Picks
14フォロー
24フォロワー
ブルネロ・クチネリの成功が示唆する「人文学」の力
Forbes JAPAN
鷲巣 大輔FP&Aスペシャリスト
これは深く考えさせられました。素晴らしい記事だと思います。 簡単に要約すると、効率・実用・グローバルを旗印に進んできたビジネス界は、気付けば格差拡大や環境問題を引き起こすなど、全体でみると幸福感が高いとは言えない社会を作り出してしまった。それを打破するために「人文学」が役割を果たす時代がやってきた、というお話。 ここからは自分の感想ですが、これまでのビジネスの在り方というのは、「利益創造」が目的と化し、それを効率的効果的に生み出すための「再現性のあるハウツー」を求めるが故の科学的アプローチという要素が強くなりすぎてしまった。それがうまくできる人が評価され高い報酬を受け取っていたのがこれまでの時代的パラダイム。 でも本質は「自信の信念や哲学の表現」が目的であって、それを達成するために「自分自身のオリジンと感情に向かい合って試行錯誤する」ことにある。これまでのビジネス界でのパラダイムとは大きく異なる世界観が目の前に迫っている。エリートがアートを学ぶとか、リーダーに哲学が求められるとか、その文脈で考えると非常にフィットする。 ラグジュアリービジネスというのは、その変化後のパラダイムに沿いながらも、現存の資本主義のルールの中でビジネスを進めるという一つの考え方になるのかもしれませんね。
318Picks
クレラップのクレハ、在庫が阻む資金効率改善
日本経済新聞
鷲巣 大輔FP&Aスペシャリスト
商品ポートフォリオを高付加価値主体に変えることで利益は増加したが、在庫負担が重くて営業CFが伸びていないのが課題、という内容です。確かにファクトベースではそうなんだけど、高付加価値商品と在庫水準ってある程度トレードオフの関係にあるので(特に僕がFMCG・ラグジュアリーといった一般消費者向け事業にいるから強く感じるのかもしれない)、必ずしも在庫が悪とも言い切れないんじゃないかな~と思って交叉比率を調べてみました。   交叉比率とはFMCGの世界でよく使われる指標で「在庫回転率」と「粗利率」を掛け合わせた指標。クルマでいえば、フェラーリは月何千台も売れるわけではないけど一台当たりの粗利率は高い。一方、カローラは月間数万台以上売れるけど一台当たりの粗利率は低い。掛け合わせたのが本当の収益力だともいえる。   ざっくり見てみると、クレハの交叉比率は2016年に1.17だったのが、2020年は1.10とほぼ変化なし(金額換算すると10億円程度)、またこの5年間においてもあまり大きな変動はありません。だから商品ポートフォリオを切り替える中で、在庫回転は鈍化したけど、粗利率が上昇したので総合的な収益力でいうとスムーズに商品ポートフォリオのシフトが完了したと言えそうです。   むしろ過去の利益率が低かったのが問題だったとも言えそうですね。この5年間売上が1400億円レベルでほぼ変わらず、実は営業CFも150億円ほどであまり変わってません(2018年、2019年は例外的に好調だった)。純利益が2016年は49億円と売上高比で3%と低かったのが2020年には10%に改善したので、これからはいかに高収益商品ポートフォリオを強化していくか、スケールアップしていくか、というほうが課題なのかな、と思いました。
1Pick
ミクシィ、英国風PUBの「HUB」と提携 総額15.5億円の出資で持分法適用会社に
AMP[アンプ] - ビジネスインスピレーションメディア
鷲巣 大輔FP&Aスペシャリスト
HUBの直近の第3四半期決算を見ると、コロナ感染による影響をもろに受け、今期9か月間の売上高は前年比6割減の33億円、営業損失も▲11億円と、前年のラグビーワールドカップの影響で絶好調だったのが嘘のような転じぶりです。   無借金企業だったHUBは急遽20億円の借入を実施し(コミットメントラインは35億円)急場をしのぎますが、それでも有店舗バーという固定費が重めなビジネスモデルからすると大々的な構造改革をしないと血が止まらないのも明らかです。ざっくりと年間の減価償却2.5億円程度となると、前年比で半分規模まで固定費削減したとしてもキャッシュは出ていく一方ですからね。これはきつい・・・   正直ミクシイおよびTech Growth CapitalがどのようにHUBを変革するのかは見当もつきません。ただし過去のビジネスモデルの延長線上にHUBのサステナブルなビジネスモデルがあるとは、アフターコロナ時代は考えにくいのは明らかです。手元のキャッシュ20億円+コミットメントラインのプラス15億円、そして今回の増資により注入された10億円を使って、キャッシュが燃え尽きるまでの期間の中において、組織のマインドセットのリセットを含めた、デジタル主体の変革にどう着手してV字回復させていくのか、多くの日本企業のヒントになるのではと思います。注目したいですね。
260Picks
ニトリHD、コロナ下の大幅増益 カギは変動費改革
日本経済新聞
鷲巣 大輔FP&Aスペシャリスト
この日経の記事と合わせて、改めてニトリという会社の財務諸表やIR資料として発表しているファクトブックを見たのですが、いや~ニトリ強い、強すぎる。   強いと思った根拠①:継続的に成長する営業CFと、その半分を投資に回すという勝ちパターンができている。IR資料にある「キャッシュフロー状況」を見ると、2016年2月期から2020年2月期まで、平均+14%という高い成長率で、また毎年コンスタントに営業CFが増加しています。一方投資CFを見てみると、2018年度というイレギュラーな年はあるものの、およそ営業CFの半分を投資に回しています。将来に向けた投資を積極的に行い、また収益改善も形になって表れている、勝ちパターンが出来上がっています。   強いと思った根拠②:手元キャッシュは2020年11月末時点で2,400億円あり、それに対する有利子負債は47億円と実質無借金状態。9か月間の売上高が5,400億円ですから4か月分の売上高に相当するキャッシュを手元に持っている状態です。店舗+物流施設主体の有形固定装置産業だけれども、借入に依存をすることない盤石の財務体質。   コロナのように突如やってくる危機に対しても、今後想定される「脱・大量生産大量消費」型未来への対応においても、盤石な財務体質と投資を高リターンに転換する能力を併せ持つニトリという会社は、これからも時代を切り開いてフロンティアを進んでいくパイオニア企業なのだろうなと思いました。
2Picks
スタートアップ企業への投資促進へ 報告書まとまる 経済産業省
NHKニュース
鷲巣 大輔FP&Aスペシャリスト
僕は日本の大企業で働いていないし、働いた経験もないのでオープンイノベーション的M&Aするときのプラクティスは知らないのだけれども、ただ多くの方が言っていることや書いていることを参考にすると、「なぜ大企業のバリュエーションは低く設定されるのか」という問いに対する追加での仮説はおおよそ次の3点かなと。   ①減点主義的大企業評価システムにおいて、一点突破型ベンチャー企業は大企業視点での「マイナス点」が多すぎる。DCF法で評価する際の割引率が高くなって、バリュエーションが高くならない。   ②また本来ならばその一点突破の強烈なる強みをどうマネージしてFCFを最大化するかというデザイン力が求められるのだが、それができるような新技術に精通した若い人はそもそも大企業に行かないし、いたとしても大企業のヒエラルキーでは意思決定の権限が与えられていない。よって「インクリメンタル」なFCFシナリオが描かれることになる。これもバリュエーションが高くつかない理由の一つ。   ③日本の変な「大企業のほうがベンチャーより立場が上」的な間違った認識がまだあって、ベンチャー企業に対して高圧的な風潮がある。これは2019年6月に公正取引委員会が「製造業者のノウハウ・知的財産権の対象とした優越的地位の濫用行為等に関する実態調査報告書」で報告していることから、少なからずこうした「態度」はあるんだろうな、と。   冒頭申し上げた通り、日本の大企業で働いた経験はないので妄想の域は超えない仮説であることはお伝えしておきます。
225Picks
IHI、赤字回避は「脇役」頼み リスク退治が貢献
日本経済新聞
鷲巣 大輔FP&Aスペシャリスト
ファイナンス部門、特にFP&Aが企業経営に貢献するという一例だと思います。 記事の中で注目したのは、2017年の組織改編でリスク管理を強化する体制を作ることで「追加コスト」が減少したとのこと。かつて「業績下方修正の常連企業」というありがたくない評価を下されていたIHIですが、JPMのコメントにもあるように、大幅評価改善となったようです。 変革前のIHIは、大型受注にインセンティブのある部門長の決裁権限が強かった。それを他部門の決裁者の「横やり」が容赦なく入り、コストや工期の下振れリスクを徹底的に管理するようになった。当然の結果、部門長の参謀としてリスク評価管理できる人が意思決定に影響を与えるようになる。まあ、当たり前っちゃ当たり前の事なのですが、売上至上主義・ライン長の絶対的権限という構造上の課題を持っている会社はまだまだ過去のIHIのような意思決定プロセスから脱却できていない会社も多いのかもしれませんね。そういう会社にとってもIHIの試みはヒントになるかもしれませんね。 記事には書かれていませんが、IHIは社外取締役の数も増やしています。ガバナンスを強化するために、意思決定のプロセスをトップダウンで変更する、その新しい秩序に合わせるために部門長がEVA/ROICに直結するKPIを意識し始め、そこにFP&A的人間が参謀として働きかける。この一連のプロセスというのが王道的な「ファイナンス思考を持った企業へのトランスフォーム」の道筋になるという感じでしょうかね。
2Picks
オムロン、コロナ禍でも増益 試されるROIC経営の真価
日本経済新聞
鷲巣 大輔FP&Aスペシャリスト
米系企業にはFP&A(Financial Planning & Analysis)という役割がほぼ標準で存在しますが、まさにそれの日本における具体的事例を示していると思います。   FP&Aの役割というのは、①企業価値(≒EVAでありROIC)を高めるための中期戦略を構築する、②そのドライバーとなる要素を見極めKPIを設計し組織に落とし込む、③定期的なモニタリングで問題発見、問題提起、議論をリードして修正策を組織に落とし込む。経理でも財務でもなく、事業構築に貢献するファイナンス・ビジネスパートナー的役割として日本においてもFP&Aの力がもっと強くなればいいなと僕が思っているのは、まさにこういう取り組みの広がりと同義です。   さらにその先を行くのであれば、ここまでのプロセスは科学的アプローチで無機質なものになりがちです。それをいかに有機的な人間的な取り組みにするかということかな。   FP&A的アプローチは「四半期単位」といった短期的成果の追及へのフィットネスはとても高いと思っていますが、逆にいうと企業の長い歴史があり文化があり暗黙知があり、それが将来の試金石になると考えると、KPIでがんじがらめにすることがベストだとは思えません。このあたりの時間軸のバランスをどう解消するか。   またFP&A的アプローチは論理的で科学的な「オペレーショナル」な事業マネジメントとのフィットネスは高いですが、ブランディングや企業の独自性といった「見えざる資産」をどのように作るかというところにはなかなか踏み込めていないケースが多い。モノ作りからコンセプト創出に産業構造シフトをしている日本において、ただ単純にアメリカ型FP&Aを入れればいいということではないとも思います。
5Picks
NORMAL