小林 麻理

起業時から（大企業でもベンチャーでもない）中堅企業のコンサルに力をいれてきた関代表に、一定規模の既存事業を営む企業の新事業の取り組み方・戦い方について伺いました。 関代表によると、「お金」はあるけど「人」がいない中堅企業が増えていて「買い手市場時代の（高い給与・良い労働環境でなくても人が採れて会社運営できた）成功体験にとらわれている社長の人材投資に対する考え方を変えるのは難しい」とのこと。 ということで今回、必要なのは人へ投資（するための「お金」ではなく）マインド、というタイトルにしました。 人へ給与やリスキングの面で投資するだけでけなく、他社でも通用するスキルを身につけた従業員が「それでもこの企業で働きたい」で思わせる努力がこからますます求められるだろうなと改めて感じます。 2018年に取材した、外資系製薬会社・MSDの人事部長の「『MSDでしか働けないからMSDにいる』のではなく『他でも働けるけど、MSDで働きたいからMSDにいる』という人材になってほしい」という社員の育成に関する言葉が改めて思い起こされました。（https://newspicks.com/news/3386469）

日本初のERPパッケージやEC構築サイトを含めた数々のソフトウェアプロダクトを発案し開発、世に送り出してきたシステムインテグレータ創業者の梅田弘之会長に「新しくて売れるプロダクト」発想のコツを伺いました。 請負はもちろん客先常駐も当たり前というIT業界にあって、自社プロダクト開発にこだわり続けてきた梅田会長の考え方は、いまの。これからの日本企業にとても必要なものだと改めて感じました。

「非効率」がつきもののイノベーティブな新事業に必要な「メンバーのオーナーシップ」を阻むのが大企業ならではのガバナンスの高いカベだとCo-Studio澤田代表は、指摘します。 そのカベを突破するための出島戦略－すなわち既存企業のメンバーにオーナーシップを持たせた形での新会社の設立は、「大企業ほど優秀な人材がうもれがち」という問題に対処するためにも有効な手立てのように思います。

米国で起業を志すも断念したという内木COO。「当時の自分にアドバイスするなら？」という問いへ答えがタイトルです。 そして「挑戦するとき冷ややかな目で見られたら？」という問いに対しては、「（挑戦に対する）本気の『熱量』があれば、厳しい意見や冷ややかな目線にも耐えられる、というより気にならなくなると思います」と回答いただきました。 新事業に挑戦する自分自身に胸に響く言葉です。

二者択一と思われがちなジョブ型とメンバーシップ型について、雇用システム議論のきっかけとも言われている『新しい労働社会』と経団連の『政策報告書』をベースに改めて定義を見直しました。 ヨーロッパでは、現在の職務への評価を基本としつつ（ジョブ型）、働いている人を大切にしてやる気をもって働いてもらうような（メンバーシップ型）工夫や動機付けをしている企業も増えてきているそうです。 Cf「ジョブ型VSメンバーシップ型は誤解？～東大・水町教授に聞く（http://douitsu.net/s0102-jobgata/）」 「〇〇型」へ無理にあてはめることを目的とせずに、自社の従業員の声を聴き「経営・人事の思い込みの施策」になることを避けながら、企業独自の最適な雇用システムを目指していただければと思います。

（休業させている従業員に対する手当を助成する）雇用調整助成金は、累計約218万件、約2兆5,324億円となり、深刻な雇用状況です（人手余り）。 一方、ドラッグストア（同＋9.3％）、ホームセンター（同＋7.5％）スーパー（同＋3.8％）家電量販店（＋3.5％）といったように業績を伸ばしている（人手不足が持続している）小売業業態もあります。 こうした背景から年末に閣議決定した助成金を含め、「雇用シェア」支援の内容を紹介しました。