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ベンチャーを大きく育てるしくみを作らないと、日本はマジつぶれる!
現代新書 | 講談社
Kaku Kスタンフォード大学経営大学院 MBA Class of 2023
成功するベンチャーは一握りなので、ベンチャーのエコシステムを強化したいならば起業にチャレンジする人、並びに創業期のベンチャーに参画する人の絶対数を増やすことが不可欠。卒業生の約20%が起業するスタンフォードMBAでも大半は敗退する。そして人々を起業に駆り立てる最大の原動力は、言うまでもなく大きなリスクを取った先にある大きなリターン。 一方で日本では、成功者を嫉み失敗者を晒し者にするネガティブな社会風潮に加えて、起業リスクを増大させる一方でリターンをも制限する以下の金融契約上の慣習が、中国やアメリカに比べて起業のハードルを著しく上げている。 ①個人債務保証を求めるDebt Finance 初回の起業でいきなり成功する確率は限りなく低いので、起業での失敗を次の起業に活かすサイクルが必須。自己資金で創業資金を賄えるケースは稀なのでDebt又はEquityによる外部資金の調達が求められるが、日本のDebt Financeは銀行融資からリース債務に至るまで起業家個人の債務保証を求めるのが慣習。失敗したら個人の破産に繋がる日本のDebt Financeは起業のハードルを著しく高める。 ②買取請求権を求めるEquity Finance とはいえ個人債務の有無を問わず、安定した売上が立つ前のベンチャーがDebtで資金を調達するのはどの国でも現実的にほぼ不可能なので、会社を立ち上げて事業を展開する初期フェーズはエンジェル投資家やVCが拠出するEquityによる資金調達がメイン。リスクマネーとしてのEquity資金は本来返済義務がないが、日本のベンチャー投資では買取請求権(Redemption Right)が付くのが慣習。業績悪化時に既存株主による株式の買い戻しを請求する買取請求権は、収益基盤や営業資産がある既存企業のバイアウト投資時に付ける条項であり、ベンチャー投資では外すのがアメリカの常識。スタートアップへの買取請求権はVCの目利きとポートフォリオ管理力の無さを起業家に責任転嫁する怠慢。ベンチャー企業は事業失敗時に資産売却で返済原資を確保できる見込みがないため、買取請求権は実質的に起業家の個人保証と同等であり、起業のハードルを高める。 ③ストックオプションの制限 字数制限により割愛するが笑、日本の制度はアメリカに比べ不利で、創業期のベンチャーは優秀な人材を確保しにくい。
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ホンダ、「脱炭素」航空燃料SAF製造へ着手…2030年代の実用化目指す
読売新聞
Kaku Kスタンフォード大学経営大学院 MBA Class of 2023
シリコンバレーで流行りの脱炭素系VCに身を置く身としては、非常に気になる動きです。ホンダの様な大企業によるノンコア×長期回収×低収益事業(現時点でSAFが化石燃料とコストパリティになる見通しは楽観論)への経営資源投下は、投資家の経済的価値最大化に焦点を置く従来の受託者責任の観点からは正当化されない動きです。 脱炭素を巡るセンスメイキングが世界中で進んだ結果、大企業が需要側としてgreen premiumを払って割高な低炭素製品に切り替える、というステージを超えて、(ホンダが将来的に他社にSAFを販売する意図があるかは不明とはいえ)供給側として未成熟な環境技術への投資を進めていくことが許容されるのであれば、それは受託者責任における環境的価値の重要性が経済的価値に並びつつあることを意味します。 イノベーションのジレンマ理論に沿って考えれば、大企業は従来sustaining innovation=コアビジネスにおけるプロセス改善系の技術へ投資を集中させるからこそ、disruptive innovationによって新興市場を切り開く余地が生まれ、その市場の空白を埋めて足場を固めてから大企業が戦うマス市場に下から切り込む、というのが従来のスタートアップの勝ち筋でした。 ところが環境価値の高まりに伴って大企業が積極的にdisruptive innovationに取り込むことでイノベーションのジレンマが理論が陳腐化される脱炭素×ハードテック分野において、有形無形の経営資源の質と量で圧倒的に有利な大企業との競争や連携にスタートアップはどの様に向き合うべきなのか?が改めて問われると感じます。最終的には大企業に吸収されるのがオチ、なのであればVCとしてのExitはますますM&Aに偏っていく、ということなのか、、、
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【図説】あなたの給料と日本を救うのは「英語」だ
NewsPicks編集部
Kaku Kスタンフォード大学経営大学院 MBA Class of 2023
データ11=年間のVERSANTスコアの伸び/週平均学習時間で割った数値を以って「英語学習の効果は20代-50代まで変わらない」→今からでも英語学習を始めるのは遅くない!という主張に繋げていますが、、、 VERSANTは日本人が苦手なスピーキング主体のテストで、満点は90点、日本人平均が38点、同テスト採用の日系企業での海外駐在の最低要求点が47点です。データ11が正しいとすれば、確かに各年代で数値はほぼ変わりませんが、伸び代は週1時間につき僅か0.2点前後。。記事の専門家が推奨する「1日1時間=週7時間×2年半」では単純計算ですら3.5点しか伸びない。平均的な日本人が38→47点まで伸ばすには、1年かけるなら週45時間=1日6.4時間、2年かけても1日3.2時間は必要となる計算です。 つまりデータ11が示唆しているのは、日本人が20代に入ってから英語のスピーキングを伸ばす学習効果は年齢に関係なく確かに「変わらない」が「一様に低い」ということであり、貴重な時間をかけてやる価値が果たしてあるのか?、各自で費用対効果をよく考える必要があるでしょう。20-30代の会社員が今勤めている会社の海外駐在ポジション=手厚い日系企業の駐在手当分の年収上昇を狙うならアリかもしれませんし、海外のMBAに行きたいなら英語力強化は必須。一方で、$200K以上の年収を狙う場合、外資系日本法人にせよ欧米での現地就職にせよカタコトレベルの英語力=日本人にしては上手いレベル、では全く差別化要因になりません。 個人的には流暢な英語力がグローバル人材としての最重要スキルであることに疑いの余地は無い思っていますが、10代のうちにその必要性に気がつけずに何も対策をしなかった人、及び海外志向が特にない社会人が貴重な時間をかけて学び直しをするなら、英語以外の専門スキルを選んだ方が良いと思っています。
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業績不振のビヨンド・ミート 代替ステーキで巻き返し目指す
Forbes JAPAN
Kaku Kスタンフォード大学経営大学院 MBA Class of 2023
ちょうど最近サステイナビリティの授業でBeyond Meatの競合であるImpossible Foodsのケースを扱い、R&Dスタッフのインタビューもやったので培養肉に関してちょっとコメント。 この業界の問題意識はあくまでも、肉から培養肉へのスイッチを通じて、畜産業界のもたらす環境負荷=牛のゲップからのメタンガス、大量の水消費による水資源枯渇、大規模な放牧場による土地の非効率使用/生物多様性減少等を低減することにあります。(環境のためではなく自分の健康のために転身した) 肉食に未練タラタラなベジタリアンやヴィーガンのための商品、という次元ではないのです。 しかしながら崇高なミッションだけで惹きつけられる消費者はいわゆる環境意識高い系+好奇心強い系のアーリーアダプターのみで、マスに展開するには、認知度向上に向けたマーケティングに加え、肉と同等以上の①コスト②安全性③便益=味/食感/栄養を再現できるか??に全てかかっています。肉大好き人間の私でも、培養肉でA5山形牛の特上カルビと同等のクオリティを2割安く再現出来ます、と言われたら「じゃあまぁスイッチしてもいいか」と考えますよね。なので培養肉スタートアップは調達した資金の大半をR&Dに費やして①②③の改善に日夜精力的に取り組んでいるフェーズです。現在は①はまだまだ高いが赤字掘って拡販、②はFDAの安全水準はクリアしたので文化的/心理的抵抗の緩和が課題、③に関しては味オンチなら騙せるレベル、、、という訳で私も試しに食べてみましたが、、まぁまだ全然ダメですね笑。筋トレ後に食いたいとは思わない。 当然ながら四半期間隔の短期リターンを求める一般株主の目線に合わせられる段階では全くないので、Beyondは明らかに上場が早過ぎた、という話。どうせガマン出来なくなって早くExitしたくなったVCからのプレッシャーに負けたのでしょう。社会性が高い且つ資本集約的な環境系スタートアップは、出資してもらうカネの色をよく見る=VCとその奥にいるLPは自社のミッションに共感し長くコミットしてくれるか?流行りに乗って手っ取り早く稼ぎたいだけか?ことが極めて重要です。
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【独占】最強の脱炭素ファンドが教える「10大投資先」
NewsPicks編集部
Kaku Kスタンフォード大学経営大学院 MBA Class of 2023
おーLowercarbon Capital、最近いろいろお世話になってます。明日もスタンフォードまで講演に来てくれますね。チームの豊かすぎる個性がHPにミッションとして堂々と掲げるunf**k the planetの文言からも伺える中々ぶっ飛んだファンドですね。Antoraも面白いですが(ちなみに写真のブロックは恐らくアルミ製錬用の違うヤツです笑)、個人的にはここには載ってないLumen Energyも推しですね。まぁseedに特化しているVCならではの画期的なスタートアップがポートフォリオに多いのは間違いないです。 Capital-intensiveなClimate deep tech分野にはいわゆる“死の谷”が3つあり、一つ目と二つ目の谷=product developmentとmarket validationはLowercarbonの様な数多のseed/pre-A特化型Climate-tech VCや少額のGrantで乗り切れますが、最大の難所はdeployment(scaling)のステージ。特にgreen premium(環境には優しいが従来のメソッドよりランニングコストが高い)を抱えながら10億ドル規模の資金調達をどうやるか?が焦点で、この手の新鋭climate-techが今後later stageに達した際にcatalytic capital (短期リターンを求めないカネ)をどの様な形で工面するか?が最近のシリコンバレーのclimate-tech界隈のテーマでもあります。
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