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NY、ワクチンで観光誘致 市長発表、州承認は不透明
共同通信
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
ニューヨーク市内では、すでに57%が1回接種を終え、43%が2回接種(ないしはJ&Jの1回接種)を終えています。 ワクチン接種の課題は、すでにワクチン供給の問題から、どうやってより多くの人に広げるかに切り替わっています。野球場で観戦客にワクチンを提供したり、ワクチン接種でビールを無料にしたり、予約なしですぐにワクチンが受けられる会場を開設したりといった取り組みが行われています。 市長の会見は「ワクチンで観光誘致」というよりは、観光誘致とともに未接種の観光客にはワクチンを広げるというニュアンスに聞こえましたが、「ワクチンで観光誘致」というフレーズもあったのかもしれません。仮にそう言っていたのだとしたら、「集団免疫が完成した」と満足に言えるほどにはまだ予防接種が広がっていないことから、科学的に安全な策とは言えません。 ただ、観光客が増加する中で感染者数が急速に減少しているのも確かですから、過去の感染も合わせて集団免疫に近い状態に達しているのかもしれないという楽観視もできるのかもしれません。 しかしそれは、今後の経過を見ないとまだ何とも言えない状況と思います。
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NY観光業、復活の胎動=市も巨額支援で後押し
時事通信社
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
ミュージカルのシアターが集まる、私の住むマンハッタンでは、いよいよ今週に入り1日の陽性者数は100人台にまで減少し、検査の陽性率も1%を下回り続けています。 1ヶ月前には1日あたり600人ほどでしたが、そこから対策を強化して減少したのではありません。規制緩和した中での減少というのがポイントです。 飲食店を再開し、国内旅行者も増加傾向にある中でのこの数字で、観光業が楽観的になるのは自然だと思います。 ロックダウンなどによる一時的な改善とは異なり、ワクチンによる集団免疫の獲得は、持続的な改善の可能性を与えてくれます。経済活動の本格的な再開にはもはや必須の要件とも言えるでしょう。 ニューヨークもまだ集団免疫の獲得と言えるほどにはワクチン接種が広がっていませんが、過去の感染者の多さも相まっての結果なのかもしれません。規制緩和により、今後どのような動向を示すのか、引き続き慎重な観察が必要ですが、少なくとも今のところは明るいニュースになっています。 Twitterでも定期的にニューヨークの様子を報告していますので、ご参考までにどうぞ。 https://twitter.com/yujiy0402/status/1390153813609357312?s=21
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NY市、7月1日に「全面再開」へ 市長「トンネルの先に光」
Reuters
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
この方向性に対しては、楽観と悲観が入り混じります。 現在使用されているワクチンは、既存の変異ウイルスに対しても一定の有効性を維持していると考えられ、変異ウイルスの存在を加味しても、ワクチン接種の広がりはコミュニティの安全性を高めていると考えられるでしょう。 しかし、全米で行われた調査によると、2回接種が必要なワクチンで、一回でも良いと考えている人が一定数いることが示唆されています。これをふまえると、一回目の接種率だけではまだ不安が残ります。 また、ワクチンの有効性がどこまで続くのか、ワクチンが感染伝播をどこまで抑制できるのか、不明確な点も残されており、市長が示すようなベストケースシナリオをたどれるかはまだはっきりとは分かりません。 ただ、イスラエルの先行事例が希望を与えてくれているとも言えるでしょう。ベストケースシナリオを辿れる可能性も多分に残されています。 いずれにせよ、検査の陽性者数、陽性率、入院患者数は規制緩和にも関わらず減少の一途を辿っており、マンハッタンの1日の陽性者数はついに100人代にまで減じました。 今後も慎重な観察が必要なものの、独立記念日前の「正常化」に向けて、希望が持てる状況だとは言えるでしょう。 引用文献: https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp2104527
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心臓病やがんの手術を停止 阪大病院で全ICUをコロナ病床に 「府はコロナを診てくれと言うだけ」
関西テレビ
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
ニューヨークの各大学病院でも、昨冬には同じことが起こっていました。コロナの病床を拡大するということは、何かを犠牲にするということです。新型コロナへのキャパシティを増やすことは、他へのキャパシティを減らすということです。 こちらニューヨークでの感染流行ピーク時は、全ての予定手術がキャンセルとなりました。手術後には一定の割合で集中治療室が必要になるからです。また、外科の医師もコロナの診療にあたる必要が出たからです。 結果として、一定数の治療の遅れを招いたことは否めず、2020年の死亡者数の内訳を見ると、コロナだけでなく、コロナ以外の病気の死亡も増加したと報告されています。 この状況を改善する「魔法」はなく、その解決策は言わずと知れた感染予防策に他なりません。その中でもワクチンが最も有効な対策の一つであることに疑いの余地はありませんが、残念ながらワクチンには即効性がありません。窮地のニューヨークを救ったのは、つらいことですが、リスクの高い行動を断つための様々な行動抑制策でした。店内飲食は長らく禁止でした。これらの対策には、ワクチンと異なり即効性があります。 大阪の状況は、多くの方が懸念していることと思います。しかし、一部の国や地域がそれを示してくれているように、即効性のある感染対策とワクチン普及を組み合わせることで、出口は必ず見えてくるとも思います。 引用文献: https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2778234
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ワクチン、治験待たずに許可 緊急使用へ22年にも法改正
日本経済新聞
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
タイトルは、語弊を生む表現であるように思います。 治験を待たずに医薬品を使用許可することは基本的にはできません。まして、ワクチンのように「予防」として健常な人にも広く使用をすすめるものでは、臨床試験による十分な安全性の確認のステップが必須です。 それは、記事にあるような「海外で使用した実績があれば国内の治験が終わっていなくても使用を認める仕組みを新たに設ける。」でもいけません。「使用実績」ではなく、「必要十分な臨床試験の実績」の有無を問わなければなりません。 今回のワクチン事例における課題は、必要十分な国際共同治験が行われたにも関わらず、さらに言えばアジア人まで含まれていた中で、使用開始のタイミングを遅らせるリスクをとってまで、小規模な日本人の再試験の結果を待つ必要があったかという点にあると思います。 「海外で必要十分な治験が行われ、安全性と有効性が確認されていれば国内治験がなくとも緊急使用できる」としていれば、使用開始は米国と変わらないタイミングであったと思います。そこが焦点です。 「治験待たずに」ではなく「国内治験待たずに」と補っていただくべきかと思います。もしタイトル通りならばあってはならない法改正ですが、そうではないと思います。会員限定記事のようですので(私自身も記事全文を読めませんが)、タイトルは訂正されるべきだと思います。
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自宅で服用可能な「コロナ治療薬」、ファイザーが年内にも発売へ
Forbes JAPAN
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
ファイザーは、飲むタイプの錠剤の薬と注射薬の2種類を準備しています。これはコロナウイルスに特化したプロテアーゼ阻害薬と呼ばれるタイプの薬であり、ウイルスの複製を抑える効果が期待されます。 似たようなタイプの薬剤は、HIVや肝炎ウイルスに対して用いられており、有効性や安全性が確立されていること、少なくとも試験管の中での試験で、コロナウイルスの複製を抑えることに成功したことから、人を対象とした試験に進んでいます。 これまでのように、既存の薬を試してみるドラッグリポジショニングと異なり、コロナウイルスに焦点を当てて開発された薬剤であることから、期待値は高いですが、その有効性や安全性については、ワクチン同様臨床試験の結果を待つ必要があります。 あくまで臨床試験結果が公表され、第三者の検証が行われた時点で土俵に立てるので、それまでは「発売」などと言うことはできません。 「可能性」と伝達するのはたしかに正しいですが、そのような報道から短絡的に「有効な薬が開発された」と捉える人が多くいることにも意識的でなければいけません。 報道が先行すると、臨床試験結果に問題があり科学的な理由で適用とならない場合にも、アビガンなどで見られたのと同様に、世論を間違った方向に誘導してしまうリスクもあります。 あくまで市販できるかどうかの判断は、臨床試験結果に基づいたものでなければなりません。このため、臨床試験が完了していない現時点では「発売されるかどうかは分からない」ということになります。全く発売されない可能性もあります。 そして何より、予防に勝るものはなく、現時点ではワクチンの普及が最優先事項です。もしそこでワクチンの長期的安全性への懸念を議論するのでしたら、この薬も同様です。 しかし、治療薬開発も重要なピースですから、臨床試験結果を期待して待ちたいと思います。
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