Picks
17フォロー
25246フォロワー


ドル、実力より14円高 揺り戻しに市場動揺の火種
唐鎌 大輔株式会社みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
四半期ごとに出しているJCERの均衡値は、あらゆる変数を用いて算出している均衡値ゆえ、参考値として面白いものだとは思います。詳しい算式が見られないので何とも言えませんが、記事では米財政赤字の拡大がドル安に寄与しているという前提で話が進んでいるようです。恐らく私もそうだと思います。1年で推計される均衡値が14円もズレるというのは、政策金利の125bps引き下げを加味しても、ちょっと大き過ぎる気がするので、政府債務の拡大が説明力として幅を利かせているのでしょう。
とすると、その状況は当面変わらないでしょうから、JCER均衡値は90円台が続くということになりますが、金融市場は米金利に説明力を求めてドル円は基本的に上昇基調です。この均衡値の背景にある推計式の頑健性が試される局面ではないかと思います。

【図解】格安の国、ニッポンの「10の衝撃」
唐鎌 大輔株式会社みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
インフレ率のチャートを見れば分かるように、各国の分散が明らかになくなっており、大体が0-2%に収斂しています。これは購買力平価上、円高圧力が緩和していくことを意味するわけですから、当然、円安の下、体感する海外物価は高く感じるわけです。日本人にとって海外の財・サービスの割高感が増しているという背景には、他国でもディスインフレ状況(停滞)があるという事実もあるわけです。
為替レートは対外価値を、CPIなど国内物価は対内価値を示すものであり、表裏一体ですが、日本人は(大体の人が盲目的に)円安を好む割には、こうして内外価格差の話になると悲観的になるというのは、複雑な話です。もっとも、日本の物価環境について動きがとりわけ鈍いのは事実であり、私はそれはやはり強固なジョブセキュリティの下で賃金が硬直的になっているという側面は小さくないとは思います。
IMF「世界経済見通し」最新版を公表。成長率「最低」に沈んだ日本、ワクチン戦略で格差の開く世界経済
唐鎌 大輔株式会社みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
恒例のWEOレビューを行いました(これは非常にリクエストが多く、早くやって欲しいというお声を頂戴しておりました。全部読むのにどうしてもお時間を要しまして・・・恐縮です)。
ここまでのコメントで繰り返し言及してまいりましたが、今や世界の経済・金融情勢はワクチン戦略の巧拙に依存しており、それは年初から為替相場に表れていました。今回のWEOもこのストーリーラインに乗った格好で、結果として先進国と途上国の格差がかなり開くことになると定量的に分析しています。
危惧されるのは両者の格差がそれだけ開けば、途上国からの資本流出はこれまでに増して警戒されるということでしょう。流動性はふんだんにあるが、景気のコントラストは大きいとなると、資金偏在は必然、大きくなるはずです。
なお、WEOはあくまで先進国と途上国の格差をフォーカスしていますが、ワクチン戦略という意味では日本は途上国グループに入る者であり、実際、21年も22年も先進国群では最低の成長率という仕上がりになっています。(※この点、逐一、「日本はもう先進国ではない」という諦観を語りたがる向きがあるようですが、日本はどうあがいても先進国群ですので、そこは議論の余地はありません)。
潜在成長率が元々低い、産業構造が違うなどいろいろ言い分はありましょうが、少し感染が広がると医療のひっ迫や崩壊を騒ぎ立てる状況では(それが事実なのか私は良く分かりませんが)、英米のようにロードマップを敷ける経済と差が出るのは当然だろうなとは感じます。

NORMAL