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【基礎からわかる】3.6兆円「異次元」少子化対策を噛み砕く
赤井 厚雄株式会社ナウキャスト 取締役会長
肝心なのは③今度こそ少子化是正に繋がるか、です。
こども家庭庁の政策で難しいのは、実際に政策を打ちだしても、それが出生数を上げるためのものだと、はっきり言えないこと。ただ、結果として少子化に歯止めが掛からなければ、打ちだした政策は間違っていた(予算の無駄遣い)と言われてしまうこと。そこが悩ましいところです。
「希望出生率(A)」と「合計特殊出生率(B)」の差分を小さくするというKPIになるが、Bは実数で出るのに対し、Aはアンケート調査のようなふわふわした数値になってしまうので、政策の効果測定がビシッと決まらない、ということです。
しかも、毎年全ての政策のKPIは年末に決められるが、こども政策だけ、政策がギリギリまで決まらず、「改革工程表」という政策の進捗を管理する政府全体の枠組みにおいて、こども政策はブランクの取り扱いのまま、越年したという経緯もあります。
このあたりについては、昨年末の経済財政一体改革推進委員会(経済財政諮問会議の専門調査会)で議論したので、興味のある方は以下をご覧いただきたい。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/committee/summary_20231218.pdf
フランス料理は“オワコン”か? 復権をかけた国家戦略を英紙が皮肉る | 魚のさばき方を仏人シェフが日本で習う日が来るかも…
赤井 厚雄株式会社ナウキャスト 取締役会長
フランス料理はオワコンではありません。
フランス料理のすごいところは、その技術を言語化し、体系化し、フランスの国外でも、環境の違うところでも再現可能にしてきた点。そして、その技術を正しく伝えるための国家戦略として、グランゼコール(国立大学院)を置いて活動を継続しているところです。その拠点はフェランディ校で、日本料理部門をおき、その共同Dean(研究科長)にはジョエル・ロブションと小山裕久氏をつけるという徹底ぶり、東大とも研究連携協定を結んでいます。なお、この記事にいう「高級料理」とはhaute cuisineのことで、服飾におけるオートクチュールに相当する料理の概念です。彼らの取り組みは、フランスの若手シェフを日本や英国にちょっと派遣するなどという、表面的なものではありません。
国の基金 15事業を廃止へ 5400億円余を国庫に返納 政府
赤井 厚雄株式会社ナウキャスト 取締役会長
基金は、単年度予算の弊害を少なくするために、多年度にわたってプールした政府資金を無駄なく・無理なく使って効果をあげる目的で作られたもの。それが、いつのまにか便利なお財布になってしまい、その政策効果の評価を含めた広い意味での規律・ガバナンスが失われてきているケースがあるのではないか、という問題意識で昨年秋から点検を進めてきました。私自身は、政府のEBPMアドバイザリーボードメンバーという立場で、経済財政一体改革推進委員会(経済財政諮問会議最大の専門調査会)を舞台にその点検に関わってきました。
それは、例えていえばスタートアップの資金調達のようなもので、あらかじめ大きな額の資金を(エクイティ)調達して、それを事業計画の推進に使ったり、場合によっては事業がピボットするときに必要な資金(M&Aや新たな設備投資を含む)に用いたりするわけですが、その動きは常に出資者(スタートアップ投資家)への説明をともなって行われます。
それが政府の事業基金になると、「スタートアップ経営者と出資者」の頻繁なコミュニケーションに相当するものがなくなって、お金が適切に使われているかをリアルタイムで点検したり、あるいは同じ政策目的を達成するには、もっと良い事業があるのではないか(当然、そうなればそのお金は引き上げて別の事業に振り向けるべき)という視点が失われやすい、ということで、政策の推進と財政規律のバランスをウオッチする「経済財政一体改革推進委員会」で点検・取り組みの提言をまとめる(その内容は経済財政諮問会議に上げられる)ということになったもので、この記事はその議論の一部を抜粋してまとめたものです。
詳しい資料は以下で公開(議事録も)されているので、興味のある方は一読してみてください。
・資料3 基金の点検について(行政改革本部)
・資料4「多年度にわたる基金事業のPDCA強化」に関する
PDCAの枠組み構築状況(報告)(内閣府)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/committee/20231013/agenda.html
議事録
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/committee/summary_20231013.pdf
星野リゾート代表、“ホテル代高騰”で下がる満足度に警鐘。「観光立国と逆方向に行っている」
赤井 厚雄株式会社ナウキャスト 取締役会長
価格の高騰を無邪気に喜んでいるだけではダメだというのはわかる。ただし、上昇している価格を無理矢理引き下げるのも同じくらい意味のないこと。超過利益があるのなら、その超過分の何がしかを、①株主への還元、②従業員の待遇改善、③施設の設備投資に使うのが、経営者の手腕であるはず。「持続可能な価格でコントロールすべき」という一見もっともらしい星野さんの主張は、彼の経営するリゾートの戦略と表裏一体をなすものだと私は感じます。彼のいう方向は一つのものだとして、皆がそれに流される必要はない。現状を踏まえ、もっと多様な考え方や戦略があってもよい、というのが私の考え方です。
3月訪日客、初の3百万人超 四半期で消費1.7兆円
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