持っていない人は多い。この特徴を生かしきれば、ネット上のあらゆる分野で「最高の先生」を探すことが可能だ。  「ごんぎつね」を読むのが最高に上手な先生は、国語の先生に限らず、じつは山形県の田舎に住んでいるおばあちゃんだったり・・・一億総先生化運動なのだ。  最後に、よく学校でビデオで勉強するようになるとヒューマンタッチが薄れると心配される向きもある。逆だ。知識の伝達をビデオに任せることで、先生にはより人間しかできない動きをする余裕が生まれる。  学校を人間ドラマの生まれる場に戻そう!
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【藤原和博】学校とは何か?先生とは何か?
NewsPicks編集部
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
学校へ行けない今こそ親子で考えて欲しいのが今回のテーマ「学校って何?」。  思い切って、親の方から「学校なんて、いらないんじゃね?」とお子さんに尋ねてみてください。さてさてどんな答えが返ってくるのか・・・(笑)。  日本の社会は、敗戦からしばらくは戦勝国アメリカの豊かさに憧れ、「アメリカンライフ」というミッキーとミニーちゃんのような絵柄を完成させるべく、ジグソーパズルを埋めるのに必死だった。モデルを真似して正しい位置にいち早くピースをはめていけば先進国に追いつける正解至上主義のゲーム。  だから日本の学校システムは「一斉」授業で効率的に「早く、ちゃんとできるいい子」を増産し、産業界に大量に処理能力の高いホワイトカラーとブルーカラーを送り込む役割を果たしてきました。  ところが、80年代にはこのキャッチアップが完了して、2000年代から日本独自の世界観、すなわち絵柄が必要になったのに、政治家も官僚も誰も新しい絵柄を描けなかった。これが、その後20年以上続く停滞の原因です。  本当は、ピースを組み合わせて絵柄を次々と変えていけるレゴブロックのような考え方が必要でした。個人がもっとイマジネーションを発揮して、国や会社から押し付けられた夢の実現ではなく、独自に人生観や世界観を編集していく姿です。    だから、学校教育もそろそろ変わっていい。  知識を先生から児童生徒に伝えるのに効率的だとされてきた、黒板+教科書+机と椅子を使って教室で一方的に教える「一斉」授業から、オンラインによって「バラバラ」な児童生徒をつなぐ分散授業へ。  自宅に軟禁された状態であっても、ネットの向こうに自分に合った恩師が見つかれば、学校という閉ざされた空間で偶然決まった担任に基礎学力や人生そのものを左右されるリスクは減るはず。  N校のようなフリースクールが人気を博しているように、人生の目標を絞っている子や不登校の子がすでに取り組んでいる勉強のスタイルです。  一方、私が教室でも可能な当面の理想の姿と思うのは、生徒固有のスマホをWiFiにつないで常時接続し授業を受けるスタイル。これは、第3回で詳述しますね。  これだと、目の前の先生がチャップい授業をしていたら、生徒はその場でさっさとスマホの向こうにベストな先生を見つけ、同じ単元の同じ箇所をもっと楽しく学ぶようになるでしょうね(苦笑)。
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【藤原和博】9月入学は東大のみ実施せよ。高校以下には不要
NewsPicks編集部
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
学校教育もそろそろ変わっていいと誰もが考えているでしょうが、「9月入学への移行」では実質は何も変わりません。  旧態然とした授業が半年伸びるだけ。  この半年間にオンラインが普及したとしても、動画に載るのは「黒板をバックに従来型の授業を繰り返す学校の先生の姿」か「あまり加工度が高くないパワポをひたすら読み上げる電子紙芝居型」で埋め尽くされることになるでしょう。  もう、それが始まっていますからね(苦笑)。  「遅れを取り戻す」あるいは「コロナ世代の入試で泣かせない」という響きの良い言葉とともに半年の先送りをやったら、子どもたちはかえって不幸になる。  この論考では、もっと本質的な学校改革の姿を掘り下げていこうと思います。  まず1回目は「9月入学完全移行は、2011年頃言い出しっぺの東大からどうぞ」という提言です。2022年の成人が18歳に降りてくるタイミングでいいでしょう。  「9月入学」論者が言うように、本当に留学生がインバウンド、アウトバウンドともに増えるのか、検証してから他大学の追従について検討すればいい。なお、秋入学も実施してる大学はすでに数十校ある現実もあります。  高校以下を揃えるメリットは、目下のところはありません。  すると3月の高校卒業と9月の大学入学の間に「ギャップ・ターム」が生まれる。  これが、日本の学校文化である「正解主義」「前例主義」「事なかれ主義」に染まり、叱られないように生きるのが染み付いて自己肯定感を傷つけられた受験生を癒し、成人として「人生を考える時間」を大学入学前に与える可能性があります。  ジグソーパズルのピースが1つでもはまらないと苛立つ「正解至上主義」は、どこかで打ち砕かれないと柔らかな思考で人生を切り拓くことはできません。  半年間の「ギャップ・ターム」に被災地や途上国でボランティアしたり、職人や師匠に入門したり、YouTube大学でダンスやプログラミングや宇宙開発の恩師を見つけられれば、日本社会に揺らぎと潤いをもたらす可能性があるということ。  大学に合格してから「ギャップ・ターム」に人生のベクトルを発見しちゃった18歳は、もしかしたら、だったら大学なんか行かなくてもいいじゃん、と気づいてしまうかもしれませんね(微笑)。  和田中出身でアフリカで活躍している牧浦ドガくんはそんな感じでした。
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キングコング西野さんとの「ラオス小学校」建設物語
NewsPicks編集部
藤原 和博元リクルート 元杉並区立和田中学校校長
5月5日子供の日から始まった「狂気のすすめ〜イノベーションとは何だろう?」の最終回です。読んでいただき、ありがとうございました!  最終回には、2つのポイントがあります。  一つは、キングコング西野亮廣さんとラオスの「ララ小学校」を建設した経緯。半分ずつお金を出しましたが、建つとすぐに国が養成した教員が派遣され、公立学校として学業が始まります。  中に配した写真のうち、私がラオスの宿泊地の横に流れる渓流で撮った西野さんのターザン状態の写真は初公開。iPhoneのパノラマモードの傑作です(笑)。  もう一つは、この物語をともに紡いだアジア教育友好協会(AEFA)の谷川洋さんのライフヒストリー。  私は講演や研修会、NewsPicksでもYouTubeでも「100万人に1人の希少性ある人材になって、人生を豊かに生きよう」と訴えていますが、谷川さんは間違いなくそれを実現している人物。  でも、丸紅のサラリーマンであった谷川さんが、奥様の病気の看病を優先して支店長としての昇進を断ってから次の人生が開けた事実はあまり語られていません。  90年、100年の人生であるならば、ホップ、ステップ、ジャンプとそれぞれに1万時間の練習量を経て100分の1の存在になることを三回掛け合わせれば、100万分の1の、オリンピックのメダリストと同じレアな存在になれます。  サラリーマンがそれまでの営業や経理分野での蓄積をもとに、60代からジャンプしても十分に間に合うということ。それを谷川さんの人生は証明しているのです。  結局、谷川さんは2019年までに、ベトナムやラオスを中心に学校を304校建てました。日本のファウンダーから集めたお金は、全部で12億円余りに達します。  しかも、大企業からの寄付はほとんどないらしい。CSR(企業の社会的責任)は気にするものの、寄付することで社名が大きく取り上げられたり、メディアで取り上げられるものに流れるきらいがあって、小さなNPOには冷たかった、と。  もし読者に「よし、自分も1校、ラオスの学校の創立者(ファウンダー)になってやろうか!」という「狂気」が芽生えたら遠慮なくAEFAにアクセスしてください。  http://www.nippon-aefa.org
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