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女性起業拡大へVC動く ANRI、投資先の2割配分 多様性で収益伸ばす
日本経済新聞
東 志保Lily MedTech 代表取締役CEO
私自身、女性起業家として5年間活動してきて、様々なピッチコンテストにも参加して来たが、確かに女性起業家は非常に少ない。 起業直前の時でさえも、自分が起業家として会社を経営出来るという自信が全くなく、経営やファイナンスの分野は、男性が得意な分野、男性しかいない分野、という認識だった。正解がない分野では、男性と腹の底で分かり合えないと形骸化したコミュニケーションばかり横行し、男性からの実質的な協力は得難いと感じていた。 そしてそれは残念ながら事実である。 本当は相手のために伝えた方が良い情報だが、もし万が一漏洩した場合、情報を伝えた側がリスクを取らなければいけない様な情報は、同じ感覚を持った人間にしか言わない。リスクが大きい割にベネフィットが小さいからだ。 私が過去にいた理系分野でも女性がほとんどいなかったが、物理法則と物理定数のみが支配する世界で、男女の性別関係なく、対等に議論できた。 それと比較すると、今の経営/ファイナンスの世界で感じる、周囲の男性から根底で信頼されていないという感覚は、理系分野にいた時とは比べ物にならないくらい強い。「こいつは何をしでかすかわからない」という私や女性に対する恐怖心だ。 また、重要な意思決定や相談をする際に、正式な会議で共有される情報のみで判断せず、信頼できる人間のみで閉鎖的に決めたい、という人間の防御本能が働いた時に、よほど信頼されていないと女性はそこに参加できない。本来うまく活用すべき会議体による意思決定プロセスが形骸化すると、最終的に組織や事業の俯瞰が困難となりリスクが誰にも把握しきれなくなる。 人間の本来もつ不信感や恐怖心の克服は、自身の努力以外ではどうにもならないので、議論を通じて意思決定する事に価値を置くVCと起業家を共に増やさないと、いくら今の日本社会で女性起業家のみを集めても、女性にとって不利な状況であり続けると感じる。
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