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世界初のDX提唱者ストルターマン教授に聞く、いま「DXが危機的状況にある」根本原因
ビジネス+IT
荒瀬 光宏株式会社デジタルトランスフォーメーション研究所 代表取締役
今回インタビュー対談をさせていただきましたが、エリック教授は改めて、「プロセスの一部をデジタル化することはDXではない」と話しています。従来行ってきたIT化、デジタル化は、DXではなくあくまでも部分最適の手段でしかなく、顧客にとっての価値創造(イノベーション)がDXのコアになければならないと教授は訴えています。しかし、企業がこのIT化、デジタル化をDXとして満足してしまう傾向は、様々なツール、ソフトウェア、ITベンダーが、自社の製品を販売するために「DXの近道、魔法のツール」的な売り出し方をしていることにも原因があると思います。  また、世界的にもDXを単にデジタル化として捉えている企業は多く、このような試みは大きな効果を出しにいため、DXが失望にかわる恐れがあると教授は語ります。  なぜ、その中でも日本の企業がDXに弱いのかという点については、日本が世界最大の少子高齢化先進国で、経営者の方々がデジタルに弱い世代になっていることと、ベテラン経営者の皆様が従来の競争の原理の中でビジネスを学んだ方々がサクセストラップにより新しいビジネスモデルを考えられないことも大きな要因になっています。このあたりは、本記事の後半でご紹介させていただきます。
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DX遅れは中堅社員のせい? 40代「関わりたくない」4割
日本経済新聞
荒瀬 光宏株式会社デジタルトランスフォーメーション研究所 代表取締役
タイトルだけを見ると、日本の中間管理職、中堅社員はダメなのかと思いかねない見出しである。確かに、かつて経営改革やBPRなどのプロジェクトが目の前で瓦解していった歴史を目の当たりにしていると、最初に動いた者が損をするのではないかという疑念を持つのは、当然のことである。そうでなくとも、時間を切り詰めて仕事をしている中で、新しいことに取り組む負荷というものは非常に大きく、先頭にたって実践しても、無駄になることは目に見えているというのが正直な気持ちであろう。  これまで組織が実践してきたマネジメントとは、従来の組織行動を維持するために組織に課したルールであり、プロセスであり、マインドであり、実務が逸脱しないいように管理職を設置したものである。この状態は、DXでいう変革を図れないのは当然でと言える。DXにおける中間管理職の役割とは、組織がデジタルを活用して価値提供の仕組を変えるための方向性を指し示し、自ら率先して行動変容することである。  残念ながら、このように動けている中間管理職は皆無に近い。中間管理職がやる気になっていないDXに現場社員がついてこないのは、当然のことだ。現場社員が新しいイノベーションのアイデアを出したとしても、従来の延長で中間管理職が対応すると、「仕事が増えるので、まずは本来やるべきことをやれ」とか、せいぜい「よいアイデアだけど、そういう新規サービスを作ってくれる他部署が動いてくれないと」などという反応になってしまう。中間管理職がそのような組織行動をとる理由は、そのように役割や行動が設計されているからだ。  つまり新しい価値提供の仕組、新しいビジネスモデルを模索するには、それ相応の組織の行動変容が必要で、組織行動を変えるには、社内の様々な要素を変える必要がある。したがって、中間管理職の行動変容を促す仕組みを作るのは経営の仕事である。「うちの中間管理職は保守的で新しいことに取り組まない」とか「うちの課長連中からは新しいイノベーションのアイデアが全くでない」などと、中間管理職に対する批評家になっている経営者がいるとしたら、これは職務怠慢である。これらの組織の行動変容のリーダーシップをとれるのは、経営陣に他ならないからである。
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