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米特使、中国の意向尊重する考え
武貞 秀士拓殖大学大学院 客員教授
ケリー特使が短時間の上海訪問で成果を出したのは、時間をかけて米中が調整した結果だった。気候変動対策はバイデン政権が重視する政策の柱のひとつ。バイデン大統領は就任直後から中国を「競争相手」と説明し、敵であるとは表現したことはない。米中関係では対話を基調としている。3月の安全保障戦略指針・暫定版でさえ、バイデン政権は中国を唯一の競争相手だと表現している。競争をしながらゴールにどちらが先に着いたかを決める相手だとしている。それを米中双方は熟知した上で、ときどき国内と国際社会の「ガス抜き」のためにアンカレジ・外交トップ会談のように口論をして見せるのが米国と中国。外交とは芸と術を競う分野なのである。
【白熱の3日間】科学技術立国には「役に立たない」を許容する社会が必要だ
武貞 秀士拓殖大学大学院 客員教授
この記事はひとつひとつがもっともな話。日本の科学技術が遅れをとってしまった原因はどこにあるのかを説明している。科学技術立国には「役に立たない」を許容する社会が必要だという見出しも良い。「愛」と「好奇心」がないところにはイノベーションはない。大胆な仮説をたてて、時間をかけて検証をしてゆく人や、仲間からの袋叩きを覚悟して「常識」に挑戦をして、それを覆して新しい「常識」をうちたてるという覇気ある人が減ってきたのだろう。科学技術分野ではないが、国際関係論の地域研究の分野でも、常識的であることを疑いながら、大胆な仮説をたてて、自分で仮説を検証してゆくというタイプの人が減っているような気がする。教育の現場の責任は大きい。
イランは「核合意違反」 米大統領、協議継続は歓迎
武貞 秀士拓殖大学大学院 客員教授
イランの核開発問題も北朝鮮の核開発問題も、共通点がある。「経済制裁を緩和させるために、このままでは実戦に使える核兵器を完成してしまうぞ」と脅かしているとの解釈が多数。核兵器開発を制裁緩和のためのカードに使っているとの解釈。もうひとつの視点が必要ではないか。「制裁緩和をしなければ核開発が進むぞ」と脅かしつつ、並行してなにがなんでも核兵器完成まで作業を続けるという考えがあるとの視点も必要。イランは運搬手段である弾道ミサイル開発を長年、続けてきたし、中東では孤立してきたという事情がある。北朝鮮との軍事技術協力の協定があり、国産の固体燃料ロケットは開発済み。イランにも北朝鮮にも核兵器を保有する軍事戦略があるとの視点で論じる必要があるだろう。
日米首脳会談、台湾海峡の平和と安定の重要性で一致と菅首相
武貞 秀士拓殖大学大学院 客員教授
首脳会談後の記者会見で予想通り菅総理は、「インド太平洋地域と世界全体の平和と繁栄に対して中国が及ぼす影響について真剣に議論を行った」と述べた。事前の噂どおり米国は「台湾海峡の安定」について議論することを求め、両国は議論をした。ところで菅総理がCSISのイベントにオンラインで参加したとき「中国とは安定して建設的な関係を築きたい」と語ったのが総理の本音ではなかったか。バイデン大統領が中国を「競争相手である」と表現してきたのと比べるとニュアンスが違う。いけいけドンドンで中国包囲網の一翼を日本が担いますという話に日本は全面的に乗るわけにはいかない経済上の理由がある。それを示唆した発言だっだ。日中貿易は重要だし、日本は中国のサプライチェーンに依然として頼る分野が多い。資源、技術、人材、資金力が豊富で好調な米国経済を追い風に、中国、ロシアと丁々発止を開始したバイデン政権と対中国政策に関するかぎり同一の政策をとるわけにはいかないとの日本国内世論に配慮したものだろう。

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