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地球上の人間が全員海に入って座ったら、海面はどのくらい上昇する?
クーリエ・ジャポン
土屋 武司東京大学 大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 教授
「地球の表面は70%以上が海で覆われており、その面積はだいたい3億6000万平方km(360兆平方m)」 基本知識として,1mが地球一周を4万kmとする長さとするように決まったことは覚えておく.球の半径を r とすると,円周 l は l = 2 π r で,球の面積 S は中学校で習うように, S = 4 π r^2 だから,  S = l ^2 / pi その S の 0.7 が海の面積で,円周率 π はおよそ 3 として,海の面積は  S(海) = l^2 * 0.23 = 3.6億km^2 とだいたい求められます. ところで,地球の体積はどのくらいでしょう.球の体積 V は中学校で習う.  V = 3/4 * pi * r^3 だから円周 l に対して,  V = l^3 / 6*pi^2 なので,4万 (4*10^4) を3乗した 約50*10^12 を 約50くらいで割れば良いので,おおよそ,1*10^12 km^3(1兆立方km).ネットで調べると1兆833億1978万km3とあるので,まあOK. 加えて,地球上の水の体積 V(水) はどのくらいでしょう.地中にある水もすべて海に加えたとして,平均4kmくらいの水位になるのかな.それを d としましょう.  V(水) = S(海) * d ですから,だいたい,14億km^3(1.4*10^9km^3).ネットで調べると,約13.86億k㎥とあるので,良い感じ. 地球の質量に対する地球上の水の質量の割合を考える.水の密度 1g/cm^3 に対して地球の密度はどのくらいだろう.鉄の密度が 7.8g/cm^3 と言われているので,だいたい,鉄の0.7倍くらいで 5g/cm^3 かな.とすると,  1.4*10^9km^3 / 1*10^12km^3 / 5 より.0.03% くらいか.ネットによると0.023%.オーダーはあってる. なんでそんなことを妄想したかというと,昨日,「小惑星りゅうぐうの砂、詳細分析 大量の水や有機物確認か」 https://newspicks.com/news/5943294 というニュースがありました.地球上の水の大部分は地球上で生成されるより宇宙からやってきたと思うので,小惑星の岩石に最大でどのくらいの水が含まれていたのだろうと考えたからです.
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客室乗務員の職種変更募集=日航、総合職に「片道切符」
時事通信社
土屋 武司東京大学 大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 教授
写真に写っている航空機の垂直尾翼は航空機の方向安定、あるいは風見安定に重要な役割を持っています。風見鶏を最近はあまり見なくなりましたが同じ原理です。垂直尾翼に対して横から空気が流れ込んでくると垂直尾翼は揚力、機体に対しては横力を発生し、機首を進行方向に向けようとする効果があります。 ところで垂直尾翼の前縁はほぼ直線的ですが、胴体との付け根近くで折れ曲がっているのが見えます。この部分をドーサルフィン(Dorsal Fin)と言います。Dorsal Finとは「背びれ」のことです。この役割は垂直尾翼の効果を大きくし、また失速を抑制する効果があります。尾翼の失速は飛行の安定性を失う致命傷となり得ます。ドーサルフィンで渦が発生し、その渦を持った流れが垂直尾翼表面をまとわりつくように流れることで流れが垂直尾翼から剥離するのを防ぎます。流れの剥離を防ぎ、失速を抑制します。 航空機を安定に飛ばすものは何でしょう。そのために、時に整った流れを乱して撹拌して、剥離、失速を防ぐことが重要とわかります。 【追記】 私が垂直尾翼の話を初めに書いた張本人ですが,言いたかったことは,空気の流れを人のキャリアに例え,ドーサルフィンが引き起こす攪乱,渦が航空機の飛行安定に寄与するように,様々な部署の経験(理不尽とも思える)を積んだ人が増えることで組織が強くなると言いたかったのです.
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セガ、150ページ超の社内向け数学資料を無償公開 「3DCGの技術的基礎に」
ITmedia NEWS
土屋 武司東京大学 大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 教授
どうでも良いことですが,航空機の姿勢角はヨー角ψ,ピッチ角Θ,ロール角Φのオイラー角を用いて表現します.そのほうが直感的に分かりやすいからです.しかしながら,ピッチ角Θ=±90度の姿勢,つまり,機首を垂直上向きあるいは下向きにしている姿勢は特異点となり,ヨー角ψとロール角φを分けること(一通りに決めること)ができなくなります.つまりオイラー角表現は姿勢角ψ,Θ,Φを一組与えると姿勢は一つに決まりますが,逆に一つの姿勢を与えると,姿勢角ψ,Θ,Φは一組に決まるとは限りません(特異点では決まらない).また,姿勢角の時間微分である3つの角速度,ヨー角速度(ヨーイング)R,ピッチ角速度(ピッチング)Q,ロール角速度(ローリング)Pを積分して姿勢角ψ,Θ,Φを求めようとすると,特異点で発散します. これがオイラー角による姿勢角表現の限界です.それでも航空機の姿勢をオイラー角で表すのは直感的に分かりやすいからで,特異点を気にする必要があるのが,姿勢変化が大きい戦闘機くらいで,旅客機では関係ないからです. 一方,姿勢が3軸周りで回転する宇宙機では特異点の問題を避けることができません.テールシッターのような特殊な航空機も特異点が問題になります.そこで,クオータニオンを使った姿勢表現を用います.特異点の問題がないからです.クオータニオンは四元数と呼ばれ,いまある姿勢が基準となる姿勢からある回転軸周りにある回転角回して得られるとき,その回転軸の3次元ベクトル成分とその軸周りの回転角の4成分で表されます(正確には少し違う). ドローンの飛行制御装置や飛行記録装置はたいていクオータニオンで計算されています.機体の座標(緯度・経度)と姿勢角をクオータニオンで表現し,加速度,ジャイロセンサデータを拡張カルマンフィルタで融合し,リアルタイムに位置,速度,姿勢角,角速度を推定するアルゴリズムと装置を発明して特許を取得し,利用いただいている企業もあります. 頑張って勉強しましょう.どうでも良いことでしょうが.
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